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004 あやかしの食卓 3
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翌日の事。朝日が木々を通り抜け、穏やかな日差しと成った木漏れ日の下。何時の間にか寝かされていたベットで目を覚ました泰親は目を開け、起き抜けに見た光景に、絶句する。
一般常識に照らし合わせると、普通の人間は背の高い木々の上にて、走り回る事は不可能です。が、怪士には体重が無いのか?小枝を足場に木の葉を揺らし、虫取り網を持って樟の上を走り回っていた。泰親は一瞬「コレって夢?」かとも思いもしたのだが…、リアルすぎるモフモフの耳と尻尾を付けた葛葉が「あっ…おはよ~」と言って近付いて来て…「所で、無題外泊して大丈夫だった?」と微笑んで尻尾を揺らすのを見て「夢とは違うっぽい」と現実を受け入れるのだった……。
そして、突然に開く窓。虫籠を襷掛けにし虫取り網を持つ、泰親が窓越しに見た怪士が、その窓の縁に舞い降り「大きいのがいましたよ、フライにしますか?」と葛葉に問うた。歓喜の声を上げる葛葉に対して、又もや言葉を無くす泰親。これは仕方が無い事かも知れない。
虫籠の中、モシャモシャカサカサ蠢く虫達を目の前に差し出され、目の前でやり取りされる会話と言う事柄が、少しばかり問題があったかと思われる。
その話の下りで「朝食の支度をしてきます」と言う怪士。この時この場で「手伝わせて貰っても良いですか?」と泰親が言ったのは必然で、その理由は、怪士が籠に詰めて現在進行形で所持している大きな虫の行方が、何となく気になったからに過ぎないのは仕方が無い事だろう。
こうして、泰親に対して明らかに成る秋ノ音堂で使われる食材の一部情報。
建物の外観に似つかわしくないレベルの本格的な業務用システムキッチンにて、怪士に寄って籠から一匹一匹取り出される泰親が見た事も無い謎の虫達。泰親の嫌な予感は的中しかせず。虫達は頭部と羽や足を手早くプチプチッともがれ、余分な殻を剥がされ、背わたらしきモノと腑らしきモノを竹串に寄って突き刺し引き出され、銀色のボールへと瞬く間に放り込まれて行った。
泰親は、それを大根おろしで洗い、臭みを取る処理を任されながら、殻の中身は体液と臓器である虫と、海老に似た身を持つ、この謎の虫っぽい生き物の違いを知ると同時に、困惑もする。
と言う訳で、現在、虫の姿は海老にしか見えない状態に成っている訳なのだが、泰親にとっては如何足掻いても、先程まで虫籠に入っていた虫で有る事には変わりない。前日は、知らずに食べたとは言え泰親は、この食材に恐れ戦き「僕はソレ、食べるの遠慮させて下さい」と言う。
そこへキッチンに顔を出した葛葉が「あらやだw泰親は、そう言うの食べないと駄目な体に成ったのよw好き嫌いは駄目よ♪絶対ww」と言った。
そんなこんなの会話の先、泰親の何故こんな目に?如何してこんな事に?の先にあったのは、葛葉が前日に言った「この先、私の店で働くなら、この問題を解決に導いてあげるわ」と、それに対して泰親が返した「どうにか出来るのなら、御願いしたい」と言う言葉が原因で発生した事案。
後々、泰親が適当に言ってしまった事を後悔し、葛葉に対して憤りを感じたとか感じなかったとか…、その真相は想像に御任せし……。クーリングオフの出来ない。そんなモノ存在しない契約。
泰親は当初「食べないと怖い目に遭うわよ」と言う葛葉の言葉を無視して食べない事を選び、普通一般的な食材だけで作られた朝食を口にし、秋ノ音堂の敷地内を出ようとした朝食を食べた後の事。何故か見ただけで身の毛もよだつ赤黒い謎の生き物に襲われ、腕や足を掴まれ悲鳴を上げて、腕や足、服や素肌に赤黒い謎の生き物が付けた痕を残し、泰親は秋ノ音堂へと引き返す事に成ったのであった。
逃げ戻った泰親を迎えたのは、店先でパラソル付きのテーブル席に座り、一度茹でてから乾かしサックサクに揚げたリボン型パスタ[ファルファッレ]に添えた、エビチリ擬きを怪士に配膳して貰って食べる葛葉。
周囲には…、システムキッチンにて、取り立ての海老の様な物を摺り下ろしたニンニクと生姜、隠し味の醤油で揉み込み…、軽く焼き色を付け…、味の主体のケチャップに、豆板醤と名古屋から取り寄せた[つけてみそかけてみそ]を混ぜたソースで仕上げたチリソース炒めの美味しそうな香りが漂っている……。
一瞬、恐怖を忘れ呆気に取られる泰親。(え?葛葉さん…、ついさっき、例の生き物のフライ入りのサンドイッチ、ビックリする量を食べてなかったか?)と言う泰親の心の突っ込みは置いておいて、食材の正体を知っている筈なのに、先程しっかり朝食を食べたばかりの泰親の腹が鳴りだしたりする。
泰親の腹の音を聞き付けた葛葉は、息を切らし戻って来た泰親に対して「あらあら、体は正直ねwそれは体が必要だと求めているのよw」と魅惑的な微笑を浮かべ、食べかけのチリソース炒めを差し出し「取り敢えず…、この先、腕や足を失いたくなければ食べなさい」と言う。
多分、こんな時に嘘や冗談は言わないだろうと判断した泰親は、手渡されたモノを素直に受け取り、「これはエビチリだ…エビチリ以外の何物でも無い」と自己暗示を掛けるかの様に呟き、躊躇しながらパスタとソースの方を口にし…、赤黒い謎の生き物に掴まれ腕に出来た痕から水に溶ける染料の様に暗い色が浮き上がり痕を薄くするのを目の当たりにして…、一気に皿の上のチリソース炒めを口に入れ完食した……。
完食し、総てを飲み込み終えると赤黒い謎の生き物に掴まれ腕に出来た痕は総て消え去っていた。
泰親が自分の意志で食べた事を確認した妖士は、泰親の箸を持つ手を取り、一応、付けられた痕が残っていないかを確認して「泰親君、秋ノ音堂で働く決心は付いたか?」と質問する。
追い打ちの様に葛葉が「働かざる者食うべからず♪秋ノ音堂で働かなきゃ、身を守る為の食事は無しよw食べなきゃ無抵抗で幽世のモノの餌食に成るしか無いけどねw」と笑っていた。
勿論、泰親に選択肢は無い。こう言う物語だ。
一般常識に照らし合わせると、普通の人間は背の高い木々の上にて、走り回る事は不可能です。が、怪士には体重が無いのか?小枝を足場に木の葉を揺らし、虫取り網を持って樟の上を走り回っていた。泰親は一瞬「コレって夢?」かとも思いもしたのだが…、リアルすぎるモフモフの耳と尻尾を付けた葛葉が「あっ…おはよ~」と言って近付いて来て…「所で、無題外泊して大丈夫だった?」と微笑んで尻尾を揺らすのを見て「夢とは違うっぽい」と現実を受け入れるのだった……。
そして、突然に開く窓。虫籠を襷掛けにし虫取り網を持つ、泰親が窓越しに見た怪士が、その窓の縁に舞い降り「大きいのがいましたよ、フライにしますか?」と葛葉に問うた。歓喜の声を上げる葛葉に対して、又もや言葉を無くす泰親。これは仕方が無い事かも知れない。
虫籠の中、モシャモシャカサカサ蠢く虫達を目の前に差し出され、目の前でやり取りされる会話と言う事柄が、少しばかり問題があったかと思われる。
その話の下りで「朝食の支度をしてきます」と言う怪士。この時この場で「手伝わせて貰っても良いですか?」と泰親が言ったのは必然で、その理由は、怪士が籠に詰めて現在進行形で所持している大きな虫の行方が、何となく気になったからに過ぎないのは仕方が無い事だろう。
こうして、泰親に対して明らかに成る秋ノ音堂で使われる食材の一部情報。
建物の外観に似つかわしくないレベルの本格的な業務用システムキッチンにて、怪士に寄って籠から一匹一匹取り出される泰親が見た事も無い謎の虫達。泰親の嫌な予感は的中しかせず。虫達は頭部と羽や足を手早くプチプチッともがれ、余分な殻を剥がされ、背わたらしきモノと腑らしきモノを竹串に寄って突き刺し引き出され、銀色のボールへと瞬く間に放り込まれて行った。
泰親は、それを大根おろしで洗い、臭みを取る処理を任されながら、殻の中身は体液と臓器である虫と、海老に似た身を持つ、この謎の虫っぽい生き物の違いを知ると同時に、困惑もする。
と言う訳で、現在、虫の姿は海老にしか見えない状態に成っている訳なのだが、泰親にとっては如何足掻いても、先程まで虫籠に入っていた虫で有る事には変わりない。前日は、知らずに食べたとは言え泰親は、この食材に恐れ戦き「僕はソレ、食べるの遠慮させて下さい」と言う。
そこへキッチンに顔を出した葛葉が「あらやだw泰親は、そう言うの食べないと駄目な体に成ったのよw好き嫌いは駄目よ♪絶対ww」と言った。
そんなこんなの会話の先、泰親の何故こんな目に?如何してこんな事に?の先にあったのは、葛葉が前日に言った「この先、私の店で働くなら、この問題を解決に導いてあげるわ」と、それに対して泰親が返した「どうにか出来るのなら、御願いしたい」と言う言葉が原因で発生した事案。
後々、泰親が適当に言ってしまった事を後悔し、葛葉に対して憤りを感じたとか感じなかったとか…、その真相は想像に御任せし……。クーリングオフの出来ない。そんなモノ存在しない契約。
泰親は当初「食べないと怖い目に遭うわよ」と言う葛葉の言葉を無視して食べない事を選び、普通一般的な食材だけで作られた朝食を口にし、秋ノ音堂の敷地内を出ようとした朝食を食べた後の事。何故か見ただけで身の毛もよだつ赤黒い謎の生き物に襲われ、腕や足を掴まれ悲鳴を上げて、腕や足、服や素肌に赤黒い謎の生き物が付けた痕を残し、泰親は秋ノ音堂へと引き返す事に成ったのであった。
逃げ戻った泰親を迎えたのは、店先でパラソル付きのテーブル席に座り、一度茹でてから乾かしサックサクに揚げたリボン型パスタ[ファルファッレ]に添えた、エビチリ擬きを怪士に配膳して貰って食べる葛葉。
周囲には…、システムキッチンにて、取り立ての海老の様な物を摺り下ろしたニンニクと生姜、隠し味の醤油で揉み込み…、軽く焼き色を付け…、味の主体のケチャップに、豆板醤と名古屋から取り寄せた[つけてみそかけてみそ]を混ぜたソースで仕上げたチリソース炒めの美味しそうな香りが漂っている……。
一瞬、恐怖を忘れ呆気に取られる泰親。(え?葛葉さん…、ついさっき、例の生き物のフライ入りのサンドイッチ、ビックリする量を食べてなかったか?)と言う泰親の心の突っ込みは置いておいて、食材の正体を知っている筈なのに、先程しっかり朝食を食べたばかりの泰親の腹が鳴りだしたりする。
泰親の腹の音を聞き付けた葛葉は、息を切らし戻って来た泰親に対して「あらあら、体は正直ねwそれは体が必要だと求めているのよw」と魅惑的な微笑を浮かべ、食べかけのチリソース炒めを差し出し「取り敢えず…、この先、腕や足を失いたくなければ食べなさい」と言う。
多分、こんな時に嘘や冗談は言わないだろうと判断した泰親は、手渡されたモノを素直に受け取り、「これはエビチリだ…エビチリ以外の何物でも無い」と自己暗示を掛けるかの様に呟き、躊躇しながらパスタとソースの方を口にし…、赤黒い謎の生き物に掴まれ腕に出来た痕から水に溶ける染料の様に暗い色が浮き上がり痕を薄くするのを目の当たりにして…、一気に皿の上のチリソース炒めを口に入れ完食した……。
完食し、総てを飲み込み終えると赤黒い謎の生き物に掴まれ腕に出来た痕は総て消え去っていた。
泰親が自分の意志で食べた事を確認した妖士は、泰親の箸を持つ手を取り、一応、付けられた痕が残っていないかを確認して「泰親君、秋ノ音堂で働く決心は付いたか?」と質問する。
追い打ちの様に葛葉が「働かざる者食うべからず♪秋ノ音堂で働かなきゃ、身を守る為の食事は無しよw食べなきゃ無抵抗で幽世のモノの餌食に成るしか無いけどねw」と笑っていた。
勿論、泰親に選択肢は無い。こう言う物語だ。
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