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15歳
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ついに、15歳の誕生日を迎えた。その日もパパが帰宅したのは深夜だった。ママのことを教えてもらうために、私は寝ずにパパの帰りを待っていた。
「まだ起きていたのか?」
ソファーでウトウトしていたら、疲れた顔のパパがリビングに入ってきた。
「15歳になったんだ」
やっと言えた。この日をずっと待っていた。パパは驚いた顔をした。
「次の日曜日、一緒に出掛けよう。朝の9時出発でいいかな?」
私が小さく頷くと、パパは静かに自分の部屋へ歩いて行った。怒っているわけじゃない。口数が少ない、いつものことだ。
**
日曜日の朝、6時に起床した。顔を洗った後、シリアルを食べた。時計を見たら7時。9時出発だから、パパが起きるのは8時か。
朝食を食べた後、いつもより念入りに歯を磨いた。部屋に戻って服を選ぶ。どんな服を着て行くべきか。子供っぽい服はやめておこう。スカートにするか、パンツにするか。一時間も悩んだ末に、白いシャツに紺のパンツを履いた。可愛さよりも、清潔感を優先。守りのファッションだ。
好印象を与えるためには笑顔が重要。鏡の前で笑顔の練習をしていたら9時になった。
リビングに入ったらソファーにパパが座っていた。コーヒーを飲みながら雑誌を読んでいる。いつもと変わらない格好。こんなに気合をいれて服を選ばなくても良かったのかもしれない。
「さあ、行こうか」
家を出て、車に乗り込む。樹木の緑が薄い、ビルの陰から差し込む光がいつもよりも淡い。車の中から見る景色は、いつもとは違って見えた。
30分ほど走るとビルの地下駐車場に入った。車を降りてエレベーターに乗り込む。エレベーターは27階で止まった。日曜日のビルは静かだった。パパは通路を真っすぐ歩いていく。薄暗いライトをいくつも通り過ぎた。
通路には扉が設置されていて、パパはカードキーをかざしながら機械に顔を近づけた。厳重なセキュリティ。ここは何の施設なのだろう?
「ここだよ」
5つ目の扉を通過したところで、パパが青い扉を指した。部屋の入口には「Dr. Ota」と書いてある。パパの仕事場だろうか?
パパはカードキーでロックを解除して扉を開けた。広いスペースだけど窓がない。壁一面にラックが配置されていて、中にはサーバーがびっしりと並んでいた。
「ここがママの部屋だよ」
不思議そうに部屋の中を歩き回る私に、パパが教えてくれた。やはり、ママは生きている。
「ちょっと待ってね」
パパが電子パネルを操作したら壁の一部が開いた。隠し扉、重要なものが中にある。
中を覗き込むと女の人がベッドに寝ていた。私にそっくりな女の人。
「ママ……」
鏡に話しかけたママよりも歳をとっていた。ベッドの上のママに話しかけた。何度呼びかけてもママは返事をしない。鏡の中のママと一緒だ。
「葵は10年以上このままだ。でも、葵のデータはサーバーに保存してあるから、いつでも話をすることができる。話してみるかい?」
私は小さく頷いた。
「まだ起きていたのか?」
ソファーでウトウトしていたら、疲れた顔のパパがリビングに入ってきた。
「15歳になったんだ」
やっと言えた。この日をずっと待っていた。パパは驚いた顔をした。
「次の日曜日、一緒に出掛けよう。朝の9時出発でいいかな?」
私が小さく頷くと、パパは静かに自分の部屋へ歩いて行った。怒っているわけじゃない。口数が少ない、いつものことだ。
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日曜日の朝、6時に起床した。顔を洗った後、シリアルを食べた。時計を見たら7時。9時出発だから、パパが起きるのは8時か。
朝食を食べた後、いつもより念入りに歯を磨いた。部屋に戻って服を選ぶ。どんな服を着て行くべきか。子供っぽい服はやめておこう。スカートにするか、パンツにするか。一時間も悩んだ末に、白いシャツに紺のパンツを履いた。可愛さよりも、清潔感を優先。守りのファッションだ。
好印象を与えるためには笑顔が重要。鏡の前で笑顔の練習をしていたら9時になった。
リビングに入ったらソファーにパパが座っていた。コーヒーを飲みながら雑誌を読んでいる。いつもと変わらない格好。こんなに気合をいれて服を選ばなくても良かったのかもしれない。
「さあ、行こうか」
家を出て、車に乗り込む。樹木の緑が薄い、ビルの陰から差し込む光がいつもよりも淡い。車の中から見る景色は、いつもとは違って見えた。
30分ほど走るとビルの地下駐車場に入った。車を降りてエレベーターに乗り込む。エレベーターは27階で止まった。日曜日のビルは静かだった。パパは通路を真っすぐ歩いていく。薄暗いライトをいくつも通り過ぎた。
通路には扉が設置されていて、パパはカードキーをかざしながら機械に顔を近づけた。厳重なセキュリティ。ここは何の施設なのだろう?
「ここだよ」
5つ目の扉を通過したところで、パパが青い扉を指した。部屋の入口には「Dr. Ota」と書いてある。パパの仕事場だろうか?
パパはカードキーでロックを解除して扉を開けた。広いスペースだけど窓がない。壁一面にラックが配置されていて、中にはサーバーがびっしりと並んでいた。
「ここがママの部屋だよ」
不思議そうに部屋の中を歩き回る私に、パパが教えてくれた。やはり、ママは生きている。
「ちょっと待ってね」
パパが電子パネルを操作したら壁の一部が開いた。隠し扉、重要なものが中にある。
中を覗き込むと女の人がベッドに寝ていた。私にそっくりな女の人。
「ママ……」
鏡に話しかけたママよりも歳をとっていた。ベッドの上のママに話しかけた。何度呼びかけてもママは返事をしない。鏡の中のママと一緒だ。
「葵は10年以上このままだ。でも、葵のデータはサーバーに保存してあるから、いつでも話をすることができる。話してみるかい?」
私は小さく頷いた。
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