忘れ忘れた忘れモノ

mitokami

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 わすれ忘れた忘れものが、今もだれかをっている。

 人里ひとざとはなれたもりおく、森の奥深おくふかく。山里やまざとえたやまなか、山の奥深く。
人々ひとびとが忘れ…、人々に忘れられた…、いまの人々のらない…、むかし、人々がんでいた世界ばしょに、忘れ忘れた忘れ物……。


 パタタタパタタはしおと。パタタタパタタ複数ふくすう足音あしおと。チッ、チッ、チッ、チッ…時計とけい秒針びょうしん……。カッチン、コッチン…おと……。
ふるぅ~い古いおおきな御屋敷おやしきひろくて薄暗うすぐらぁ~い玄関げんかんホール。
おぉ~きな大きな柱時計はしらどけいが…、ボ~ン、ボ~ン…とかねを…、ボ~ン、ボ~ン…と12じゅうにかい…、ボ~ン、ボ~ン…とらす……。

 そこでだれかが「ふわわぁ~」と、おぉ~きく大きく大欠伸おおあくびしずかにやさしくひびく誰かのこえ
「こんなにおそくまでていないのは…、だぁ~れだ?」
まだまだ全然ぜんぜん寝ていない、ちぃ~さなちいさな子供達こどもたちが、クスクス、クスクスわらいました。

 三角形さんかっけいのヨレヨレ帽子ぼうし。三角形のなが御目々おめめ。ピコピコうごとがった御耳おみみと、刺々とげとげしく尖ったくつ爪先つまさきが、物陰ものかげから…ちょっぴり、ちょびっと見えてます……。
子供達は、小さなちぃ~さな御手伝おてつだ妖精ようせい

 綺麗きれいととのえられた三角形の帽子。オムスビみたいな三角さんかく御目々。ゼンマイをく、巻きかぎくびからげた子が、御手伝い妖精のリーダー。
ちょっとよごれた三角形の帽子。ひっくりかえした三角御目々。秒針の音をひびかせる腕時計うでどけい襷掛たすきがけに背負せおった子が、御手伝い妖精のふくリーダーです。

 そのリーダ達の指示しじで、いきおげられた投げなわ。フックでっかけ、引っって、みんな一緒いっしょに、よいしょ、よいしょと振り子をめ…時計を止めて…、皆で一緒に、よいしょ、よいしょと時計をのぼり…、リーダーの子がシッカリ鍵をんで…、よいしょ、よいしょと、皆で鍵をまわします……。
まず、右側みぎがわ。時計と反対方向はんたいほうこうに、ゆっくり…ゆっくり…慎重しんちょうに…、キリキリキリキリ、キリキリキリキリ鍵を回します……。
つぎは、左側ひだり。時計回りの方向へ、ゆっくり…ゆっくり…慎重に…、キリキリキリキリ、キリキリキリキリ鍵を回します……。
巻いていて、きゅうかたくなったら、いっぱいいっぱいに巻けた証拠しょうこです。
小さなちぃ~さな御手伝い妖精では、ココまでに毎回まいかい、1時間ほどかる大仕事おおしごとでした。

 そしてつぎは、時間わせです。
よいしょ、よいしょと分針ふんしんを…、ゆっくり…ゆっくり時計回り…、30分の場所でボ~ン…、1時の場所でも…ボ~ン……。皆それぞれニッコリ、ニコニコ。

 あと仕上しあげ。止めた振り子を自由じゆうにして…、時計に時間をきざませるだけ……。
チッ、チッ、チッ、チッ時計の秒針。ドキドキドキドキ小人こびと心音しんおん。時間よりさきすすめた時計の時間。それにわせて、リーダー達が皆に合図あいずおくります。

 カッチン、コッチン…動き出す…、カッチン、コッチン…時計の振り子…、カッチン、コッチン…大喜おおよろび…、ニッコリ、ニコニコ御手伝い妖精……。
多少たしょうの時間のズレは御愛嬌ごあいきょう。「皆、頑張がんばったね」ってめてください。
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