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 ヒロインアンジュは、断罪されて何時の間にやら国外追放。ヴォルカン王子は、ヒロインアンジュに魅了されていた事が判明し、心の修業が必要と判断されて見習い修道士として女子禁制の修道院へ送られる事と成ったらしい。
スウルス譲がグラースに「幼馴染として近況を報告し合うべきですわ」と言いながら「男だけの園の中ではどんな薔薇が咲き誇っている事でしょうか、気に成りますわ」と呟いていたので、確かな情報かと思われる。

 所で、だ…、この世界の基(?)と成ったであろうゲームの世界の最後の方って如何なっていたのだろうか?気に成ってクラスメイトのグラースに聞いてみたのだが…グラースは「僕自身がプレイしてたゲームじゃないから知らないんだ」と言う……。
続いて、チュテレールに聞いてみた。チュテレールは「ラスボスは確か、ディアだろ?経緯は知らないけど、東の森のダンジョンでスライムシングと一緒にボスってたの見掛けた気がする」との事だ。
チュテレールも自身ではプレイ経験が無い人だったので、次に行く事にした。そして、気付けば大所帯。

 グラースに私が話し掛けてたのを見たオーブ王女が「浮気ですか?」と声を掛けて来て、事情を説明したら興味を持ち、グラースとオーブを連れてチュテレールの所へ行く事と成り。チュテレールの所には婚約者のコリーヌがストーカーしてて、オーブがそれを発見し「可愛いから一緒に連れてっちゃいましょ」と巻き込み、「どうせなら、グラースの婚約者も呼んじゃいましょう」とオーブがスウルス譲を呼び出し、序にスウルス譲と一緒に居たブリュレ譲も参加。何故か知らぬ間にブリュレ譲の婚約者の王弟スプランドゥール様もオーブに呼び出されて、私的に苦手なエリュプシオン王子の所に自分から行く事と成っていた。チューさんの次は考えてへんかってんけどなぁ~。

 …で…エリュプシオン王子の所に行って聞いてみたら…、設定資料を雑誌で読んだ事があったらしくて色々と知っていた……。そんな、エリュプシオン王子曰くの御話。

 イベント発生条件は、ファレーズの攻略パラメーター60%以上の攻略が必須。
エンディングにて、校則に従い清く正しく生きていた本来のガルディアは、冤罪だけで裁かれ退学処分。東の辺境伯領に強制送還されるも、帰る場所の無い本物のガルディアはその足で東の森へ入り行方を暗ませ、その夜から東の辺境伯領に異変が起き、翌早朝には魔物の大量発生&大暴走スタンピード発生。
発生源は東の森のダンジョン。最深部には魔物を生み出すスライムと、その動力源と成ったゲーム上にあるべき存在のガルディアが鎮座。
当日の昼には期間内に魔物を生み出すスライムをガルディア諸共討伐しなきゃゲームオーバーって強制イベントが発生。更にダンジョン内はタイムアタック方式で提示されたの前半の時間枠内にラスボスを討伐出来たら裏ボスの蠅の王ベルゼブブ登場。以下略。
ラスボス・裏ボスの蠅の王ベルゼブブ討伐完了で、それぞれ攻略アイテムとスチール画像Get。蠅の王ベルゼブブ討伐完了するしないに係わらず、出現させれたらオマケで特典映像付きのエンディングorバットエンドが見れたらしい。

「久し振りに学園に戻ったら校内にラスボスが居て、ラスボス化せずセットで存在するのを知った私の気持ちが分かりますか?単品でラスボスの片割れを見掛け、安全に触れられると知った私の御気持ちが理解できますか?」とも言ったエリュプシオン王子の言い分は[世界平和の為に必要だった]である。私がストレスで逃げ出す程の私のスライムシングへの付き纏いが、それで許されると思とるらしい。つか、それならそうと最初から言えし!

 そして、エリュプシオン王子は「当時は、まさか既に裏ボスベルゼブブが討伐済みとか知りませんでしたし」と付き纏いの件の言い訳をしてくれた。裏ボスは私がラスボス?シングと出会う何年も前、私が記憶を思い出した幼少期に、獣や魔物の解体で出た脂身と竈の灰から作った雑で粗悪な石鹸擬き水にて陸上で溺死寸前まで弱らせ、祖父に作って貰ったミスリル合金製のハエタタキで消滅させ済みである。その事を「何でもっと早く…世間に公表しといてくれなかったのか……」とエリュプシオン王子は言うのだが、蠅が裏ボスとか知らんし!普通、気付けんわ!
そもそも「私、虫て、特に蠅・蚊・ゴキブリは、この世から須らく滅ぼして消滅させてええんとちょうかな?て思うレベルで好きとちゃうねん、悪魔とかラスボスとか関係あらへんくて、見掛けたら自分の知識総動員しいて殺して、死んだて確証持てるまで攻撃の手を休めへんのも仕方あらへんと思わん?後、世の中て、絶滅させたいヤツに限って絶滅せえへんモンやん?」蠅の王ベルゼブブが悪魔と判明した時点で「今でも何処かしらから復活して来るんちゃうかな?」って思て、そう言うん見掛ける度に息の根止めるまで追い掛け回すんが通常運転の方が、虫が増えなくてええんと違うか?と私は思う。蜜蜂以外の虫は生存認めてへんしね「(虫を全部)討伐しきったて確証無しに討伐宣言するモンやなくない?まだ、手を変え品を変え裏ボス?が出て来るかもしれへんやん?」因みに、蠅が居たら蠅の王ベルゼブブの眷属の可能性を考え、一般人でも蠅を率先して殺す世界設定て、ホンマ消えて欲し無いねん!←が本音である。

 こんな感じで会話の収集が付いたか?付いていないのか?な状態。エリュプシオン王子のみ、気持ちに不完全燃焼的な部分有りそうで、まだまだ言いたい事がありそうだけど、な雰囲気の中「まぁ、取り敢えず…、裏で手を引く悪魔が討伐されてて良かったね!で、良いのではないの?」と、王弟スプランドゥール様が話を終わらせ「そろそろ寮に戻らないと夕食を食べ損ねるわよ」と解散を示唆してくれた。ありがたい限りやわw

 こうして私達は王弟以外の男性陣と別れ、女子寮の方に戻る。
私は今日、オーブ王女主催の[参加しない壁の花は、矢追いを愛でているの会]の為の準備を始める時期なの忘れて、自分の中に抱えた疑問を解消しに出掛けてしまっていたのだ。オーブが付いて来てくれてて良かった。何処ででも活動が可能やわww
そして運の良い事に、私達の活動に寛容な王弟スプランドゥール様が「そろそろ(イベントの参加受付)締め切り間近だし、そっちで食べて手伝うわね」と言ってくれて大助かり。主要メンバーでもあるブリュレ譲の活動もスプランドゥール様に拒絶されなくて本当に良かった。と心底思う。それどころか、最近では王弟の立場をフル活用して、国内外にも[会]の活動を普及させ支援の輪を広げてくれている。アンタは神か?

 但し、この腐女子が集う光景をただ一人だけ、何か言いた気に見詰める者が存在した。私の従弟で同じく転生者のチュテレールである。

彼は後にも今でも、↓こう語る。
「結果的に蠅の悪魔より質の悪いモノが、この世に蔓延ってしまったのではないのか?」と、全くもって失礼な御話やわ!腐女子は腐女子的に腐ってても、悪い事はせえへんよ!

・・・気付けば、何時の間にか腐女子END・・・
将来、黒歴史に成るやもしれんけど、私は今、異世界転生してめっちゃ幸せにしとります。
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