忘れ忘れた忘れモノ

mitokami

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 カチ、コチ、カチ、コチ…、本来ほんらいせわしないはず秒針びょうしん、カチ、コチ、カチ、コチ…ちぃ~さいちいさい時計とけい…、カチ、コチ、カチ、コチ…ちいさなちぃ~さな御手伝おてつだ妖精ようせいの時計……。小さなちぃ~さな御手伝い妖精たちかす時間とききざむ時計。時計、め止まる時、役目やくめえ終える小さなちぃ~さな御手伝い妖精達。

 ある日、時を刻むのをめる時がやってる。
むかえがびと。待ち人を待っていた待ち人。ほほつたい伝うなみだきながらわら笑合わらいあ2人ふたり。忘れ忘れて…忘れてはいなかった約束やくそく…、とある事情じじょうなが時間ときたがちがえられ…、でも、最後さいごの最期にまもり守られた約束やくそく……。

 ちょっとよごれた三角形さんかっけい帽子ぼうし。ひっくりかえした三角形の御目々おめめ。小さなちぃ~さな御手伝い妖精の目になみだにじむ。うれしそうに微笑ほほえみ、微笑みながら泣いた小さなちぃ~さな御手伝い妖精。

 2人の中でもどされ戻る時間。
かつ一緒いっしょあそんだ公園こうえん遊具ゆうぐながらかたい。時計塔とけいとうのぼり登って、そこではたらき働き続けている御爺おじいさんのはなしをする。

 カッシン、カッシン…時計塔のなか…、カッシン、カッシン…登れば近付ちかづおと…、カッシン、カッシン…ひびき続ける…、カッシン、カッシン…の音……。
時計の動力どうりょく管理かんりする部屋へや辿たどいた時、え迎えてくれるは、なつかしきひと
2人はかくし隠してもらっていた宝物たからものって行く。

 綺麗きれいととのえられた三角形の帽子。オムスビみたいな三角形の御目々。小さなちぃ~さな御手伝い妖精は、心残こころのこりを解消かいしょう自由じゆうったひと見送みおくり送り微笑んだ。

 音楽室おんがくしつへと向かう2人。あとを付いて行く、小さなちぃ~さな御手伝い妖精達。
2人がにしているのは楽器がっき。2人が隠し隠して貰い。2人があずけ預けていたのは音楽をかなでるための楽器。

 カチ、カチ、カチ、カチ…さかさま振り子…、カチ、カチ、カチ、カチ…おときざむ…、カチ、カチ、カチ、カチ…メトロノーム……。くじらひげつくられたゼンマイ仕掛じかけのメトロノーム。2人が来るのを待っていた音楽室のメトロノーム。

 一緒に奏で奏でられるメロディー。2人が2人で一緒に奏でる音楽。

 三角形のヨレヨレ帽子。三角形のなが御目々。メトロノームにう小さなちぃ~さな御手伝い妖精。
ピコ、ピコ、ピコ、ピコ…2人が一緒に奏でる音楽に合わせ…、ピコ、ピコ、ピコ、ピコ…うごなが御耳おみみ…、ピコ、ピコ、ピコ、ピコ…ほほほころばせ、今をよろこび、祝福しゅくふくし…、ピコ、ピコ、ピコ、ピコ…動く御手伝い妖精のとがった御耳……。

 時間ときを忘れて、うしなっていた時間じかんを取り戻すかのごとく、奏でられる音楽の時間。ひそかに2人にう御手伝い妖精達も、時間ときを忘れて…、忘れ忘れた時にいしれる……。

 時を刻むのをめる時。くじらひげつくられたゼンマイ仕掛じかけのメトロノームがまる時。
みな満足まんぞく大満足だいまんぞく。皆が皆、そらあおぎ仰いで、帰って行く。

 見送り送る、見送る妖精。帰るべき者を送る為にい寄り添っていた、寄り添い妖精。仕事を終え終えて、役目を終え終えていた筈の刻む時を止め、本来あるべき時間に戻して、微笑み微笑み合い帰って行く。

 小さなちぃ~さな御手伝い妖精達、御疲おつかれ、御疲れさま

 小さなちぃ~さな御手伝い妖精達が帰り…、時間も帰り…、森も、もっと森へ帰り…、その場に残った忘れ忘れた忘れ物。最後に、忘れ物も土に帰って、忘れ忘れて忘れ忘れた忘れモノだったモノ。

「ところで、アナタが忘れ忘れてしまった忘れモノはありませんか?」
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