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第二章 ギルド 銀の鈴
Another side
しおりを挟む森で変なやつに会った
いつも通り狩場に罠をしかけて、目印の焚き火も炊き、簡単な依頼をこなしてから川で水浴びをし、朝に仕掛けた罠を見に来たら、獲物ではなく人が転がっていた。
声をかけて見たが返事がない。………死んでんのか?
……………脈はあるな、寝てるのか
こんなところで寝るなんてどんな神経してるんだ?
と、思ったが、焚き火の中に放り込まれているニオイダケと木の実やらをを見て、あぁ、なんだ、と思った。
ニオイダケは鮮やかな色合いで食べたら即死の猛毒キノコだが、火で炙ると魔物達の嫌がる強烈な匂いを発するお役立ちアイテムだ。
だが、この辺の魔物の中にはたまにこれが効かない奴もいる。
まともな神経をしてるなら、こんな所で野宿なんて絶対にしないはずだ。
「……ゥゥ……」
………!…起きたのか?
こんな小さいのに、こんな場所にいるなんて、少なくともただの一般人では無いはずだ
少し後ずさって左手に剣を構える
やつは少しモゾモゾと動いたあと、何やらブツブツと呟き出した。
(…魔法か?いや、でもこいつからは全く魔力が感じられない)
俺は構えていた剣を納め、声をかける
「…………おい」
「……………」
返事がない、起きてるよな?こいつ
「……おい」
「……………………」
相変わらず何やらブツブツと呟いている。
まさか、こんな所で頭がおかしくなったのか?
「…おいっつってんだろ!死んでんのか?」
「はいぃ!生きてます生きてます!今めっちゃお腹痛いんですほっといてくださ………」
少し強めに呼びかけたところ、明らかに驚いた声で返事をし、こっちを振り向いたまま、停止してしまった。なんなんだよ一体………
「…………お前、こんなとこで何してんだ。死にたいのか?」
「…今絶賛死にそうなんですが、」
はぁ?自殺志願者かよ、死にたいなら死にたいでもっと別のところ行けよな……こんな所で死んだりなんかしたら、死体も残らないぞ
「おいやめろ、俺の前で死ぬんじゃねぇ。死ぬなら別のところに行け」
「死にたくないので助けてください」
なんだ自殺志願者じゃあないのか。そういや、さっきお腹が痛いとか何とか叫んでたな……チッ…面倒臭い……
「……お前、名前は」
「……!ア………レンと言います!」
「アレン、お前動けるか」
「………無理です」
「じゃあ、担いで行くぞ」
俺はアレンを肩に乗せて運んでやろうとする。いつもマスターはこうやって俺を医務室まで無理やり運ぶんだよな…
「あ、待って、その担ぎかたは……ブフゥ……」
「おい、どうした」
なんだかアレンの様子がおかしい、なんだって言うんだ
「僕…………お腹…………痛いって…………」
アレンは真っ青な顔でそう告げると、口元に手をすくうような形で抑えて
「おい待て、なんだその手は、おい、やめろよ、「オエエエエ」うわぁぁぁああ!!!」
あぁ、最悪だ
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ひどい目にあった
せっかく善意で助けてやろうとしたら、あろう事か俺の上で吐きやがった。
………いや、俺も悪いところはあった、と思う。
だが、散々な目にあったことは確かだ。
奴は焚き火のそばで毛布にくるまっている。
ほんとに神経図太いな、こいつ。
そう言えばあれから全く叫ばなくなったな
「……そういや、アレン、お前もう大丈夫なのか」
「………あれ?そう言えばお腹痛いの治ってる!やっぱ腐ってたのかなぁ……」
「腐ってた…ってお前何食べたんだ?」
「その焚き火の中に転がってるキノコ」
一瞬何を言っているのか本気で理解出来ず、自分の耳を疑った
「………は?」
「だから、その焚き火の中に「いやまて、ちょっとまて、お前、これ、………………食べたのか?」
猛毒キノコだぞ?食べたら即死の
「うん、食べたけど………やっぱ腐ってる?ごめん、僕そういうの見分けつかなくて。前は他の人が食べれる食べ物渡してくれてたんだけど………それに似てたから大丈夫かなーって思って」
「……………」
いや、そんなわけないだろ…毒を渡してくるような奴とかどんなやつだよ
「えーっと…どうかした?」
本気でそう思っていると言わんばかりの目に、俺は深く考えるのは辞めた。きっとこいつは秘境かどこかからうっかり現世に迷い込んでしまったのだろう。
「…………いや、何も」
「そっか」
こんなやつを一人で放っておいて大丈夫なのか?初対面とはいえ、こいつの将来が心配になってきた。
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