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1章:女神の転生

3,六年目、ナハトとリヒト(前編)

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天界との連絡もつかないまま、約6年ほどになるだろうか。

私はこの世界の住人として、すっかり馴染んでいた。


少し成長して、この世界について分かったことがある。


「様々な種族の生物がいる」

「魔法はほとんど使える」

「各種族には種族の王がいる」


こんなとこだろうか。

細かいことをあげれば沢山あるが、大まかな特徴としてはそんなとこだろう。

私はエルフの男の子、「ナハト」としてこの世界へ転生した。共に転生したはずの女の子だが、記憶は6年経った今でも戻らず、「リヒト」として、私の双子の兄として生活していた。


「ナハト!」


兄が私を呼ぶ。

「なんですか?兄さん。」

慣れたような男の言葉遣いで返す。

「これから母上と街を見に行くんだ!一緒に行こうぜ!」

「それは良いね、僕も行きたいな。」

「よし、決まりだな!母上に伝えてくる!!!」

そう言うとリヒトは嬉しそうに部屋を出ていった。

「…今日は、いい日になりそうね。」

少しだけ、私は舞い上がっていた。





街で、何が起きるとも知らずに。
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