カッターナイフと鮮血

エチゾラ太郎

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最終話 精神科病院の裏で

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それから僕は大学生になっていた。
大学生になっても
躁状態と鬱状態が苦しく
大学の学生相談室のカウンセラーにいじめの過去を話した。
「松崎くん、いじめはいじめる方が悪いから」と
僕の味方をしてくれた。

どうしても躁と鬱で
精神が苦しいので
ベテランの精神科医を訪ねた。

過去のいじめのことで精神が苦しいことを
話した。

「高校の教師は人権を侵害する」
とベテランの精神科医は言った。

精神科病院裏で
ハイライトメンソールに火をつけ
思い切り煙を吸い込んで
深呼吸した。

自分の暴力の虚しさと
いじめられた悔しさの
気持ちがどっと溢れかえって
ぽろりと涙がこぼれた。
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