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皆は自分の夢が破れる音を聞いたことがあるだろうか?
僕はある。それはこの異世界にやって来てすぐだった。
常にハードボイルドな探偵であることを志している僕にとって、この世界は不条理でどこまでも理不尽きわまりない場所だ。
単純な腕力や個人の力が平気で軍を上回り、最高位の冒険者ともなればドラゴンを単騎でたおせるらしい。
僕も一度だけドラコンを見たことがあるが、あれは人間が太刀打ちできるような存在じゃない。空を飛び魔法を使う巨大生物を細い剣一本でどう戦えというのだ。ブリやマグロじゃないんだ。倒せるものか。
そんな常識を外れた世界で、物語に出てくるようなハードボイルドな探偵でありつづけることは、地球人の僕にはとてもじゃないが無理だった。
たとえ名推理で犯人を追い詰め捕まえても、魔法や剣の力で全ての盤面が簡単にひっくり返されてしまう。決定的な証拠を揃えた所で、こちらの力が相手より下なら何も意味をなさない。それなら最初から、めんどうなことをせずに拳で解決すればいい話だ。
所詮僕が取り押さえることができるのは、ひったくりなどの、ごくごく一般的な犯罪者くらいのものだ。しかもそれだって一歩判断を間違えたら、あっけなく殺されることだろう。
前の世界なら、体重や筋肉が多いだけで、ああ、この人は強いんだろうなと適当に判断できた。だが、この世界には厄介な事に魔力があるせいでガリガリの人でも身体能力強化の魔法が使えれば信じられない力を発揮する。僕のかわいい小さなお手伝いさんミミィだって自分の身の丈以上ある岩石を蹴りの一撃で吹き飛ばすんだぜ?
小さな女の子より弱いハードボイルドな探偵とか失笑でしかない。
なので、たとえ罪の軽い軽犯罪者だろうと、捕まえようとすれば僕にとっては命掛けの戦いと一緒だ。常にビクビクと震えながら相手が弱いことをひたすらに祈ることになる。
そんな僕が、かつて憧れていた探偵達のように、凶悪な事件の犯人を一人で取り押さえるなんて、どう考えても不可能だった。
この現実を認めさせられた時、僕は子供の頃からの夢がビリビリと破り捨てられる音がたしかに聞こえた。
本来なら、そこで夢を諦めて波風たてることなく生きていくべきだった。でも、意地汚い僕は結局夢を諦めきれず僅かな可能性にしがみついてしまった。その結果どうなったかというと、僕は探偵を続けていくために、ポリシーを曲げて苦渋の選択をしなければならなかった。
それは依頼を選ばないことだ。
不倫調査だろうが犬の捜索でもなんでもやって生きていく。それが戦闘力のない僕に残された唯一の選択肢だった。
⚂⚃⚄⚀⚁⚂⚃⚄⚀⚁⚂⚃⚄⚀⚁⚂⚃⚄⚀⚁⚂⚃⚄⚀⚁⚂⚃⚄
くそ忌々しいミランダから調査資料をひったくり僕は「CAFE・BAR スミル」を後にした。
髪の毛がコーヒーでべちゃくちゃだったが、大切なスーツには汚れがない。こんなこともあろうかと一級の付与術式がスーツには仕掛けられている。髪の毛も近くの公衆トイレで洗ってハットを被ったから問題ない。
それに悪いことばかりじゃなかった。
ハードボイルドな男には気の強い女がよく似合う。名前も聞けなかったが、あのコーヒー女だって言ってたじゃないか。ユニークで気に入ったって。
僕のユニークさはハードボイルドなところだ。つまり、あのコーヒー女は僕の最大の長所に惹かれた乙女。いずれまた合間見えるときがくるだろう。
その時は容赦しないが・・・・・
「やあマーロの旦那、今日も相変わらずきまってますね!」
僕が中央公園に向かって歩いていると、横道の影からひょろひょろとした見るからに犯罪者風の男が話かけてきた。
「なんだヤニスか。どうしたんだそんなところで」
「へへへ、仕事中でして」
ヤニスはキョロキョロと辺りを見回して横道からメインストリートにでてきた。こう見えてもヤニスは気さくないいやつだ。
彼はたまに僕がお世話になっている情報屋みたいなもので、聞き込み調査で足がたりないときに役立つ。
「仕事中といえばこの前売ってた特別なアイスは売っていないのか?出来ればひとつ欲しいんだが」
「ちょ旦那勘弁してくださいよ!」
ヤニスは慌てた様子で僕の袖を引っ張り路地裏の方へとつれていく。
「なにをそんな慌ててるんだ」
「そりゃ人通りのあるところでアイスの話なんかされたら困るからですよ」
いったいそれのどこが困るのか僕にはさっぱりわからない。
アイスなんて誰でもたべるだろうに。
「それよりも、あのアイスは今日ないのか?」
「あんな危ないもんからは、とっくに足を洗いましたよ。命がいくつあってもたりねぇや」
アイスで命が足りないとは相変わらず面白いジョークを言うものだな。こういうコミカルなところも彼の良いところだ。
だが、たしかにあのアイスの評判は抜群に良かった。僕はハードボイルドな探偵として、甘いものは一切口にしないが、ヤニスが特別なアイスがあるというから買って知り合いに渡してみたら大層よろこんでくれた。
なんでも知る人ぞ知る名品みたいで、滅多に手に入らないらしい。
「そうか、是非ミミィにもあげてやりたかったのに残念だ」
「ミ、ミミィってあのホビット族の嬢ちゃんですかい?」
「ああ、ミミィにプレゼントであげようかなとおもってね」
「マーロの旦那は相変わらずぶっ飛んでますね」
ヤニスが呆れた表情をするが、別に何もおかしくはない。むしろかわいいミミィみたな子供にこそ食べさせてあげるのが優しさだと思うが。
「前回渡した分はどうしたんです?」
「ああ、あれは知り合いのバンティス君に渡したら大いに喜んでいたよ。彼は相当な甘党だからすごいはしゃぎようだった」
「えええええええええええええええええ!?」
僕が質問に答えただけで、ヤニスはへなへなと腰をおって座り込んでしまった。そのあまりにコミカルなリアクションに僕は思わず笑ってしまう。いつだって彼は僕を笑わせようと努力してくれる。
甘党の人にはあの最高級のアイスを人に譲るなんて考えられない暴挙なのかもしれないが、生憎僕にはどうでもいいものだ。
「まぁ無いものは仕方ないから諦めるよ。もし手に入ったら教えてくれ。ミミィが待ってるから僕はそろそろ行くよ」
そういって裏道で座り込んだヤニスを置いて僕は中央公園に向かって歩きはじめた。
⚀⚁⚂⚃⚄⚅⚀⚁⚂⚃⚄⚅⚀⚁⚂⚂⚃⚄⚅
ヤニスはマーロが立ち去って行くのを呆然と見送ることしか出来なかった。
開いた口が塞がらないとはこのことか、先ほどの会話を思い出しヤニスは体が震えた。
ここまでヤニスが驚いてるのは、あのアイスをマーロが欲しがったからだ。
最近、帝都ワンシントンでは、ある噂が流れていた。
どこかの組織がごく少数だが、ヤバイ代物をばらまいているらしいと・・
それは覚せい剤の一種で、その効き目は従来のものとは比べものにならず、依存性が極めて高く、一度使用した者は、その薬を二度と手放せなくなるという。
製造方法は判明しておらず、分かっていることは既存の技術では不可能な程、超純度に精製された麻薬だということだ。
その麻薬は青く透きとおる小さな結晶で、見た目の美しさから青い氷のようだと評された。それでついた名前が通称『アイス』。
出所が分からずに警察や、裏社会を仕切っているギャングが、血眼になって探している危険なものだった。
何も知らない一般人ならアイスと聞いてアイスクリームと勘違いするかもしれない。だが、ヤニスは裏社会に生きる者としてその情報は掴んでいたし、もちろん探偵を生業としているマーロも知らないハズがない。
そもそも、自分みたいな裏社会に生きる者がわざわざアイスクリーム仕入れて販売してるなんて馬鹿げたことを考えるわけがない。もしいたとしたら、そいつは救いようのない間抜けとしか言えない。
探偵として名高いマーロがそんな勘違いをする筈ない。だからこそヤニスは混乱してしまう。先程のマーロは、まるで陽気な男が気軽に友達へアイスクリームでも買っていくような雰囲気だった。
しかも、人通りが多い道で堂々と・・・・・頭のネジが三本くらい外れて壊れているとしか思えない。
ヤニスは以前、裏社会の仲間から偶然手に入れてしまったが、持っているのすら恐ろしくてマーロに譲っていた。そんな物をあんなに堂々と欲しがるなんて、狂人の類だ。
しかもマーロはアイスをホビット族の女の子に振る舞うといっていた。その言葉にヤニスは戦慄を覚える。
(人とは思えねぇ鬼畜さだ。あんなかわいい子供になんてことを・・俺だって裏の人間のはしくれだがそんなことはできねぇよ)
だがそれも、最後に聞いたことに比べればかわいいものだった。ヤニスはあまりにも衝撃的すぎて、腰を抜かしてしまった。
(嘘だろ・・・よりにもよってアイスをあのバンティスに渡すなんて!アルメール・バンティスだぞ!?麻薬捜査本部の狂犬じゃないか!)
そんな所に持ち込んだとしたら警察は今頃蜂の巣をつついたような大騒ぎになっていることだろう。クレイジーとしかいいようがなかった。 あらためて、マーロという男がどれほど規格外の存在なのかを再確認させられた。
これは近々大事件が起こる。その時に備えて準備をはじめなければと、慌ててその場を去っていっくヤニスであった。
僕はある。それはこの異世界にやって来てすぐだった。
常にハードボイルドな探偵であることを志している僕にとって、この世界は不条理でどこまでも理不尽きわまりない場所だ。
単純な腕力や個人の力が平気で軍を上回り、最高位の冒険者ともなればドラゴンを単騎でたおせるらしい。
僕も一度だけドラコンを見たことがあるが、あれは人間が太刀打ちできるような存在じゃない。空を飛び魔法を使う巨大生物を細い剣一本でどう戦えというのだ。ブリやマグロじゃないんだ。倒せるものか。
そんな常識を外れた世界で、物語に出てくるようなハードボイルドな探偵でありつづけることは、地球人の僕にはとてもじゃないが無理だった。
たとえ名推理で犯人を追い詰め捕まえても、魔法や剣の力で全ての盤面が簡単にひっくり返されてしまう。決定的な証拠を揃えた所で、こちらの力が相手より下なら何も意味をなさない。それなら最初から、めんどうなことをせずに拳で解決すればいい話だ。
所詮僕が取り押さえることができるのは、ひったくりなどの、ごくごく一般的な犯罪者くらいのものだ。しかもそれだって一歩判断を間違えたら、あっけなく殺されることだろう。
前の世界なら、体重や筋肉が多いだけで、ああ、この人は強いんだろうなと適当に判断できた。だが、この世界には厄介な事に魔力があるせいでガリガリの人でも身体能力強化の魔法が使えれば信じられない力を発揮する。僕のかわいい小さなお手伝いさんミミィだって自分の身の丈以上ある岩石を蹴りの一撃で吹き飛ばすんだぜ?
小さな女の子より弱いハードボイルドな探偵とか失笑でしかない。
なので、たとえ罪の軽い軽犯罪者だろうと、捕まえようとすれば僕にとっては命掛けの戦いと一緒だ。常にビクビクと震えながら相手が弱いことをひたすらに祈ることになる。
そんな僕が、かつて憧れていた探偵達のように、凶悪な事件の犯人を一人で取り押さえるなんて、どう考えても不可能だった。
この現実を認めさせられた時、僕は子供の頃からの夢がビリビリと破り捨てられる音がたしかに聞こえた。
本来なら、そこで夢を諦めて波風たてることなく生きていくべきだった。でも、意地汚い僕は結局夢を諦めきれず僅かな可能性にしがみついてしまった。その結果どうなったかというと、僕は探偵を続けていくために、ポリシーを曲げて苦渋の選択をしなければならなかった。
それは依頼を選ばないことだ。
不倫調査だろうが犬の捜索でもなんでもやって生きていく。それが戦闘力のない僕に残された唯一の選択肢だった。
⚂⚃⚄⚀⚁⚂⚃⚄⚀⚁⚂⚃⚄⚀⚁⚂⚃⚄⚀⚁⚂⚃⚄⚀⚁⚂⚃⚄
くそ忌々しいミランダから調査資料をひったくり僕は「CAFE・BAR スミル」を後にした。
髪の毛がコーヒーでべちゃくちゃだったが、大切なスーツには汚れがない。こんなこともあろうかと一級の付与術式がスーツには仕掛けられている。髪の毛も近くの公衆トイレで洗ってハットを被ったから問題ない。
それに悪いことばかりじゃなかった。
ハードボイルドな男には気の強い女がよく似合う。名前も聞けなかったが、あのコーヒー女だって言ってたじゃないか。ユニークで気に入ったって。
僕のユニークさはハードボイルドなところだ。つまり、あのコーヒー女は僕の最大の長所に惹かれた乙女。いずれまた合間見えるときがくるだろう。
その時は容赦しないが・・・・・
「やあマーロの旦那、今日も相変わらずきまってますね!」
僕が中央公園に向かって歩いていると、横道の影からひょろひょろとした見るからに犯罪者風の男が話かけてきた。
「なんだヤニスか。どうしたんだそんなところで」
「へへへ、仕事中でして」
ヤニスはキョロキョロと辺りを見回して横道からメインストリートにでてきた。こう見えてもヤニスは気さくないいやつだ。
彼はたまに僕がお世話になっている情報屋みたいなもので、聞き込み調査で足がたりないときに役立つ。
「仕事中といえばこの前売ってた特別なアイスは売っていないのか?出来ればひとつ欲しいんだが」
「ちょ旦那勘弁してくださいよ!」
ヤニスは慌てた様子で僕の袖を引っ張り路地裏の方へとつれていく。
「なにをそんな慌ててるんだ」
「そりゃ人通りのあるところでアイスの話なんかされたら困るからですよ」
いったいそれのどこが困るのか僕にはさっぱりわからない。
アイスなんて誰でもたべるだろうに。
「それよりも、あのアイスは今日ないのか?」
「あんな危ないもんからは、とっくに足を洗いましたよ。命がいくつあってもたりねぇや」
アイスで命が足りないとは相変わらず面白いジョークを言うものだな。こういうコミカルなところも彼の良いところだ。
だが、たしかにあのアイスの評判は抜群に良かった。僕はハードボイルドな探偵として、甘いものは一切口にしないが、ヤニスが特別なアイスがあるというから買って知り合いに渡してみたら大層よろこんでくれた。
なんでも知る人ぞ知る名品みたいで、滅多に手に入らないらしい。
「そうか、是非ミミィにもあげてやりたかったのに残念だ」
「ミ、ミミィってあのホビット族の嬢ちゃんですかい?」
「ああ、ミミィにプレゼントであげようかなとおもってね」
「マーロの旦那は相変わらずぶっ飛んでますね」
ヤニスが呆れた表情をするが、別に何もおかしくはない。むしろかわいいミミィみたな子供にこそ食べさせてあげるのが優しさだと思うが。
「前回渡した分はどうしたんです?」
「ああ、あれは知り合いのバンティス君に渡したら大いに喜んでいたよ。彼は相当な甘党だからすごいはしゃぎようだった」
「えええええええええええええええええ!?」
僕が質問に答えただけで、ヤニスはへなへなと腰をおって座り込んでしまった。そのあまりにコミカルなリアクションに僕は思わず笑ってしまう。いつだって彼は僕を笑わせようと努力してくれる。
甘党の人にはあの最高級のアイスを人に譲るなんて考えられない暴挙なのかもしれないが、生憎僕にはどうでもいいものだ。
「まぁ無いものは仕方ないから諦めるよ。もし手に入ったら教えてくれ。ミミィが待ってるから僕はそろそろ行くよ」
そういって裏道で座り込んだヤニスを置いて僕は中央公園に向かって歩きはじめた。
⚀⚁⚂⚃⚄⚅⚀⚁⚂⚃⚄⚅⚀⚁⚂⚂⚃⚄⚅
ヤニスはマーロが立ち去って行くのを呆然と見送ることしか出来なかった。
開いた口が塞がらないとはこのことか、先ほどの会話を思い出しヤニスは体が震えた。
ここまでヤニスが驚いてるのは、あのアイスをマーロが欲しがったからだ。
最近、帝都ワンシントンでは、ある噂が流れていた。
どこかの組織がごく少数だが、ヤバイ代物をばらまいているらしいと・・
それは覚せい剤の一種で、その効き目は従来のものとは比べものにならず、依存性が極めて高く、一度使用した者は、その薬を二度と手放せなくなるという。
製造方法は判明しておらず、分かっていることは既存の技術では不可能な程、超純度に精製された麻薬だということだ。
その麻薬は青く透きとおる小さな結晶で、見た目の美しさから青い氷のようだと評された。それでついた名前が通称『アイス』。
出所が分からずに警察や、裏社会を仕切っているギャングが、血眼になって探している危険なものだった。
何も知らない一般人ならアイスと聞いてアイスクリームと勘違いするかもしれない。だが、ヤニスは裏社会に生きる者としてその情報は掴んでいたし、もちろん探偵を生業としているマーロも知らないハズがない。
そもそも、自分みたいな裏社会に生きる者がわざわざアイスクリーム仕入れて販売してるなんて馬鹿げたことを考えるわけがない。もしいたとしたら、そいつは救いようのない間抜けとしか言えない。
探偵として名高いマーロがそんな勘違いをする筈ない。だからこそヤニスは混乱してしまう。先程のマーロは、まるで陽気な男が気軽に友達へアイスクリームでも買っていくような雰囲気だった。
しかも、人通りが多い道で堂々と・・・・・頭のネジが三本くらい外れて壊れているとしか思えない。
ヤニスは以前、裏社会の仲間から偶然手に入れてしまったが、持っているのすら恐ろしくてマーロに譲っていた。そんな物をあんなに堂々と欲しがるなんて、狂人の類だ。
しかもマーロはアイスをホビット族の女の子に振る舞うといっていた。その言葉にヤニスは戦慄を覚える。
(人とは思えねぇ鬼畜さだ。あんなかわいい子供になんてことを・・俺だって裏の人間のはしくれだがそんなことはできねぇよ)
だがそれも、最後に聞いたことに比べればかわいいものだった。ヤニスはあまりにも衝撃的すぎて、腰を抜かしてしまった。
(嘘だろ・・・よりにもよってアイスをあのバンティスに渡すなんて!アルメール・バンティスだぞ!?麻薬捜査本部の狂犬じゃないか!)
そんな所に持ち込んだとしたら警察は今頃蜂の巣をつついたような大騒ぎになっていることだろう。クレイジーとしかいいようがなかった。 あらためて、マーロという男がどれほど規格外の存在なのかを再確認させられた。
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