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最終話・完
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須藤と付き合い始めて一週間。ちょっと須藤がねちっこくて喧嘩することもあったが、それなりに楽しくやっていた。大学内で一緒に昼食を食べたり、帰りに須藤の家に行ったり。須藤の家にはアニメのポスターだとか漫画だとかが多くて面白い。ベッドの下に隠されているであろうエロ本を探そうとしたら怒られたりもした。
そういえばデートっぽいことをしたことがなかったので、今日は映画でも見ようということになった。耕平は自分でも気づかないうちに結構楽しみにしていたようで、二十分前に待ち合わせ場所に着いていた。さすがに須藤の姿はない。
はしゃぎすぎたことに反省して、自分を落ち着かせようとスマホを眺める。適当なニュースに目を通そうとするが、どうも集中できない。
「ん?」
ある記事が目に入る。謎の光?ちょうどこの辺りだ。それも昨日か……。
「やあ、コウヘイ」
嫌な予感がして振り返ると、そこには銀髪の少年がいた。
周囲にいたはずの人間もいなくなり、結界の中であろう暗闇の世界にいた。
「おまえ、何で……」
「ちょっと星に帰ってたから、寂しかったかい?」
「いや全然」
どうやら最近姿を見なかったのは地球にいなかったかららしい。ずっと須藤と一緒にいたから気が付かなかったが、そういえばスドーの姿だって随分見ていなかった。
「新しいペットも連れてきたんだ。桃、おいで」
クルトの声に答えるように現れたのはピンク色の、巨大なタコだった。
「で、でか……」
いや、でも、クルトはもう耕平には興味がないはずで、耕平は須藤と付き合っているわけで、もうあんな目には遭わないはずだ。
そう思っていたのに、吸盤のついた触手が伸びてきて、耕平の体に絡みつく。
「はなせっ!」
桃の触手はねとねとした粘液にまみれていて、非常に気色悪い。
「お、俺は須藤と付き合ってるからもうこういうのは……」
「でもスドーも見てるよ」
「へ?」
スドーも見てる?
クルトの指さした方を見ると、魔法少女がじいっとこちらを見ているところだった。思い切り目が合ってスドーは「やば」と声を上げる。
「い、今助けようと思ってて」
「いつもしばらくコウヘイがえっちな目に遭ってるのを見てるよ」
「ち、ちがっ」
恋人の言葉とクルトの言葉どちらを信じるか、と考えればスドーを信じるべきなのだろうが、こちらを見ていた時のスドーの表情を思い出すと、クルトの言葉の方が真実味がある。
「俺だって耕平を誰かに触らせたいわけじゃないんだけど、でも、ほら、触手ってロマンでしょ?中身おっさんでもショタ攻めってオイシイでしょ?推しのそういうシーンなんて見せられたらしばらくガン見しちゃうだけで、ちゃんと助けるから!」
「スドー」
「でもほら、ちょっとくらいはえっちな所見たいっていうか、本当はちょっとだけ記録もしてるんだけど……」
「スドー」
「それに助けた後の耕平ってえっちな粘液でエロエロモードになってるからそれも楽しみでつい……」
言い訳をし続けるスドーのせいで、耕平の目がどんどん細められていく。耕平の怒りが伝わったのか、桃の触手は勝手に離れていった。
「帰る」
「え、デートは?耕平の見たがってた映画は?」
「今度一人で見るからいい。クルト、俺をここから出せ」
「はーい」
クルトの返事と同時に結界の外に放り出される。須藤もいつもの須藤の姿に戻っている。
須藤に背を向けて早歩きで歩き出すと、慌てて後ろから追いかけてくる。
「耕平、ごめん!」
必死に謝ってくる須藤に一週間セックス禁止を言い渡し、耕平はまた歩き出した。
……ちょっと甘かったかもしれないが、須藤のショックを受けた表情的には結構な罰になりそうだった。
一週間後、解禁に調子に乗った須藤が耕平を抱き潰したのは言うまでもない。
おわり
―――――
本編はこちらで完結となりますが、おまけがまだ2話ほどあるのでそちらもお付き合い頂けると嬉しいです。
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