4 / 21
あと2日
送信
しおりを挟む
「……できた」
生徒会室に私の声が小さく響いた。
前のめりになって打ち込んでいた姿勢を正す。
一年生コンビ・セナちゃんとハナコちゃんが同時に、お疲れ様でーす!、とお礼を言ってきた。
「あ、私、スズ先輩に完成したこと伝えて来ますね!」
ハナコちゃんは、パタパタと生徒会室を痕にした。
「ゆま先輩……」
セナちゃんは、元気のない声で私に話しかけてくる。
「ん? どうしたの?」
「部長、帰ってきますかね……?」
俯き加減でセナちゃんは続ける
「カウントダウンボーナスのおかげで、最近は1日1回は毎日帰って来てますけど……」
「私達は、ただ待つことしかできないからね……」
「ハナコや他の人よりかは、私はパートナーだから部長に会ってるはずなんだけど……」
セナちゃんは薄暗い天井を見上げる。
「でも、簡単なデイリーをしてるなら【部室でパートナーをさわる】くらいならしてくれてるんじゃない?」
セナちゃんは、うっ!、と止まる。どうやら図星のようだ。
触られたことを思い出してか、紅潮するセナちゃん。
「でもでも! 前みたいに愛情がなくて流れ作業でつついてるみたいな!」
「それでも羨ましいよ~?」
「更衣室にはきてくれないし! 部室でちょっとタッチしてくれるだけだし!」
「へぇ~?」
セナちゃんを茶化してみると、やっと少し笑って見せた。ひとしきり笑いあうと、はぁ、と一息入れて一言。
「前みたいに、部長ともっと会いたいなぁ……」
そうだね、以外の言葉が私には思い浮かばなかった。
「打ち終わったの~?」
ガラリと扉が開き、スズ先輩とハナコちゃんが入ってきた。
「はい、確認お願いします!」
セナちゃんはまだ浮かない顔をしていたが、私にならってパソコンの近くから離れる。
何ヵ所か、スズ先輩は文章を見、文面の手直しを施す。内容そのものはそのままに、少し文言を変える程度のようだ。
10分したかどうか、くらいの時間でその作業は終了した。
「これで完了、かな。送信しちゃっていい?」
スズ先輩は、眼鏡をクイッとなおし、私を見る。
「はい、お願いします!」
一年生コンビも、コクコクと何度も頷いていた。
カチッと一度、クリック音が生徒会室に鳴る。
ふぅ、と、やっとやることをやりきった気がして、私は息をついた。
「返信は早くても当日には来ないから、今日はここで解散ね。お疲れ様」
スズ先輩は三人に目をやった。
私達は、それぞれのプライベートルーム・更衣室へと行く。
更衣室では、様々な所持コスチュームを着替えることができる。
部長は、一括着せ替えで全員制服設定に今はしている。
しかし、全盛期の時は個別に、しかも1日に何度も着せかえてくれて、それに凄く悩んで考えてくれていたものです。
私は、もう随分と着なくなってしまったコスチュームに目をやる。
「……また……色んな服、着せてくれるかな……」
私は小さく呟いた。
イベントで手に入れたもの、ストーリーで手に入れたもの、ガチャで手に入れたもの、全てのコスチュームに思い出があり、全てなんらかのアクションを部長がおこして手に入れたもの。部長との思い出が一つ一つに詰まっているもの。
「部長と、もっと会いたいなぁ……」
気がついたら、セナちゃんと同じ言葉を私は溢していた。
生徒会室に私の声が小さく響いた。
前のめりになって打ち込んでいた姿勢を正す。
一年生コンビ・セナちゃんとハナコちゃんが同時に、お疲れ様でーす!、とお礼を言ってきた。
「あ、私、スズ先輩に完成したこと伝えて来ますね!」
ハナコちゃんは、パタパタと生徒会室を痕にした。
「ゆま先輩……」
セナちゃんは、元気のない声で私に話しかけてくる。
「ん? どうしたの?」
「部長、帰ってきますかね……?」
俯き加減でセナちゃんは続ける
「カウントダウンボーナスのおかげで、最近は1日1回は毎日帰って来てますけど……」
「私達は、ただ待つことしかできないからね……」
「ハナコや他の人よりかは、私はパートナーだから部長に会ってるはずなんだけど……」
セナちゃんは薄暗い天井を見上げる。
「でも、簡単なデイリーをしてるなら【部室でパートナーをさわる】くらいならしてくれてるんじゃない?」
セナちゃんは、うっ!、と止まる。どうやら図星のようだ。
触られたことを思い出してか、紅潮するセナちゃん。
「でもでも! 前みたいに愛情がなくて流れ作業でつついてるみたいな!」
「それでも羨ましいよ~?」
「更衣室にはきてくれないし! 部室でちょっとタッチしてくれるだけだし!」
「へぇ~?」
セナちゃんを茶化してみると、やっと少し笑って見せた。ひとしきり笑いあうと、はぁ、と一息入れて一言。
「前みたいに、部長ともっと会いたいなぁ……」
そうだね、以外の言葉が私には思い浮かばなかった。
「打ち終わったの~?」
ガラリと扉が開き、スズ先輩とハナコちゃんが入ってきた。
「はい、確認お願いします!」
セナちゃんはまだ浮かない顔をしていたが、私にならってパソコンの近くから離れる。
何ヵ所か、スズ先輩は文章を見、文面の手直しを施す。内容そのものはそのままに、少し文言を変える程度のようだ。
10分したかどうか、くらいの時間でその作業は終了した。
「これで完了、かな。送信しちゃっていい?」
スズ先輩は、眼鏡をクイッとなおし、私を見る。
「はい、お願いします!」
一年生コンビも、コクコクと何度も頷いていた。
カチッと一度、クリック音が生徒会室に鳴る。
ふぅ、と、やっとやることをやりきった気がして、私は息をついた。
「返信は早くても当日には来ないから、今日はここで解散ね。お疲れ様」
スズ先輩は三人に目をやった。
私達は、それぞれのプライベートルーム・更衣室へと行く。
更衣室では、様々な所持コスチュームを着替えることができる。
部長は、一括着せ替えで全員制服設定に今はしている。
しかし、全盛期の時は個別に、しかも1日に何度も着せかえてくれて、それに凄く悩んで考えてくれていたものです。
私は、もう随分と着なくなってしまったコスチュームに目をやる。
「……また……色んな服、着せてくれるかな……」
私は小さく呟いた。
イベントで手に入れたもの、ストーリーで手に入れたもの、ガチャで手に入れたもの、全てのコスチュームに思い出があり、全てなんらかのアクションを部長がおこして手に入れたもの。部長との思い出が一つ一つに詰まっているもの。
「部長と、もっと会いたいなぁ……」
気がついたら、セナちゃんと同じ言葉を私は溢していた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる