ふくしゅうはじめました

mitokami

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prologue

003

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 直葬ちょくそうにですら、道方ミチカタを参加させるつもりが無かった事が分る日程にってい道方ミチカタ愛羽マナハさんに言われた通り、見ず知らずの母親の兄が指示した場所へと向かう事にする。
そして、母親の兄に寄って勝手に約束させられた日。職場から休暇きゅうかもらって、指示された住所を携帯電話スマホで調べ、目的地に降り立った。

 住所を検索けんさくして辿たどり着いた先は、森林に囲まれた神社仏閣じんじゃぶっかくななめ後の方から見上げられる場所に存在する。とても辺鄙へんぴな場所。
最寄もより駅は程遠ほどとおく、近所のバスていですら普通に遠い。一般的に交通手段は車な地域に、何のメリットがあって存在しているのか理解できない。何故なぜこの場所にあるのか分らない古びたアパート。

 そのアパートの前にて道方ミチカタを出迎えたのは…、この場所に似つかわしくない高級外車3台と…、スーツ姿の男達としょうするよりも…任侠にんきょうドラマに出て来そうな黒服の男と称した方がシックリ来る感じの…見た目はがらが悪くないのに、明らか下っ端じゃないですよね?ってほど、ヤバイ雰囲気ふんいきかもし出す二人の威圧感いあつかん半端無はんぱない男達……。

 一人は母親の兄の大和ヒロトさん。もう一人は大和ヒロトさんの働く病院の顧問弁護士こもんべんごしなのだそうで、キッさんと呼ばれていた。
この二人への道方ミチカタの認識は、そこでとどまる事と成っている。
キッさんは、ちゃんと自己紹介したかも知れないのだが…、道方ミチカタの母親がめ込んだ預貯金よちょきんむらがる疎遠そえんだったはず親戚縁者しんせきえんじゃ邪魔じゃまされ…、その親戚縁者との出会いの所為せいで、道方ミチカタ記憶に残っていない……。

 一方、道方ミチカタの母親の妹弟だとか言う者達は、道方ミチカタの母を「誰とも分らぬ男の子供を産んだな女」と呼び、迷惑めいわくを掛けられたのだから迷惑料をもらうのは当然だとうったえる。
そのまま理論りろんもとづいて…、迷惑の根源で、母親にすら捨てられた道方ミチカタに、相続権は無い…むしろ、生まれて来た迷惑料を払えと言のだ……。

 大和ヒロトさんは眉間みけんしわせて大きく溜息ためいきき、キッさんは大和ヒロトさんとアイコンタクトで意思の疎通そつうはかった御様子。「近所迷惑ですし、個人情報を公共の場で拡散かくさんするのは如何いかがなモノかと思いますよ」と言って道方ミチカタの母親の部屋へと皆を案内し、全員を部屋にみちびき入れた。
そして、黒いメタリックフレームの眼鏡めがねを軽く掛け直しながら道方ミチカタに「親戚しんせきが存在する事を知ったのは何時いつだ?」と質問する。そこで「母親が死んだと知らせが来た時」だと道方ミチカタが答えたからだろうか?キッさんが水を得た魚かのごとく、満面の笑みをたたえ「弁護は引き受けてやるから、ヒロを含め、一族全員に育児放棄いくじほうき賠償請求ばいしょうせいきゅうをしろ」と、母親の妹弟へは「名誉毀損めいよきそんも付け加えたがく請求せいきゅうさせてやろう」と言って母親の妹弟の度肝を抜いてだまらせた。
更に「そもそも理事長は、縁を切った[撫子ヨリコさん]の存在や主張を認めず。その資産ですら、一族内に入って来る事を認めていない。その資産が欲しいなら…」と何やら母親の妹弟を脅し、言いくるめ、名も知らぬ母親の妹弟をその場から退場させてくれた……。

 直接的に育児放棄した両親ならかく、血縁者の未成年の子供を引き取る事を拒絶してでの育児放棄に対し、訴訟そしょうが可能なのか?は、高卒で法律すらまなんだ事の無い道方ミチカタには分らない。が、母親の妹弟が退場してくれた御陰おかげで顔を上げ、母親が住んでいたと言うアパートの一室を見渡す事が出来た。

 そこは必要最低限の物だけしか存在していない様な、到底とうてい、人様に与える程の財産など持っていなさそうで、質素しっそ過ぎる程に質素なワンルームの部屋だった。
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