10 / 10
010
しおりを挟む
後日談…、結局、摘まみ食いされただけで捨てられ、愚痴を聞いて貰う為に美鈴を呼び出した時の事……。
飲んで泣いて食べて悔しさを吐き出して、一通りの失恋の儀式を終わらせて…、美鈴に「僕の恋人に成りたいと思った事ってある?」と尋ねたら…、美鈴が普段、路上で煙草のポイ捨てをする人間に向けるような目で「無いな」と即答……。
「友人知人までやったら兎も角、恋人は有り得へん。もしも、万が一、アキが私と恋人同士に成りたい言うたら、アキと縁切るから覚えといて」とまで言われてしまう。
そう言えば彼女は、自分を巻き込まぬ恋愛が好きで、人間を観察し結果を交錯して物語を書く趣味を持つ。切り捨て御免の冷血漢。現在進行形で底なし沼を生成する人種。
僕からだって、新しい糧を得られないと判断したら友達のままでも捨てられてしまうのではなかろうか?と、常々、屡々、本気で思う。どんなに好きな相手でも、美鈴は切り捨てたり、一線を引いたりするのだ。
僕は、美鈴がナオさんに対して一線を引いた時の事を思い出す。
ナオさんは、自分の恋人の気を引く為、ちょっとした冗談の積もりで「私を蔑ろにしたら、浮気しちゃうんだから」と言って、その相手に美鈴を選び微笑み掛け、美鈴に抱き付こうとした事があった。僕なら、そのまま受け入れて、冗談だと分っていても喜んでいた事だろう。
でも美鈴は、その時、静かに怒りを露わにしていた。ナオさんから身を引き、ナオさんを片手で制し、泣き出しそうな悲し気な目と、冷たい声色「本気や無いなら言わんといてくれる?」と言った言葉のイントネーションまで、僕は今でもハッキリ覚えている。
僕も、ナオさんの事を本気で好きだったけど…、美鈴も、本気でナオさんの事が好きだった……。でも、僕と美鈴の思い人であるナオさんは、決して僕と美鈴には手を出さない。
自分が一度でも保護した者に手を出すのはポリシーが許さない。恩に感じた事を勘違いしてでの思いは勘違いかも知れないから…、と言うのが理由だとナオさんが周囲に話し…、僕がナオさんに本気で手を出そうとした時、ナオさん自身から聞いた事だ……。
僕がそんな事を考え、暫し物思いに耽っていると、美鈴が想定外な事を口にする。
「アキは私の事、理解できてなさ過ぎなんと違う?」
「え?」
「私はオタクではあるけど、推しキャラと愛し合いたい派の人間とちゃうんよ…、空気や背景として推しカプを見守り萌えたい派やし」
「どう言う事?」
「つまり、一度、推して推してしもたら、基本、恋愛感情芽生えへん。推す前に恋愛感情持ってへんかったら、無理やねん…、だから、推しと恋愛とか、考えるだけでむず痒成るんやわ……」
どうやら、美鈴と言う存在は、僕が思っていたより難しい存在なのかも知れない。
僕は、ここで今までの事を思い出した。
美鈴は[男の浮気]を嫌うのに、彼氏持ちの女の子の浮気相手と呼ばれる事に成る事が在る。でも、それは[男女の浮気の定義の違い]で、彼氏側が[これはギリ浮気じゃ無い]と言った範囲で、摘まみ食いしてるだけ[浮気ではない]と言う主義主張を持っている。
前に[ブツを挿れへんかったら違う。人に寄っては中で出さんかったら浮気とちゃう言うヤツおるやん]と言って「挿れれるブツも、中で出せる体液も持ってへん私が、色々やっといて自分は浮気してない主張する男の彼女の浮気相手と呼ばれるんは変な話やろ」と妖しく微笑みながら言っていた。
そこから推測して…、美鈴は、ただ単に男嫌いなだけだから…、僕が浮気されても男である僕の浮気相手に成らない…のではないだろうか?と、思っていた事もあるのだが…どうやら、そう言うのとも違って…、僕も…、美鈴にとっては、推しの一人に過ぎないらしいく…最初から対象外……。性的に慰めるとか有り得ない御様子だ。
後日、一時帰国したナオさんに、その事を話したら前と変わらぬ魅惑的な笑顔で「KEEP OUTを教えるのは拒絶だけじゃなくて、長く関係を続けたいって言う意思表示。それは、気に入ってるって事だよ」と言っていた。
あれから、色々な事が有り、更に縁遠く成ってしまった人間関係。
これは承認欲求から来る感情かも知れないけれど…、僕は、僕の在り方を肯定してくれる美鈴と、何時か年を取って爺さん婆さんに成ってから、今までの事を笑い話にしたいと思うに至る……。そして、どれだけ縁遠く成っても、極力、美鈴とは縁が切れない様にしておきたいなぁ~と僕は考えるのだった。
きっと美鈴は…、縁さえ切れなければ…、どれだけ時が経とうとも、呼び出しに応え…、僕の失恋話を聞く相手に成ってくれるだろう……。
飲んで泣いて食べて悔しさを吐き出して、一通りの失恋の儀式を終わらせて…、美鈴に「僕の恋人に成りたいと思った事ってある?」と尋ねたら…、美鈴が普段、路上で煙草のポイ捨てをする人間に向けるような目で「無いな」と即答……。
「友人知人までやったら兎も角、恋人は有り得へん。もしも、万が一、アキが私と恋人同士に成りたい言うたら、アキと縁切るから覚えといて」とまで言われてしまう。
そう言えば彼女は、自分を巻き込まぬ恋愛が好きで、人間を観察し結果を交錯して物語を書く趣味を持つ。切り捨て御免の冷血漢。現在進行形で底なし沼を生成する人種。
僕からだって、新しい糧を得られないと判断したら友達のままでも捨てられてしまうのではなかろうか?と、常々、屡々、本気で思う。どんなに好きな相手でも、美鈴は切り捨てたり、一線を引いたりするのだ。
僕は、美鈴がナオさんに対して一線を引いた時の事を思い出す。
ナオさんは、自分の恋人の気を引く為、ちょっとした冗談の積もりで「私を蔑ろにしたら、浮気しちゃうんだから」と言って、その相手に美鈴を選び微笑み掛け、美鈴に抱き付こうとした事があった。僕なら、そのまま受け入れて、冗談だと分っていても喜んでいた事だろう。
でも美鈴は、その時、静かに怒りを露わにしていた。ナオさんから身を引き、ナオさんを片手で制し、泣き出しそうな悲し気な目と、冷たい声色「本気や無いなら言わんといてくれる?」と言った言葉のイントネーションまで、僕は今でもハッキリ覚えている。
僕も、ナオさんの事を本気で好きだったけど…、美鈴も、本気でナオさんの事が好きだった……。でも、僕と美鈴の思い人であるナオさんは、決して僕と美鈴には手を出さない。
自分が一度でも保護した者に手を出すのはポリシーが許さない。恩に感じた事を勘違いしてでの思いは勘違いかも知れないから…、と言うのが理由だとナオさんが周囲に話し…、僕がナオさんに本気で手を出そうとした時、ナオさん自身から聞いた事だ……。
僕がそんな事を考え、暫し物思いに耽っていると、美鈴が想定外な事を口にする。
「アキは私の事、理解できてなさ過ぎなんと違う?」
「え?」
「私はオタクではあるけど、推しキャラと愛し合いたい派の人間とちゃうんよ…、空気や背景として推しカプを見守り萌えたい派やし」
「どう言う事?」
「つまり、一度、推して推してしもたら、基本、恋愛感情芽生えへん。推す前に恋愛感情持ってへんかったら、無理やねん…、だから、推しと恋愛とか、考えるだけでむず痒成るんやわ……」
どうやら、美鈴と言う存在は、僕が思っていたより難しい存在なのかも知れない。
僕は、ここで今までの事を思い出した。
美鈴は[男の浮気]を嫌うのに、彼氏持ちの女の子の浮気相手と呼ばれる事に成る事が在る。でも、それは[男女の浮気の定義の違い]で、彼氏側が[これはギリ浮気じゃ無い]と言った範囲で、摘まみ食いしてるだけ[浮気ではない]と言う主義主張を持っている。
前に[ブツを挿れへんかったら違う。人に寄っては中で出さんかったら浮気とちゃう言うヤツおるやん]と言って「挿れれるブツも、中で出せる体液も持ってへん私が、色々やっといて自分は浮気してない主張する男の彼女の浮気相手と呼ばれるんは変な話やろ」と妖しく微笑みながら言っていた。
そこから推測して…、美鈴は、ただ単に男嫌いなだけだから…、僕が浮気されても男である僕の浮気相手に成らない…のではないだろうか?と、思っていた事もあるのだが…どうやら、そう言うのとも違って…、僕も…、美鈴にとっては、推しの一人に過ぎないらしいく…最初から対象外……。性的に慰めるとか有り得ない御様子だ。
後日、一時帰国したナオさんに、その事を話したら前と変わらぬ魅惑的な笑顔で「KEEP OUTを教えるのは拒絶だけじゃなくて、長く関係を続けたいって言う意思表示。それは、気に入ってるって事だよ」と言っていた。
あれから、色々な事が有り、更に縁遠く成ってしまった人間関係。
これは承認欲求から来る感情かも知れないけれど…、僕は、僕の在り方を肯定してくれる美鈴と、何時か年を取って爺さん婆さんに成ってから、今までの事を笑い話にしたいと思うに至る……。そして、どれだけ縁遠く成っても、極力、美鈴とは縁が切れない様にしておきたいなぁ~と僕は考えるのだった。
きっと美鈴は…、縁さえ切れなければ…、どれだけ時が経とうとも、呼び出しに応え…、僕の失恋話を聞く相手に成ってくれるだろう……。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
【8話完結】帰ってきた勇者様が褒美に私を所望している件について。
キノア9g
BL
異世界召喚されたのは、
ブラック企業で心身ボロボロになった陰キャ勇者。
国王が用意した褒美は、金、地位、そして姫との結婚――
だが、彼が望んだのは「何の能力もない第三王子」だった。
顔だけ王子と蔑まれ、周囲から期待されなかったリュシアン。
過労で倒れた勇者に、ただ優しく手を伸ばしただけの彼は、
気づかぬうちに勇者の心を奪っていた。
「それでも俺は、あなたがいいんです」
だけど――勇者は彼を「姫」だと誤解していた。
切なさとすれ違い、
それでも惹かれ合う二人の、
優しくて不器用な恋の物語。
全8話。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
隣国の国王キリアン(アルファ)に嫁がされたオメガの王子リュカ。
しかし実は、結婚から逃げ出した双子の弟セラの身代わりなのです…
本当の花嫁じゃないとばれたら大変!
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだんキリアンに惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる