ベッドの隣は、昨日と違う人

月村 未来(つきむら みらい)

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第三章 見つめて、手放して

28話 昨日の選択

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翌日、クリニックの更衣室。
ロッカーの前に立ったみいなを見つけるなり、美咲の視線が上から下へ、ゆっくり動いた。

「……うんうん、合格」

「……合格ってなに?え、今日の服変?」

思わず胸元を押さえると、美咲は吹き出す。

「違うってば。昨日、ちゃんと帰った顔してるなーって思って」

「……顔でわかるの、それ」

「わかるわかる。あんた、分かりやすいもん。
あとそれに……服、昨日と違う」

ロッカーを開けながら、みいなは小さく息を吐いた。

「ああ、そっか……うん……帰ったよ」

「で、どうだった?」

一瞬だけ言葉に詰まってから、みいなは正直に答える。

「うん……断ったらね、急に冷たくなって」

美咲の手が止まる。

「でも……なんか、ホッとした」

その言葉に、美咲は少しだけ真剣な顔になった。

「……それさ」

ゆっくりと、でもはっきり。

「断って冷たくなるってことは、そういう相手だったってことだと思うよ」

みいなは頷いた。

「わたしもね……昨日、そう思った」

そのまま、ロッカーの扉をバタンと閉める音が響く。

「そろそろ行かなきゃね」

そう言って振り返った美咲は、ふっと笑った。

「なんかさ、今日のみいな、顔晴れやかだよ」

「え、ほんと?」

「うん。スッキリしてる」

一瞬考えてから、みいなは急に背筋を伸ばした。

「よしっ。今日も1日、がんばろー!」

思いがけないテンションに、美咲が目を丸くする。

「ちょ、なに急に」

「なんかね、ちゃんと自分で決めた気がして」

美咲は一拍置いてから、肩をすくめた。

「……はいはい。じゃあ付き合いますか」

軽く拳を上げて、

「おー」

「……おーー」

少し間の抜けた声が、更衣室に重なった。

その瞬間、みいなは思った。
昨日の夜の選択が、もうちゃんと“今日”に繋がっているんだって。





―――


📖第三章終了です!
お読みいただきありがとうございました。

ついに、変わり始めたみいな。
拓也とのこれからは?
大地との約束は……
引き続きお楽しみに!


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