たんぽぽ 信一・維士

みー

文字の大きさ
29 / 46
信一 悩み

2011年 5月 信一

しおりを挟む


2011年5月 信一

 今日は木曜日、4日前にイシが、おれの家でばあちゃんに会った夜(寝る)のメール以降、ばあちゃん元気だったとかもない、何が起こったのか、おれからイシに、なんてメールしたらいいかわからない、実家にも電話して聞きたくない。

 後10日位か、撮影早く終わって欲しい。

 撮影に行く前、事務所に寄ってた。
 社長が週間紙広げた。イシとチューリップの男が、世界最高ブランドの香水を間に抱き合っていた、凄い豪華に見える(この藁半紙の白黒でもだ)この2人が主役だ、香水は添えのお守りのコンセプトだ、大胆な演出だ。
 なんで、いつの間に、何が起こっているのか全くわからない。
 冷静に読んだ。2人の東京駅以来(おれの立ち仕事の邪魔をした時だ)人気が凄いらしい。

 記者が、ひとりの方の素性を見つけた。世界最高峰のブランドの香水のイメージモデルで10年契約で、最近契約が終了した為、わかったらしい。

 噂では、チャイニーズモデルだったが、日本人だった。もうひとりのモデルは女神の元へ帰った、女神の香水はお守りとして世界中で売れたと書いてある。
 
 チューリップおまえは、なんなんだ、おれより桁がだいぶ違う男だったんだ、
ため息が出た。 おれの写真集、お子様ランチだなって思った。

「凄く見栄えする、良い男だよね、世界で活躍できる運も持ってて」と、社長が言っていた。
 
夜、イシからメールだ
(話がしたい、
日時合わせるので都合の良い日教えて 
東京の信ちゃんのマンションに行来ます)

(来月初めの日曜日12時待っている)と、返信した。

 あんなに探したイシがいるのに、楽しいメールひとつ送れない。マンションにも誘えない、おれのばあちゃん元気だったかとも聞けない、全部仕事が忙しいからか、違うよなぁ、手に入ったから、もう要らないって事か。

 何の話をしたいのだろう、一緒に住む話か、離れたい話か、わからない。

 おれは、事務所辞めて後悔しないのか、内輪では商品だけど、外に出ると、スターだ。それを捨て一般人に戻れるかイシの為に、画廊の主人に満足出来るのか、会えない時には、イシの為ならなんでも出来る気がしてた。いざ会えると、色々考えてしまう。
もし一緒に北海道で住もうと言われたら、喜んで全て捨てて行けるか、
もし、離れようと言われたら、すんなり離れられるか、泣いて縋って離れないか
わからない、
もしかして、おれは一生このアルコールと共に悩むのか。
 
 右手に精神科医、左手に呪術師、後ろに美容家に貢ぎながら、生きて行くのが見えるようだ。

 3人に支えらて、そこにはイシはいない。

 闇を描く、病んだドクが好きなんだ。
 
 今のイシではなく、気づくのが遅かった。

 いや、まだ大丈夫だ、スターの席に入る、再契約だな、イシになんと言うか、
全部白紙だ、慰謝料代わりに絵を10枚買う。
 そう言おう、決めた。

 イシにメールとか、気をつかう必要ないと思ったら楽になった。アルコールの減りが早いが気にしない、スポットライトは気持ち良いと改めて思った。
 おれを、どんどん売ってもらおうと思う。
写真集の表紙(天才 田真信一)だ、そうだ。
天才なんだ、スターだしなぁ 一般人には戻りたくないと、酔い潰れた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

罪悪と愛情

暦海
恋愛
 地元の家電メーカー・天の香具山に勤務する20代後半の男性・古城真織は幼い頃に両親を亡くし、それ以降は父方の祖父母に預けられ日々を過ごしてきた。  だけど、祖父母は両親の残した遺産を目当てに真織を引き取ったに過ぎず、真織のことは最低限の衣食を与えるだけでそれ以外は基本的に放置。祖父母が自身を疎ましく思っていることを知っていた真織は、高校卒業と共に就職し祖父母の元を離れる。業務上などの必要なやり取り以外では基本的に人と関わらないので友人のような存在もいない真織だったが、どうしてかそんな彼に積極的に接する後輩が一人。その後輩とは、頗る優秀かつ息を呑むほどの美少女である降宮蒔乃で――

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...