12 / 46
維士 大学生
2007年 3月 維士
しおりを挟む2007年 3月 維士(ドク)
次の日、ドクは
(アパート探しに明後日東京に行きます。
時間が合えばお会いしたいです。 ドク)とメールを送ったが、返事は来なかった。
もともとの予定通り1人で探した。
信一からのメールが来なくなったが、考えないようにした。
メールだけの繋がりだったのでもう連絡の取りようがない、何があったかより、人は怖いと思った。
僕の心を弱くする、信じて頼りたいと思った心を、簡単に壊すのも人だ、僕に無理矢理纏わりつくのも人だ、出会わなければ良かった、期待しなければ良かったと思った。
心を保つ為忘れる事にした。
新生活を始めて2週間が過ぎ、今日は大学の入学式だった。
貰った時計も東京に来てから使っている、2週間経って手に馴染んできた。
外出の度、色々な人達が声を掛けてくる、ついてくる、アパート近辺で待ち伏せしている人もいる、恐怖だった。
怖くて、怖くて大変な状況になりつつあるので、どうしたら良いのか考えていたが、わからない、頼る人もいない。
お母さんに(東京に決めた)と言った時の心配様を思いだすと絶対に言えない。
僕は、絵を描いて、絵の中にだけ入っている事が多くなった。
殆ど外出しなくなったが、入学式には出ようと思った。
外が怖かったが入学式は安全だと思い急いで向かった。武道館が会場だった。
会場前で後ろから「ドク」と聞き覚えのある声がしたので振り向くと、高校の時の前の席のヤツだった、
「オッ元気だったか、ちょっと見ない間に痩せたなぁ、飯食ってる、もしかして母ちゃんの飯じゃないと食えない奴」って笑顔で言ってきた。
僕は答えないで、苦笑いが出ていた。
一緒に行く事した。
「入学式だなぁ、3年前高校の入学式思い出すなあー、ドクを見た一瞬 マネキンが歩いているって思ったなぁ、こんな人間いるんだって感心したのが昨日の事のようだ、、、今更だけどドクさぁ、おれの名前知ってるかあ、一回も呼ばれた事無いし、世紀(セキ)って名前だ、名前呼んでくれ」と言って笑った。
「セキか、初めて知ったよ、わかった」と僕も笑いながら言った。
セキは僕の腕時計を、一瞬見たが何も言わなかった。
お互い住んでいる所が、近いとわかった。
「時給高いから引っ越しのバイトしてるんだ。忙しくて、ここ2週間全部外食だ。すっかり飽きた」と笑ってた。
「僕は自炊だよ」と言ったら僕の家に食べに来る事になった。
セキが夕飯食べに、毎日僕のアパートに来るようになった。セキが食材を買って来る。
大学は最低限行って、他の外出は殆どしない。
1人暮らしをして始めてのお正月にも家に帰らない事にした。
外の奴らが実家まで付いて来そうで怖かったからだ、絶対にお母さんに迷惑をかける訳には行かないと思った。
東京の大学に行くって言った時も、とても心配していた。小さい時の事は僕も覚えているので、お母さんが異常なくらい心配するのはわかったが、押し切って東京にきた、
(正月はバイトするから帰らないよ、
毎日楽しいから心配しないで 維士)
と、お母さんに8か月振りにメールをした、
(残念だけど、バイト楽しんで頑張れってね
夏頃、維士を訪ねて来た人いたけど、住所とか何も教えていないので心配無用です、
名のらなかったので、、何かのセールスかな
元気でね 母)
と返信が来た。
あぁ、信一さん携帯無くしたんだって思ったが、忘れる事に、した事だったので、もうどうでも良かった。
人に期待すると、期待通りに行かない時は辛い、人には期待しないと改めて思った。
2009年 維士(ドク)
僕は大学3年生になった。
3年間で3回引っ越しをした。
入学式でセキと再会して以来、殆ど毎日夕飯は一緒だった。
アパートの周りにいる人達がドク目当てだとセキは直ぐ気づき、最初は(すげなぁ)というだけで、軽く考えていたようだったが、1年生の夏休みには、真剣に引越しを進めてきて。「外のヤツら、何するかわかんねぞ、何か、あってからだと遅い」と、僕に言った。
僕も引っ越しは考えていたが、踏ん切りが付かないでいたが、背中を押されて直ぐ引っ越をした。
その後2回引っ越しを、したが今も状況は変わっていない。最低限の外出だけだ。
大学生活はもっと学生らしい生活をイメージしていたが、学生らしいってなんだろうと時々考える。セキのようにバイトと単位取る為に授業受ける事か、サークルに入って視野を広げる事か、色々考えてたがもう3年生になった
僕の大学生活は、人から逃げることだなって思った、
今年、何とか授業を受けて単位を取って終えば、4年生は何回か大学行くだけで卒業出来るはずだと思った。東京を離れようと最近は真剣に考えてた、卒業出来る目処がたったら、人が少ない町で絵を描きたいと思った。
相変わらず毎日絵を描いている。
高校卒業と同時にオークションに絵を出すのはやめていたが、昨年20歳と同時に3ヵ月に1枚のペースでオークションに出し初めた。
自分の通帳を作りお母さんにも、オークションに絵を出している事を、教えた、
(連絡ありがとう 維士も大人です、思い通りの事して下さい、オークションに高校生の時から出していたとは、少し驚きましたが、今度オークションに出す時は、教えて下さい。維士の描いた絵を見たいです。
パート先の電気店閉めました。ここは働く所ないので、盛岡で仕事初めます、アパートも決まり、後はお母さんが行くだけです。
ちょうど連絡しようと思ってました。
お母さんの事は心配しないで、維士は自分の事だけ考えてね 新しい住所 盛岡市---
また連絡待ってます 母)と、メールがきた。
お母さんと連絡取ると、切なくなる、時々昔描いた絵を眺めた、当時を思い出す。
4年生になる僕は2週間後、人口1万人の町へ引っ越しを決めた。
ひと月前、セキに、
「4年生になるし、4年生は何回か行くだけで卒業出来る見込みなんだ、セキなら僕の状況わかったてると思うけど、外、凄いだろう、実家に帰るよ、学校に出る時だけ新幹線で来るよ」って、僕はセキに言った、
「毎日会っていたのに寂しくなる、ドクの飯も食え無くなるなぁ、この状況考えると岩手で就職探した方が良いなぁ、こっちよりはましだろうし、引っ越しするまで、俺が時間の合う限り守るよ、今まで何事もなかった事が、奇跡みたいなもんだからなぁ」って言ってくれた。
「ありがとう」と僕が返したら、目に涙を溜めていた。
2週間後に向け、ちょこちょこ引っ越しの準備を始めるた。
昨日はネットで見つけた引っ越し先に挨拶に行ってきた、30歳くらいの独身の男の人の、今は誰も住んでいない親の家を借りる事にした。
古い小さい家だった。「静かな所で絵を描きたい」と借りた理由を言ったら、「静かだけが、取り柄の町だ」と言って笑ってた。
「引っ越し荷物とか、俺が受け取るから遠慮なく送ってくれ」と言ってくれた。
今日は大学のロッカーの荷物をとりに行く。
約束の17時にセキが家に向かいにきてくれた。
大学の門の所で「ドク」と聞こえた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる