君を幸せにするから全てを下さい

アントロ

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1・離婚

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「お母さんね、離婚する事にしたの」
「そうなんだ」
「それでね、みいの事なんだけど...」
「...みーちゃん?」
「申し訳ないんだけど...パパが引き取りたいって」
「...え?」

私は理解できなかった。
みーちゃん、それは私の女神。マリア。大切な妹。
私は高校2年生の16歳だけど、みーちゃんはまだ9歳の小学生。でもちゃんと血が繋がっている。
両親は仲がめっぽう悪かった。いつか離婚するんだろうなと、それは予想していた。
でも、何で、みーちゃんだけお父さんの所に行くの?

「ほら、親権の問題って大変でね...お互い1人ずつって話になって...」
「嫌だ」
「ユイ...」
「なら私もお父さんの所に行く」
「ユイ!」
「だって...あんなお父さんの所に、みーちゃんだけ置いていけない!!」

私のお父さんは、とても優しい、自慢のお父さん
事故で仕事ができなくなってからは、自暴自棄になって、暴力をふるって、酒に吞まれて、壊れていった。
みーちゃんにも手を出そうとした。それを守っていたのは私だった。
なのに、私がいなくなったらみーちゃんはどうなるの?

「お母さんの馬鹿! それならせめて私をお父さんの所にやってみーちゃんをお母さんの所に置いてよ!」
「でもユイ...」
「もういい!」

リビングを出て、自室に閉じこもった。
私がよくいる場所は、自室の押し入れの中。暗くて、お父さんもよっぽどの時以外は来なくて、一番安全。

「...ゆいちゃん」
「みーちゃん?」

押し入れに籠っていると、外からみーちゃんの声がした。

「だいじょーぶ?」

そう言って、心配そうに押し入れの戸を開ける。

「うん。大丈夫だよ」

みーちゃんを思いっきり抱っこすると、心がぽかぽかする。
いつもぽっかり空いている心の穴が、埋まっていく。

「みー、ゆいちゃんとバイバイなの...?」
「みーちゃん...」

泣きそうな顔で私を見つめているみーちゃん。
そんな顔されたら、決心がついちゃった。

どんな手を使ってでも、みーちゃんを守ろう。
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