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2・独占
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「ゆいちゃん?」
「...どした?」
「みい、ゆいちゃんとバイバイしたくない」
「...私も、みーちゃんとバイバイしたくないよ」
私は自分の事ばっかりで、みーちゃんの気持ちを考えていなかったかもしれない。
みーちゃんも怖いんだ。なら、私がなんとかしないと。
「...みーちゃん」
「ん?」
「私がなんとかするからね。絶対なんとかするから」
「...うん。大好きだよ、ゆいちゃん」
「私も大好き」
いっぱいいっぱい抱っこして、私は決意を固めた。
私達を引き裂こうとする奴は、いらないよね?
今日の朝、私は頭が痛い事を理由に学校を休み、小学校へ向かうみーちゃんを見送った。
さぁ、帰ってくるまでにサプライズの準備をしなくちゃ。
「お母さん」
「スー...スー...」
お母さんは、ぐちゃぐちゃのソファで屍の様に眠っていた。テーブルも、カップ麺ばかり。床には、落としたコップがそのまんま。
「今、楽にするから」
「もう、お父さんにめちゃくちゃにされる人生は嫌でしょ?」
「終わらせたいよね」
「任せて」
「ね?」
お母さんは眠っている。
手に持ったロープで、お母さんを楽にしてあげるんだ。
「...グ!?」
「おはよう、お母さん」
「ア...カハッ...」
「今楽にするから」
「ア...ゆ...ぃ......ヒュ...」
「おやすみ、お母さん」
それはあっという間だった。人間って、儚いんだね。
また一つ賢くなりました。
今まで育ててくれた事、感謝しているよ。
お父さんは朝いなくて、昼頃から家にふらりと帰ってくる。その時いつも飲むお酒。事前に入手しておいた、楽になれる薬を一振りする。
この薬は、お父さんだけじゃない。皆を幸せにしてくれるんだ。
お父さんが帰ってくる頃を見計らって、玄関に立っておく。
「お父さん、お帰り」
「...何なんだよ」
「え?」
「昼に帰ってくる父に対する嫌味か?」
「そんなんじゃ」
「うるせぇんだよ!」
頬に一発入れられる。倒れた私に、靴のまま蹴りを入れた。
「お前ら皆俺の事馬鹿にしてんだろ!? 分かってんだよ!」
「今まで誰が育てたと思ってる!?」
「...」
「何か言えよ出来損ない!」
「ごめんなさい」
「みい以外皆気色悪い...みいがいい子に育ったのが唯一の救いだよ」
「...」
私は、何でお父さんがみーちゃんに執着しているのか知っている。
お父さんは、犯罪者。
我が子を、みーちゃんを、一方的に愛して、自分の玩具にしている。
みーちゃんをお父さんの所にやったら、暴力だけでなく、もっと、もっと恐ろしい地獄に引きずり込むかもしれない。お父さんは何度もみーちゃんとお風呂に入ろうとした。
何度も同じ布団で寝ようとした。
抱っこしようとした。2人だけで車に乗ろうとした。
全部、全部私が拒絶して、例え父の逆鱗に触れようとも2人を引き離した。
こんな父親、親じゃない。
犯罪者だ。
「...」
私は怒って酒を取りに行った父の背中を見つめた。
その数秒後、ガタンという大きな音がしたのを聞いて、痛む体を起こして、リビングを見に行った。
血を吐いて倒れている父を、時間をかけて、少しずつ動かす。
重くて中々動かないけど、必死に隣の部屋へ移す。
「お母さん、お父さん」
暗い部屋だけど、夫婦2人で仲良くしてね。
「またね」
私は扉を閉じて、厳重に鍵をかけて、その扉の前に重い重い棚を置いた。
さて、汚れてしまったリビングを掃除しよう。
あぁ、よく考えたら、小分けにしてから運べば簡単だったな。
確かに私はお父さんの言う通り、出来損ないかもしれない。
「...どした?」
「みい、ゆいちゃんとバイバイしたくない」
「...私も、みーちゃんとバイバイしたくないよ」
私は自分の事ばっかりで、みーちゃんの気持ちを考えていなかったかもしれない。
みーちゃんも怖いんだ。なら、私がなんとかしないと。
「...みーちゃん」
「ん?」
「私がなんとかするからね。絶対なんとかするから」
「...うん。大好きだよ、ゆいちゃん」
「私も大好き」
いっぱいいっぱい抱っこして、私は決意を固めた。
私達を引き裂こうとする奴は、いらないよね?
今日の朝、私は頭が痛い事を理由に学校を休み、小学校へ向かうみーちゃんを見送った。
さぁ、帰ってくるまでにサプライズの準備をしなくちゃ。
「お母さん」
「スー...スー...」
お母さんは、ぐちゃぐちゃのソファで屍の様に眠っていた。テーブルも、カップ麺ばかり。床には、落としたコップがそのまんま。
「今、楽にするから」
「もう、お父さんにめちゃくちゃにされる人生は嫌でしょ?」
「終わらせたいよね」
「任せて」
「ね?」
お母さんは眠っている。
手に持ったロープで、お母さんを楽にしてあげるんだ。
「...グ!?」
「おはよう、お母さん」
「ア...カハッ...」
「今楽にするから」
「ア...ゆ...ぃ......ヒュ...」
「おやすみ、お母さん」
それはあっという間だった。人間って、儚いんだね。
また一つ賢くなりました。
今まで育ててくれた事、感謝しているよ。
お父さんは朝いなくて、昼頃から家にふらりと帰ってくる。その時いつも飲むお酒。事前に入手しておいた、楽になれる薬を一振りする。
この薬は、お父さんだけじゃない。皆を幸せにしてくれるんだ。
お父さんが帰ってくる頃を見計らって、玄関に立っておく。
「お父さん、お帰り」
「...何なんだよ」
「え?」
「昼に帰ってくる父に対する嫌味か?」
「そんなんじゃ」
「うるせぇんだよ!」
頬に一発入れられる。倒れた私に、靴のまま蹴りを入れた。
「お前ら皆俺の事馬鹿にしてんだろ!? 分かってんだよ!」
「今まで誰が育てたと思ってる!?」
「...」
「何か言えよ出来損ない!」
「ごめんなさい」
「みい以外皆気色悪い...みいがいい子に育ったのが唯一の救いだよ」
「...」
私は、何でお父さんがみーちゃんに執着しているのか知っている。
お父さんは、犯罪者。
我が子を、みーちゃんを、一方的に愛して、自分の玩具にしている。
みーちゃんをお父さんの所にやったら、暴力だけでなく、もっと、もっと恐ろしい地獄に引きずり込むかもしれない。お父さんは何度もみーちゃんとお風呂に入ろうとした。
何度も同じ布団で寝ようとした。
抱っこしようとした。2人だけで車に乗ろうとした。
全部、全部私が拒絶して、例え父の逆鱗に触れようとも2人を引き離した。
こんな父親、親じゃない。
犯罪者だ。
「...」
私は怒って酒を取りに行った父の背中を見つめた。
その数秒後、ガタンという大きな音がしたのを聞いて、痛む体を起こして、リビングを見に行った。
血を吐いて倒れている父を、時間をかけて、少しずつ動かす。
重くて中々動かないけど、必死に隣の部屋へ移す。
「お母さん、お父さん」
暗い部屋だけど、夫婦2人で仲良くしてね。
「またね」
私は扉を閉じて、厳重に鍵をかけて、その扉の前に重い重い棚を置いた。
さて、汚れてしまったリビングを掃除しよう。
あぁ、よく考えたら、小分けにしてから運べば簡単だったな。
確かに私はお父さんの言う通り、出来損ないかもしれない。
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