36 / 64
四章
35話
しおりを挟む
滝の轟音で本日イエンは目覚めた。
まだ朝日も昇っていない。
イエンは次に、腕に鈍い痛みが走ったことに気付く。
「あ……ブレスレット……」
眠気眼をこすりながら、イエンは自分の視界に赤いブレスレットがあることを確認した。
筋肉痛なのだろうか鈍痛がある。
地味に重く、冷たい感じが伝わってくる。
「イエン! 起きてます!?」
ふすまをガタンと勢いよく開け、息を切らしたミナウィンが靴のまま畳の部屋に入ってくる。
「靴を脱がないと怒られるぞ、ミナウィン……」
「何を悠長なことを言っていますの!? 緊急事態ですわ!」
イエンは寝起きのガラガラ声で注意するも、ミナウィンは物凄い剣幕でイエンに言う。
「クルエラさんが、もうすぐここに来るらしいのよ!」
「え……!?」
「ガーディが日向の村に帰ってくる途中に、兵を率いたクルエラさんを見たらしいの……きっと目的は、あなたよ!」
ミナウィンはイエンを無理やり立たせて急かす。
「皆は!?」
イエンはクルエラから貰った立派な剣を握る。
「ツカサさんとモモさんは、先に村を出ています。ジェーンとガーディは外にいるわ。さぁ、早く!」
ミナウィンがイエンを促すと、ミナウィン様!、とガーディが部屋に入ってくる。
後ろにはジェーンがついてきていた。
「……そろそろ行きましょう」
「分かったわ……じゃあ、後程落ち合いましょう、イエン」
「……ジェーン様、そちらは頼みます」
「おう、お互いに気をつけて行こうぜ!」
「……はい……ミナウィン様、私の背中に。走ります」
「えぇ、お願いね」
すると、ミナウィンとガーディは宿屋をすぐさま立ち去って行った。
イエンは何がなんだか分からず呆けていると、ジェーンは声をかける。
「ここからは別行動だ。美火山の頂上にある中央鳥居で落ち合う予定だ」
うまく状況を飲み込めていないイエンであったが、ここから出て美火山の頂上に行かなければいけないことだけは理解し、宿屋を出た。
まだ朝日も昇っていない。
イエンは次に、腕に鈍い痛みが走ったことに気付く。
「あ……ブレスレット……」
眠気眼をこすりながら、イエンは自分の視界に赤いブレスレットがあることを確認した。
筋肉痛なのだろうか鈍痛がある。
地味に重く、冷たい感じが伝わってくる。
「イエン! 起きてます!?」
ふすまをガタンと勢いよく開け、息を切らしたミナウィンが靴のまま畳の部屋に入ってくる。
「靴を脱がないと怒られるぞ、ミナウィン……」
「何を悠長なことを言っていますの!? 緊急事態ですわ!」
イエンは寝起きのガラガラ声で注意するも、ミナウィンは物凄い剣幕でイエンに言う。
「クルエラさんが、もうすぐここに来るらしいのよ!」
「え……!?」
「ガーディが日向の村に帰ってくる途中に、兵を率いたクルエラさんを見たらしいの……きっと目的は、あなたよ!」
ミナウィンはイエンを無理やり立たせて急かす。
「皆は!?」
イエンはクルエラから貰った立派な剣を握る。
「ツカサさんとモモさんは、先に村を出ています。ジェーンとガーディは外にいるわ。さぁ、早く!」
ミナウィンがイエンを促すと、ミナウィン様!、とガーディが部屋に入ってくる。
後ろにはジェーンがついてきていた。
「……そろそろ行きましょう」
「分かったわ……じゃあ、後程落ち合いましょう、イエン」
「……ジェーン様、そちらは頼みます」
「おう、お互いに気をつけて行こうぜ!」
「……はい……ミナウィン様、私の背中に。走ります」
「えぇ、お願いね」
すると、ミナウィンとガーディは宿屋をすぐさま立ち去って行った。
イエンは何がなんだか分からず呆けていると、ジェーンは声をかける。
「ここからは別行動だ。美火山の頂上にある中央鳥居で落ち合う予定だ」
うまく状況を飲み込めていないイエンであったが、ここから出て美火山の頂上に行かなければいけないことだけは理解し、宿屋を出た。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
痩せたがりの姫言(ひめごと)
エフ=宝泉薫
青春
ヒロインは痩せ姫。
姫自身、あるいは周囲の人たちが密かな本音をつぶやきます。
だから「姫言」と書いてひめごと。
別サイト(カクヨム)で書いている「隠し部屋のシルフィーたち」もテイストが似ているので、混ぜることにしました。
語り手も、語られる対象も、作品ごとに異なります。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる