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第4回活動報告:不正融資を取り締まれ
来期予算を巡る攻防(その2)
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(1)来期予算を巡る攻防 <続き>
俺はガツンと反対意見を言う必要があると考えた。
だから、俺は内部調査部の予算化に反対するために発言した。
「チャールズ兄さん、ちょっと待って下さい。」と俺は言った。
「どうしたの?」とチャールズは呑気に言った。
「そもそも、内部調査部は内部告発ホットラインで寄せられた国民からの相談事を解決する部署です。」
「そうだね。」
「内部調査部は調査部署なので、基本的にコストセンターです。なので、本来であれば調査業務から収益は発生しません。」
「でも、34億JDも儲かってるよね?」
「たまたまです。今年度は、たまたま銅と劣後社債の取引で収益が上がっただけです。たまたまの収益だから、毎年見込めるわけではありません。」
俺は『たまたま』を強調しながら言った。
来期予算に内部調査部を組み込みたいチャールズ。
来期予算に内部調査部を組み込まれたくない俺。
「またまた、謙遜してー。内部告発ホットラインに寄せられる相談案件から、収益採算が合う案件に取り込んでいけば達成できるんじゃないかな。必要資金は内務省で面倒をみるからさー。」
チャールズは来期予算をさっさと通してしまいたいから、俺を煽てる作戦に出た。
当然、俺は反論する。
「収益性を優先すると、内部告発ホットラインを開設した趣旨とズレてきませんか?」
「どういうこと?」
「国王は国民の役に立つために内部調査部を立ち上げました。内部告発ホットラインは国民の声を聞くために開設しました。だから、内部調査部の業務は、収益を目的とするものではなく、国民の利益を優先する必要があるのです。」俺はよく分からない理論を展開した。
その後、俺とチャールズの論戦がしばらく続いた。
しばらくすると、2人の論争を見かねた国王が代替案を出した。
「会議が進まないから、私が代替案を提案しよう。両立すれば良いではないか。国民の役に立ちつつ、儲かる案件を扱えばいい。」
国王が身も蓋もないことを言った。
代替案というよりも、完全にチャールズ寄りだ・・・。
「そうだ、ダニエルなら両立できる!」とチャールズが続けて言った。
国王を味方につけられたので、小心者のチャールズは調子付いている。
ここで一気に畳み掛けようという意気込みを感じる。
「私も、ダニエルなら両立できると思います!」と第3王子のアンドリューも発言した。
こいつは、自分に関係ないことは流れに任せるタイプだ。
自分に害が及ばない限り、俺に味方することはない。
「俺も、ダニエルには期待している!」と第1王子のジェームスも乗ってきた。
ジェームスも他のみんなの意見に同調することにしたようだ。
こいつはバカだが、空気は読める。
空気が読めるバカだ。
完全に流れが『ダニエルは両立できる』に傾いた。
俺が反論しようとしたところ、チャールズは間髪空けずにこう宣言した。
「みなさん、内務省が作成した来期予算に賛成のようです。それでは、来期の財政歳入予算は本日提案したもので進めることにします。」
完全にチャールズの作戦に嵌ってしまった俺・・・。
国家予算として織り込まれてしまった内部調査部・・・。
こうして、俺たち内部調査部は年間40億JDという収益目標を背負わされることになった。
不本意ながら・・・。
俺はガツンと反対意見を言う必要があると考えた。
だから、俺は内部調査部の予算化に反対するために発言した。
「チャールズ兄さん、ちょっと待って下さい。」と俺は言った。
「どうしたの?」とチャールズは呑気に言った。
「そもそも、内部調査部は内部告発ホットラインで寄せられた国民からの相談事を解決する部署です。」
「そうだね。」
「内部調査部は調査部署なので、基本的にコストセンターです。なので、本来であれば調査業務から収益は発生しません。」
「でも、34億JDも儲かってるよね?」
「たまたまです。今年度は、たまたま銅と劣後社債の取引で収益が上がっただけです。たまたまの収益だから、毎年見込めるわけではありません。」
俺は『たまたま』を強調しながら言った。
来期予算に内部調査部を組み込みたいチャールズ。
来期予算に内部調査部を組み込まれたくない俺。
「またまた、謙遜してー。内部告発ホットラインに寄せられる相談案件から、収益採算が合う案件に取り込んでいけば達成できるんじゃないかな。必要資金は内務省で面倒をみるからさー。」
チャールズは来期予算をさっさと通してしまいたいから、俺を煽てる作戦に出た。
当然、俺は反論する。
「収益性を優先すると、内部告発ホットラインを開設した趣旨とズレてきませんか?」
「どういうこと?」
「国王は国民の役に立つために内部調査部を立ち上げました。内部告発ホットラインは国民の声を聞くために開設しました。だから、内部調査部の業務は、収益を目的とするものではなく、国民の利益を優先する必要があるのです。」俺はよく分からない理論を展開した。
その後、俺とチャールズの論戦がしばらく続いた。
しばらくすると、2人の論争を見かねた国王が代替案を出した。
「会議が進まないから、私が代替案を提案しよう。両立すれば良いではないか。国民の役に立ちつつ、儲かる案件を扱えばいい。」
国王が身も蓋もないことを言った。
代替案というよりも、完全にチャールズ寄りだ・・・。
「そうだ、ダニエルなら両立できる!」とチャールズが続けて言った。
国王を味方につけられたので、小心者のチャールズは調子付いている。
ここで一気に畳み掛けようという意気込みを感じる。
「私も、ダニエルなら両立できると思います!」と第3王子のアンドリューも発言した。
こいつは、自分に関係ないことは流れに任せるタイプだ。
自分に害が及ばない限り、俺に味方することはない。
「俺も、ダニエルには期待している!」と第1王子のジェームスも乗ってきた。
ジェームスも他のみんなの意見に同調することにしたようだ。
こいつはバカだが、空気は読める。
空気が読めるバカだ。
完全に流れが『ダニエルは両立できる』に傾いた。
俺が反論しようとしたところ、チャールズは間髪空けずにこう宣言した。
「みなさん、内務省が作成した来期予算に賛成のようです。それでは、来期の財政歳入予算は本日提案したもので進めることにします。」
完全にチャールズの作戦に嵌ってしまった俺・・・。
国家予算として織り込まれてしまった内部調査部・・・。
こうして、俺たち内部調査部は年間40億JDという収益目標を背負わされることになった。
不本意ながら・・・。
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