僕と猫とゲートキーパー ー 勝手に他人の半生を書いてみた(第3章)

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兜町の男

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小角は武に『テロリストの資金源を断ってほしい』と依頼しようと考えている。
一方の武は『小学生には無理でしょ・・・』と思っている。

武は依頼を断る口実を探すために小角に質問した。

「ピーチ・ボーイズの資金源を断つのは、おじさんたちの仕事じゃないの?」

「それがな、我々が動くのは難しいのだ。我々と地球には不可侵条約があってな・・・」
小角は意味深な言い方をした。

武は『不可侵条約』に少し興味を持った。

「どういうこと?」

「ダグラス・ピーチはこの惑星ではテロリストだ。この惑星では犯罪者として逮捕することもできるし、裁くこともできる。しかし、ダグラス・ピーチは地球では違法な行為をしているわけではない。法に触れない行為をしている人間を、我々は地球では逮捕できないし、攻撃したり、その行為を妨害したりすることはできない」

小角の説明は回りくどいから、武には何が言いたいのか分からない。

「ちょっと分かりにくいんだけど・・・」と武は言った。

「例えば、地球のある会社が自動車を製造しているとする。我々の科学文明の方が進んでいるから、我々が地球で会社を作って自動車を製造すると、我々の方が勝ってしまうだろう。そうすると、地球の科学技術の発展を阻害することになる」

「営業妨害ってことかな?」

「そうだ。不可侵条約とは営業妨害禁止条約だな。ダグラス・ピーチの資金源を止めようとすると、我々が地球のビジネスを邪魔することになる。だから、我々が動くのはダメなんだ」

「へー。そうなんだ」武は興味なさそうに言った。

「だから、お主たちにピーチ・ボーイズの資金源を断ってほしいのだ」小角は改めて言った。

武はこの話に興味を持てない。それに、菊さんの方をチラッと見たら首を振っている。お菊さんも乗り気じゃないようだ。
武は小角の依頼を断ることにした。

「気持ちは分かるけど、僕たちには無理だよ。フィクサーと戦えと言われても、僕には何をしたらいいか分からない」

「フィクサーと戦う方法か・・・。それなら問題ないぞ。専門知識を持った人物を紹介しよう」小角はそう提案した。

「専門知識を持った人物がいるんだったら、その人に頼んだらいいじゃない?」

「ダメだ。彼は地球人じゃない。今回の件を実行すると不可侵条約に引っかかるから、彼に依頼はできない」と小角は言った。

「でも、僕たちには無理だよ。別の人を探してよ」

小角は何としても武たちに依頼を受けてもらいたいから悪あがきを続ける。

「受けるかどうかはともかく、一度、彼に会ってくれないか? この件を手伝ってくれるかどうかは、話を聞いてから判断してくれればいい」

「いやだよー」

「そこを何とか・・・。頼む!」

小角は一向に引く気配はない。
武はこのまま押し問答をするのが面倒になってきた。
話を聞くだけだったらいいか・・・と思い始めた。

「会うだけだよ・・・」と武は仕方なく言った。

「ありがとう。感謝する」
そう言うと、小角は椅子に縛られたまま武に頭を下げた。

武はお菊さんのところに行って、拘束を解いた。
お菊さんは武を睨んでいる。
余計なことを言ってしまったようだが、小学生男子に二言は無い。

「それで、その人はどこにいるの?」

「兜町にいる。前鬼に案内させるから菊と3人で行ってくれ」

「分かったよ」

――兜町ってどこにあるんだろう?

土地勘のない武には兜町がどこにあるのか分からない。
でも今は考えても仕方がないことだ。
武はお菊さんと一緒に、前鬼の案内でゲートに向かった。


<第3章終わり>
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