僕と猫とゲートキーパー ー 勝手に他人の半生を書いてみた(第3章)

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小角 vs 菊

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ドヤ顔の小角は動画をもう一つお菊さんに見せた。
その動画には武が前鬼もろともテロリストを射劇する様子が記録されている。

「人質を攻撃するのはいけませんねー」
小角はニヤニヤしている。

「卑怯者! それが部下を救ってもらった上司がすることなの?」

「それはそれ、これはこれですよ」

小角は前鬼に「パワースーツに穴が開いてないか?」と聞いた。
前鬼は損傷を確認するためにパワースーツを脱いだ。
すると、中から普通の人が出てきた。

「中から普通の人が出てきたよ。あれは鬼の形をしたボディースーツだったの?」
武はビックリしてお菊さんに確認した。

「そうよ。軍隊で使用しているパワースーツね。本当に鬼だと思っていたの?」

「・・・・」
前鬼のことを鬼だと思っていた武は返答に詰まった。

武たちが話している間、前鬼はパワースーツの損傷状況を確認している。

「あー、小さい穴がたくさん開いてますね」前鬼は小角に言った。
撃ち込んだリチウム弾がパワースーツに大量に刺さっているようだ。

「これも請求しましょうか?」小角はニヤニヤしながらお菊さんに言った。

お菊さんの髪の毛がみるみる逆立っていく。
「てめえ、ぶっ殺す!」

小角は「やれやれ」と言ってスーツのネクタイを緩める。
お菊さんと小角が戦闘態勢に入った。


危険を察知した前鬼は「あぶねー」と言いながら武の後ろに隠れた。

「僕まで狙われたらどうするの? 向こう行ってよー」
武は前鬼を追い払おうとしている。

「いいだろー。俺はパワースーツ脱いじまったから、当たったら本当に死ぬんだよ!」
前鬼も必死に抵抗する。

「もう一回パワースーツ着たらいいじゃない?」

「ダメだ。パワースーツを装着するところを狙われたらどうするんだ? なー、頼むよ。一生のお願いだ!」
前鬼は必死だ。

「小学生みたいなお願いだな。それにしても戦闘が始まったら危ないよな・・・」

小角とお菊さんは一触即発なのだが、武は入国許可証の方が気になっている。

小角はクズだ。
だが、武にとって入国許可証は魅力的だ。
この惑星の科学技術は地球よりも進んでいるから、入国許可証があればいろんな知識を習得することができるだろう。
それに、テロリストの捕獲は危険が伴うものの、中長距離攻撃のできる武とお菊さんには難易度は高くないはずだ。

武は小角に再度確認しようと思ったが、先に戦闘を止めさせる必要がある。
武は戦闘を回避する方法を考えた。

――小学生の言うことを素直に聞くだろうか?

小角は分からないが、お菊さんは頭に血が上っているから聞かないような気がする。
仕方ないから、武は2人を戦闘不能にすることにした。

武は小角とお菊さんに気付かれないように、一酸化炭素を大量に生成し室内に一気に放出した。自分も倒れるといけないから、自分の周りは酸素を生成しておく。

しばらくすると“バタッ”と音がして小角とお菊さんが倒れた。

前鬼が驚いて「何があったんだ?」と武に聞いた。
前鬼は武の後ろにいたから一酸化炭素攻撃を受けていない。

「戦闘が始まったら危ないから、2人を気絶させたんだ」と武は答えた。

「へー、そんなことできるのか。すごいなー」

「まあね」
武は褒められてまんざらでもない様子だ。

「それで、この2人どうする?」前鬼は武に確認する。

「また暴れたら危ないよね。紐(ひも)で縛り付けといてよ」

「オッケー」
そう言うと前鬼は小角とお菊さんを椅子に座らせ、紐で縛り付けた。

***

しばらくすると小角とお菊さんは目を覚ました。
紐で縛られていることに気付いた2人は恥ずかしそうだ。
前鬼は言葉を選んで2人に話しかけた。

「戦闘が始まりそうだったから、武くんが止めてくれました。お気持ちは分かりますが、お二人とも話し合いで解決できないでしょうか?」

小角とお菊さんは少し考えてからほぼ同時に言った。
「分かった・・・」
「分かったわ・・・」

前鬼は小角とお菊さんが落ち着いたことを確認して、2人の拘束を解いた。

武は小角に依頼内容とその対価を確認する。

「テロリストの捕獲を手伝ったら、さっきの破壊行為はお咎めなし。さらに入国許可証は発行してくれるんだよね?」

「もちろんだ。約束しよう」と小角は答える。

武は少し考えたうえでお菊さんに提案した。

「証拠もあることだし、このまま帰ると後々面倒だよ。お菊さんも欲しいもの言ったら?」

お菊さんは考え始めた。

――小角が絶対に用意できないものを要求してやる!
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