たんぽぽ 信一・維士

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2011年 5月 維士

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2011年 5月 維士
 
 信一さんから、メールの返信が来た。

会って御礼を言おうと、決めた。

高額で購入してくれた、もう僕も大人だ、昔みたいに逃げていられない場面が、これからどんどん来るはずだ、商売の御礼、言うのは大人として常識だと思った。
 大ちゃんに言ったら、

「俺も同席する」

「大ちゃん、忙しいから僕1人で大丈夫だよ、少し昔話も、したいし」って言って断った。

(信一さんへ
お久しぶりです。僕の絵、買って頂きありがとうございます。
4日後の日曜日12時 個展を開いた無人駅までこれますか。
 今、僕が借りて住んでいる家で、お昼を一緒にどうですか

 <僕の手作りで、口に合わない時はごめんなさいと先に謝っておきます>
もちろん、絵をお渡し致します。             
           ドク)と送った。

(ありがとう、日曜日行きます 信一)と返信が来た。

 何を作ろうか、昔セキに好評だった餡掛けごはんとお吸い物と簡単なスポンジケーキにしようと決めた。

 日曜日、大ちゃんが、朝から僕の家に来た。料理作り手伝ってくれて助かったが、チューリップが気がかりだ。大丈夫なのかって何回聞いても、(大丈夫)って全然大丈夫じゃないはずだ、町を離れる時は日帰りでも人を頼むのに、今日は頼んでいないはずだ。
 300万出す人を見たいか、僕の昔の知り合いだから見たのか、

「ちょと見たら直ぐ帰る」って何回も言っている。僕はその辺はどうでもいいが、チューリップが心配だった。

 駅まで軽トラで送ってくれた。歩いても15分くらいなので、歩いて行くと言ったら、駅で購入者を見たら、ハウスに行くって言うので乗せてもらった。12時着の電車で降りて来た。

約1年ぶりの、再会だった。

 「信一さん、お久しぶりです。絵の購入ありがとうございます。僕の大家さんの、大さんです。」と、隣の大ちゃんを、紹介した。

大ちゃんも「初めまして、イシとは毎日仲良くしてます」と変な挨拶をしてた。

「初めまして、田真です。ドクと仲良くしてくれてありがとう 感謝します」と変な挨拶を信一さんもした。

「じゃぁ」と大ちゃんがハウスに行った。

 信一さんと2人で、家に向かったて歩きだす。

「ここから15分くらいの所です。僕が個展開いたの、よくわかりましたね。買ってもらって感謝します。ありがとうございます。
 1年前、急に消えた感じになって、申し訳ありません、あの頃は、人間不信が強く急な引っ越しになりました。今は落ち着いた生活を送ってます」と、ドクが淡々と話しながら歩いた。

「今日は、会ってくれてありがとう、ドクが、今、幸せなら良い、
 でもおれはドクの隣にいたい。初めて会った5年前から気持ちは変わらない、ドクからみたら、おれは薄っぺらで頼りないだろうが、ドクを守りたい、気持ちは誰にも負けない。
 久しぶりに会って、いきなり、何言ってんだ、と思ってるだろう。
 毎回失敗して、後悔だらけだった。ドク困惑しているのもわかる、迷惑な話だよなぁ、
でも聞いて欲しい、これからドクも個展とか、色々表に出る事になると思う。

 おれが全部ドクの面倒見たい、人生かけたい、この5年間働いた。でも虚しい、寂しい、一緒に笑いたいと思っている人が隣にいない、1年前も、似たような事言って、迷惑だったと思うけれど、ずっと気持ちは変わらない、
 
 お願いだ、側にいて、いいって、言ってくれないか、携帯をなくして、信頼まで失くした、
後悔、無念の毎日だった。ドクが東京にアパート探しに来る日は、おれの家に一緒に住もうって、説得するつもりだった。
 ごめんなぁドク、3年間辛い東京生活、守ってあげれなくて、、ごめん、謝っても時間は戻らないが、ごめん、
」と、信一さんが、僕に言って、泣きながら歩いてた。小さい家の前で、

 「ここ、今借りている家です、お昼食べましょう」と、僕は言った。


 食べながら、
「僕は、絵を描いていたい、それだけです。
1年間、色々考えました。最近は絵を売りたいと思ってます。全てが、過敏だった頃は、自分の分身が切り取られるようで、耳の後ろの頭蓋骨がキリキリ痛かった。
 今は何百枚も溜め込んで、管理に困ってます。傷んで捨てるより、気に入った人に見てもらいたい、生活費も欲しいです。
 でも、まだ人が怖いので、僕は自分の力で個展を開けない、、今回は、大ちゃんが全てやってくれた。
これからも、大ちゃんが全てやってくれるって言うけど、甘えていいのか迷ってます。

 毎日会っているので、安心感はありますが、ここにずっと住むつもりはありません、どこが良いのか、わかりませんが、ここは違う気がします。
 信一さんが、側にいたいって、どう言うことか、わからない、信一さんが僕のプロデュース全部やって、僕に信一の人生くれるという事ですか」ゆっくり僕は信一さんの目をみて言った。
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