ふくしゅうはじめました

mitokami

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蛇の道は蛇

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 道方ミチカタ何所どこ如何どう歩いて来たのだろうか?夜の闇、動物の声が遠くから聞こえる白いタイルが敷かれた通路。薄暗いランタンの光で営業する露店街を見付ける。
その場所にはイギリス発祥はっしょうの路上販売雑誌を売る者を始め、中古であろう日用雑貨や古本、手作りの物を売る者等と、色々な露店が並んでいたのだ。

 興味を引かれ露店を見て回る道方ミチカタ
その通路を通る者達のほとんどは、足早に通り過ぎる素面しらふの者か、酔っ払い。商売が成り立っているのか?と道方ミチカタは他人事ながらに心配しながら露店の商品を遠目に眺めていた。

 そこで、とある露店にて、すみっこにかかげられた焼き板。周囲に書かれた赤い文字が妖しい模様にも見える[予習、ふくしゅうを手伝います]と日本語で書かれた看板と出会う。しばし看板を凝視する道方ミチカタに対して、ボロを着ているのに目だけが矢鱈やたらと活力にあふれる露店の店主はニヤリと笑いながら手招きをし「ベンキョウシマスヨ」と言った。道方ミチカタは、その目に気圧けおされ恐れおののき、後退あとずさる。

 そんな道方ミチカタの腕に突然、誰かが抱き付く。
道方ミチカタの腕に抱き付いた主は、この時間この場所に存在するには不味い、補導されかねない、ボーイッシュな髪型と服装の見るからに未成年で「おっちゃん、相変わらず商売向いてへんなぁ~」と言いながら楽しげに笑い。その笑顔を道方ミチカタにも向ける。そして「血の臭いするやん、誰かに虐められでもしいたん?」と言い。答えを聞かぬまま「にいさん見たくな目ぇしいた人、探しとってん♪」と言いながら道方ミチカタの腕を引き「あっしと一緒に来たってw治療したるさかい」と道方ミチカタをビルとビルの隙間にある路地裏の奥、細い金属製の階段を2つ上った先に存在する慈善事業じぜんじぎょう団体と言う看板を掲げる相談所[なんでも]と言う所に連れ込んだ。

 この時、抵抗して悪目立ちし補導員や警察に目を付けられ職務質問される可能性を危惧きぐし、看板を見ず無抵抗で連れられて来られてしまった道方ミチカタの脳裏には、ぼったくり店舗の客引きに捕まってしまったのでは無かろうか?と言う不安が渦巻く、実質、物理的に引っ張って連れて行かれてしまった以上、客引き行為等の適正化に関する条例に違反するキャッチ行為である。
のだが…、道方ミチカタは高額な料金を請求される事無く、何処かで見た事のある男と似た雰囲気の老女に「シラン…、りんとまた厄介やっかいそうなん拾ってきたんかい…ちゃんと世話するんやよ!」と勝手に拾って来られた事にされ…、道方ミチカタが何を言い掛けるにも「うるさいね、黙って治療されときや!」と言葉を完全にさえぎられ、道方ミチカタは言いたい事を半ば無視され続け、古傷を強引に治療され…、更には「不味まず成るからよ食べし!」とカップ麺を押し付けられ食べる事と成った……。

 道方ミチカタがカップ麺を受け取りながら保険証の不所持を伝え料金を尋ねると、治療をほどこしてくれた老女は「寄付は受付とうけど、慈善事業て言う看板ぶら下げとって治療費もろてたらアウトやろ」と大笑いし「寄付は1円からでも受け付けとおよ、気持ち分入れたらええ、次回から、その気持ち分に見合う治療するさかいに」と募金箱と書かれた大きめな箱を指しながら付け加えた。
もしかしてもしかすると、この地域に住み続ける人に寄っては、タダより怖いモノは無い代表の治療、お試し第一回目を受けてしまったのかも知れない。
と言うのも…、道方ミチカタの次ぎに来た御客様が見るからに堅気かたぎの方では無く…流血沙汰な患者様が数人……。机の上に積み上げられる札束。請け負う老女は「ねえさん」と呼ばれ、突然に奥(?)から出て来た看護師さんは泡姫(ソープ嬢)風と言うか、見るにそのまま、後に道方ミチカタが知る事に成る事実なのだが、エレベータのある表側には、そう言う店が隣接しており、看護師さんはそこの従業員さんでもあるそうだ。

 そう言う訳で、シランと呼ばれる存在に寄って、この日この場所に連れて来られた道方ミチカタは、この時。立地から、その他諸々もろもろ堅気かたぎから外れた世界を垣間見る事と成ったのである。
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