1 / 4
01
しおりを挟む
忘れ忘れた忘れ物が、今も誰かを待っている。
人里離れた森の奥、森の奥深く。山里越えた山の中、山の奥深く。
人々が忘れ…、人々に忘れ去られた…、今の人々の知らない…、昔、人々が住んでいた世界に、忘れ忘れた忘れ物……。
パタタタパタタ走る音。パタタタパタタ複数の足音。チッ、チッ、チッ、チッ…時計の秒針……。カッチン、コッチン…振り子の音……。
古ぅ~い古い大きな御屋敷。広くて薄暗ぁ~い玄関ホール。
おぉ~きな大きな柱時計が…、ボ~ン、ボ~ン…と鐘の音を…、ボ~ン、ボ~ン…と12回…、ボ~ン、ボ~ン…と打ち鳴らす……。
そこで誰かが「ふわわぁ~」と、おぉ~きく大きく大欠伸。静かに優しく響く誰かの声。
「こんなに遅くまで寝ていないのは…、だぁ~れだ?」
まだまだ全然寝ていない、ちぃ~さな小さな子供達が、クスクス、クスクス笑いました。
三角形のヨレヨレ帽子。三角形の切れ長御目々。ピコピコ動く尖った御耳と、刺々しく尖った靴の爪先が、物陰から…ちょっぴり、ちょびっと見えてます……。
子供達は、小さなちぃ~さな御手伝い妖精。
綺麗に整えられた三角形の帽子。オムスビみたいな三角御目々。ゼンマイを巻く、巻き鍵を首から提げた子が、御手伝い妖精のリーダー。
ちょっと汚れた三角形の帽子。ひっくり返した三角御目々。秒針の音を響かせる腕時計を襷掛けに背負った子が、御手伝い妖精の副リーダーです。
そのリーダ達の指示で、勢い良く投げられた投げ縄。フックで引っかけ、引っ張って、皆で一緒に、よいしょ、よいしょと振り子を止め…時計を止めて…、皆で一緒に、よいしょ、よいしょと時計を登り…、リーダーの子がシッカリ鍵を差し込んで…、よいしょ、よいしょと、皆で鍵を回します……。
まず、右側。時計と反対方向に、ゆっくり…ゆっくり…慎重に…、キリキリキリキリ、キリキリキリキリ鍵を回します……。
次は、左側。時計回りの方向へ、ゆっくり…ゆっくり…慎重に…、キリキリキリキリ、キリキリキリキリ鍵を回します……。
巻いていて、急に硬くなったら、いっぱいいっぱいに巻けた証拠です。
小さなちぃ~さな御手伝い妖精では、ココまでに毎回、1時間程掛かる大仕事でした。
そして次は、時間合わせです。
よいしょ、よいしょと分針を…、ゆっくり…ゆっくり時計回り…、30分の場所でボ~ン…、1時の場所でも…ボ~ン……。皆それぞれニッコリ、ニコニコ。
後は仕上げ。止めた振り子を自由にして…、時計に時間を刻ませるだけ……。
チッ、チッ、チッ、チッ時計の秒針。ドキドキドキドキ小人の心音。時間より先に進めた時計の時間。それに合わせて、リーダー達が皆に合図を送ります。
カッチン、コッチン…動き出す…、カッチン、コッチン…時計の振り子…、カッチン、コッチン…大喜び…、ニッコリ、ニコニコ御手伝い妖精……。
多少の時間のズレは御愛嬌。「皆、良く頑張ったね」って褒めて下さい。
人里離れた森の奥、森の奥深く。山里越えた山の中、山の奥深く。
人々が忘れ…、人々に忘れ去られた…、今の人々の知らない…、昔、人々が住んでいた世界に、忘れ忘れた忘れ物……。
パタタタパタタ走る音。パタタタパタタ複数の足音。チッ、チッ、チッ、チッ…時計の秒針……。カッチン、コッチン…振り子の音……。
古ぅ~い古い大きな御屋敷。広くて薄暗ぁ~い玄関ホール。
おぉ~きな大きな柱時計が…、ボ~ン、ボ~ン…と鐘の音を…、ボ~ン、ボ~ン…と12回…、ボ~ン、ボ~ン…と打ち鳴らす……。
そこで誰かが「ふわわぁ~」と、おぉ~きく大きく大欠伸。静かに優しく響く誰かの声。
「こんなに遅くまで寝ていないのは…、だぁ~れだ?」
まだまだ全然寝ていない、ちぃ~さな小さな子供達が、クスクス、クスクス笑いました。
三角形のヨレヨレ帽子。三角形の切れ長御目々。ピコピコ動く尖った御耳と、刺々しく尖った靴の爪先が、物陰から…ちょっぴり、ちょびっと見えてます……。
子供達は、小さなちぃ~さな御手伝い妖精。
綺麗に整えられた三角形の帽子。オムスビみたいな三角御目々。ゼンマイを巻く、巻き鍵を首から提げた子が、御手伝い妖精のリーダー。
ちょっと汚れた三角形の帽子。ひっくり返した三角御目々。秒針の音を響かせる腕時計を襷掛けに背負った子が、御手伝い妖精の副リーダーです。
そのリーダ達の指示で、勢い良く投げられた投げ縄。フックで引っかけ、引っ張って、皆で一緒に、よいしょ、よいしょと振り子を止め…時計を止めて…、皆で一緒に、よいしょ、よいしょと時計を登り…、リーダーの子がシッカリ鍵を差し込んで…、よいしょ、よいしょと、皆で鍵を回します……。
まず、右側。時計と反対方向に、ゆっくり…ゆっくり…慎重に…、キリキリキリキリ、キリキリキリキリ鍵を回します……。
次は、左側。時計回りの方向へ、ゆっくり…ゆっくり…慎重に…、キリキリキリキリ、キリキリキリキリ鍵を回します……。
巻いていて、急に硬くなったら、いっぱいいっぱいに巻けた証拠です。
小さなちぃ~さな御手伝い妖精では、ココまでに毎回、1時間程掛かる大仕事でした。
そして次は、時間合わせです。
よいしょ、よいしょと分針を…、ゆっくり…ゆっくり時計回り…、30分の場所でボ~ン…、1時の場所でも…ボ~ン……。皆それぞれニッコリ、ニコニコ。
後は仕上げ。止めた振り子を自由にして…、時計に時間を刻ませるだけ……。
チッ、チッ、チッ、チッ時計の秒針。ドキドキドキドキ小人の心音。時間より先に進めた時計の時間。それに合わせて、リーダー達が皆に合図を送ります。
カッチン、コッチン…動き出す…、カッチン、コッチン…時計の振り子…、カッチン、コッチン…大喜び…、ニッコリ、ニコニコ御手伝い妖精……。
多少の時間のズレは御愛嬌。「皆、良く頑張ったね」って褒めて下さい。
0
あなたにおすすめの小説
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
義務ですもの。
あんど もあ
ファンタジー
貴族令嬢の義務として親の決めた相手に嫁いだが、夫には愛する人がいた。夫にないがしろにされても、妻として母として嫁としての義務を果たして誠実に生きたヒロインの掴んだ、ちょっと歪んだ幸せとは。
思いを込めてあなたに贈る
あんど もあ
ファンタジー
ファナの母が亡くなった二ヶ月後に、父は新しい妻とその妻との間に生まれた赤ん坊を家に連れて来た。義母は、お前はもうこの家の後継者では無いと母から受け継いだ家宝のネックレスを奪うが、そのネックレスは……。
公爵令嬢は結婚式当日に死んだ
白雲八鈴
恋愛
今日はとある公爵令嬢の結婚式だ。幸せいっぱいの公爵令嬢の前に婚約者のレイモンドが現れる。
「今日の結婚式は俺と番であるナタリーの結婚式に変更だ!そのドレスをナタリーに渡せ!」
突然のことに公爵令嬢は何を言われたのか理解できなかった。いや、したくなかった。
婚約者のレイモンドは番という運命に出逢ってしまったという。
そして、真っ白な花嫁衣装を脱がされ、そのドレスは番だという女性に着させられる。周りの者達はめでたいと大喜びだ。
その場所に居ることが出来ず公爵令嬢は外に飛び出し……
生まれ変わった令嬢は復讐を誓ったのだった。
婚約者とその番という女性に
『一発ぐらい思いっきり殴ってもいいですわね?』
そして、つがいという者に囚われた者の存在が現れる。
*タグ注意
*不快であれば閉じてください。
あなたへの愛を捨てた日
柴田はつみ
恋愛
公爵夫人エステルは、冷徹な夫レオニスを心から愛していた。彼の好みを調べ、帰宅を待ちわび、献身的に尽くす毎日。
しかし、ある夜会の回廊で、エステルは残酷な真実を知る。
レオニスが、未亡人クラリスの手を取り囁いていたのだ。
「君のような(自立した)女性が、私の隣にいるべきだった」
エステルは悟る。自分の愛は彼にとって「重荷」であり、自分という人間は彼にとって「不足」だったのだと。その瞬間、彼女の中で何かが音を立てて砕け散る。
『お前を愛する事はない』なんて言ってないでしょうね?
あんど もあ
ファンタジー
政略結婚で妻を娶った息子に、母親は穏やかに、だが厳しく訊ねる。
「『お前を愛する事は無い』なんて言ってないでしょうね?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる