スカベンジャー

レイノール斉藤

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第一話

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スカベンジャー:廃品回収業者、ゴミをあさって(有価物回収で)生計を立てている人。労働環境は劣悪で、危険・不衛生・低収入と、その日を生きる為にやっている『貧困』の代名詞ともいえる。


 ***


「なんだこれ?」

 ゴミの山から、周囲とは浮いている派手な色柄の物が見えたので引っ張り出してみる。
 人型を模しているようだが、妙に角張っている。大きさは俺の十分の一といったところだろうか。ずっしりとした重量感がある。顔に見せる為だろうか?小さくて透明な球状の物が二個付いていて、こっちを見ているかのように錯覚する。

「うわ!何だ何だ?」

 色々弄ってみると、突然動き出した。思わず放り投げてしまう。まさか生きている?そんな馬鹿な!?と思った時には既に動きが止まっていた。

「何だったんだ?一体……」

 他にも何か変な物が在るのかと周囲を見渡すと、あちこちに似たような形の小物がある事に気づいた。
 その中で、同じように手足が付いている小型の物を見つけた。恐る恐る手に取ってみる。
 こっちは全体的に丸みを帯びていて、全身が毛羽立っている。色はピンクと白。さっきのより遥かに軽くて柔らかい。そしてどこを弄っても動かない。

「おい!なにやってんだ!?」

 後ろから怒鳴り声が聞こえて、思わず肩をビクつかせる。振り向かなくても分かる。親方だ。

「す、すいません。ちょっと珍しい物を見つけて……」
「ああん?そんなのどうでも良いだろ!さっさと金目の物だけ引っ張って引き上げんぞ!」
「は、はい!」

 手に持っていた物を捨てて、親方の背中に走ってついていく。




 ―――かつて、この星には俺たちと同じような、高度に知的な人型の生命体が存在していたらしい。

 ただ、そいつらは互いに争い合い、結局自滅したと聞いた。もうここには生き物はどこにも居ない。

 今俺は、そこから価値の高い資源(金属やエネルギー)を集め、母星に持ち帰る仕事をしている。通称『ゴミ漁り』。最貧困層か囚人しかやらない、奴隷のような毎日だ。

 そんな希望の無い日々に、時々ふと考える。かつてここに居た住人はどんな見た目をしていたんだろう?

 角張った立方体を組み合わせた感じなのか?それとも丸くてふわふわした感じだったのか?

 もしかしてさっき拾ったのは自分達を真似て作った物で、ここに生きていた証を残そうとしたのではないか?

 かつてここに居た住人はどうやって生き、そして、どうして同じ生き物同士で争い合ったのか?

 疑問と好奇心は金にはならない。そんな事は分かってる。

 それでもアレコレと想像するぐらいは、きっとこの星にも居たであろうも許してくれる筈だ。

 そんなことを一人で考えながら、俺は宇宙貨物船に乗り込んだ。
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