お試し期間付き彼女

おむらいす

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最終話 お試し期間・終焉

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「でも、私…これで失礼します…
やっぱりアキラさんには歩美さんが一番だと思いますから…」




オレ
「ど…どういう事なんだ?」



「…歩美さんは…私よりずっと美人です。
しかも、料理もお上手で…今回はおにぎりでしたが…他の料理だったら…
私に勝ち目はなかったと思います…
料理にも詳しくて、美人な歩美さんの方がお洒落なアキラさんにぴったりです。

私は…まだ…男性と付き合ったこともなくて…こんなお試し期間なんて…アキラさんにご迷惑かけて…

そんな私にアキラさんは優しく接して下さって…いい夢が見れました。
それ以上…望んだら…
折角みた夢まで…壊してしまいそうで…

だから、私は消えます。

アキラさん…
歩美さん…

本当にありがとうございました…」





オレ
「咲…さん。
もし、オレが嫌で出て行くなら止めないよ。
でも、オレは…キミの本心が知りたいんだ。」



「私は…アキラさんを…嫌になるはずがありませんよ…
私は…本心は今言った通りです…」


オレ
「咲さん…オレはキミのお試し期間でよく分かった事があるんだ。
キミは…自分を犠牲にしてでも…
オレを守ってくれた。
そして、オレには歩美の方が似合ってるから、と身を引こうとしてる。

それは…咲さんの優しさと強さの表れなんだ。
全部、オレを…思ってのね。

オレは…今まで…こんなに想われたことはないよ…
貴女を除く、誰にもね…」


歩美も言う。

「咲さん…ワタシ…こんな勝負以前に貴女に負けてたわ。
だって…いくらアキラが好きでもアキラを助けるために車に当たるなんて
絶対にできない…
勝負に勝ってもアキラの為に身を引くなんて、これも絶対できない…

ワタシ…完敗よ…

貴女が出て行くんじゃない…
ワタシがここを出て行く。

今日のおにぎりと同じ。

ワタシのは…見た目は綺麗だけど…
貴女の気持ちがこもったおにぎりには
美味しさの次元が違った…

3年前にアキラがすんなり別れたのは…
多分アキラは見た目の綺麗さより、
内面の美しさの方を重要だと考えたからだと思う。

貴女はワタシより、ずっと心が綺麗。

アキラは…きっと…ワタシにないものを持っている貴女を…好きになってる…

だから…」

ポタっ…ポタっ…

俯く歩美の目から涙が溢れた。


「歩美…さん…」


歩美…

歩美の言う通りかもしれない…
オレは…咲が…たまらなく…
好きになった。

お試し期間…なんて、最初は悪ノリ気味に軽く考えていた。
しかし、咲は本当に、期間の中でオレに愛情を示してきた。
時に身体を張ってでも。

なにより、全て、オレの為に身を引く覚悟すら持っている…深い愛情…


ならば、オレは…
その気持ちに…
応えなければならない!


オレ
「咲さん…オレと…付き合って下さい!
お試し期間…過ぎても…ずっと。
オレは…心の底から…キミが好きだ!
受け取って…くれるよね。
オレの気持ち…」



「…アキラさん…
本当に…私なんかに…
好き…なんて言ってくれるんですか?
本当なんですか?」

今にも溢れそうな大粒の涙を浮かべている咲。






ギュッッッ…!






オレは…
椅子に腰掛けている咲を
チカラいっぱい抱きしめた。



「…アキラさん…そんな…」




彼女の涙が頬を伝い、オレの抱きしめる腕に吸い込まれてゆく。


オレ
「今度は…オレが…キミを守る番だ。
返事を…聞かせて…」



「ハイ…私で良ければ…喜んで!!」





咲は声を上げて泣いていた。


オレは…彼女の髪を優しく撫でた。
泣き止むように…と。

でも…彼女は笑っていた。
笑って…泣いていた。




「アキラ…」

背後で歩美の声がし、振り返る。
 

「じゃあ、邪魔者は消えるね(笑)
仲良くね、お二人さん(^^)」


そう言って、ドアノブに手を掛ける歩美。


オレ
「歩美…ゴメン…
それと…ありがとう…」

歩美
「謝るなバカ!
ワタシこそ…ありがとね…
咲さん、良かったね(^^)
じゃあね!」


強気な歩美らしい…
歩美にもきっと、相応しい人が見つかるだろう。


ずっと泣いている咲…


オレ
「なぁ、そろそろ泣き止んでくれよ…
笑った顔がみたいんだ…
咲の…」


「は…はい…す…すみません…
呼び捨てで呼ばれて…すごく…
嬉しくて…もう一度…呼んで下さい…」

オレ
「咲…愛してるよ♡」

チュッ…


彼女の頬にキスをした。



「は…ヒィ…ぃぃん」



あれ…
なんか…パニックになってる(笑)




オレ
「大丈夫か?咲。」


「は、はい…アキラさんは…
私に初めてのキスも頂きました…
私…こんなに…シアワセ…
わぁぁん…」


また泣いた…(笑)


まぁ、彼女が泣き止むまで、
ずっとこうやって、抱きしめておくか。












おわり



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