第4王子は中途半端だから探偵することにした

kkkkk

文字の大きさ
70 / 197
第4回活動報告:不正融資を取り締まれ

来期予算を巡る攻防(その1)

しおりを挟む

俺の名前はダニエル。ジャービス王国という小さな国の第4王子だ。
第4王子という中途半端な立ち位置なので、俺はジャービス王国で起こった経済事件を解決する探偵をしている。
本当は内部調査部の部長なのだが、モチベーションを保つために、勝手に探偵という設定にしている。

ちなみに、俺の今までの戦歴は2勝0敗1分だ。
推理はなかなか当たらないのだが、事件はほぼ解決している。
だから、『探偵として実績は上げている』と言っても問題ないだろう。

それに俺は探偵としての目標を毛利小五郎先生にすることにした。

毛利先生は凡人なのに名探偵の地位と名声を持っている。
俺が推測するに、毛利先生が持っているのは名探偵の能力ではなく、自分を名探偵と周囲に認識させる能力だと思う。

つまり、『名探偵か否か』は周りが『名探偵だと感じるか否か』だ。

だから俺自身は探偵ではあるものの本当の名探偵を目指さないことにした。
これで少しはプレッシャーから解放されるはずだ。


(1)来期予算を巡る攻防

劣後社債の買取りを開始してから3カ月が経過したころ、国王が俺たち兄弟を召集した。毎年恒例の国家予算の決定会議だ。

ジャービス王国の国家予算は、来期の歳入と歳出を予想して、来期予算を決定する。
国家予算の作成は内務省の担当だ。会議がスタートすると第2王子のチャールズ(内務大臣)が説明を始めた。

「来年度の歳入に関しては、総額が1,040億JDで、前年度比4%の増額を見込んでいます。内訳としては、税収が700億JD、国有地などの賃貸収入が300億JDです。この2つは前年度と同じ金額を見込んでいます。40億JDは投資利益によるもので、この部分が昨年度と比較した来年度の増加要因です。」
※本書では、1JD(ジャービス・ドル)=1円に設定しています。

俺はぼーっとチャールズの話を聞いていた。来期予算には投資利益という新しい歳入項目が追加されているらしい。
『投資利益って何だろう?』と俺が思っていると、他の出席者も同じように思っていたようだ。

「投資利益とは具体的に、どういう内容なのか?」と国王がチャールズに質問した。

「投資利益ですね。ダニエルの内部調査部で銅や劣後社債の取引をしているのは、国王もご存じだと思います。」とチャールズは国王に言った。

「もちろん、知っておる。銅を海外から輸入する時も、劣後社債を買取る時も、ダニーが相談に来た。」

「まさにそれです。内務省で計算したところ、内部調査部の年間収益は、銅取引が約12億JD、劣後社債が22億JDなので合計34億JDのようです。」

「おー、そんなに儲かっているのか!」国王は嬉しそうに言った。

「だから、来期には年間収益40億JDは達成できると考えています。」とチャールズは言った。

「そうか。ダニエルのところは来期40億JDも稼いでくるのかー。」と国王は呑気に言った。

おいおい、ちょっと待て!

俺は何も聞いていない。
チャールズは俺に相談なしに、勝手に予算に組み込みやがった。

それに内部調査部は基本的にコストセンターだ。
収益予算を背負わされる謂(いわ)れはない。

それに、俺はやっと毛利先生から名探偵のコツを学んだところだ。
このまま押し切られると『探偵ごっこ』ができなくなる。

<続く>
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収

ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。 彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。 だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。 自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。 「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」 契約解除。返還されたレベルは9999。 一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。 対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。 静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。 「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」 これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。 (本作品はAIを活用して構成・執筆しています)

崖からポイ捨てされた不運令嬢ですが、銀髪イケメン竜王に『最愛の伴侶』としてスカウトされました!

有賀冬馬
恋愛
不作も天災も、全部わたしのせい!? 「不運な女」と虐げられ、生贄として崖から捨てられたわたし、ミラ。 でも、落ちた先で待っていたのは、まぶしいほど綺麗な銀髪の竜王・アルベルト様でした! 「君がいたから、この国は守られていたんだよ」 えっ、わたしって実はすごい聖女だったの!? 竜宮城で贅沢三昧&溺愛生活スタート! そんな中、わたしを捨てて大ピンチになった元婚約者が「ミラ、戻ってきて!」と泣きついてきて……。

魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。 音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、 幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。 魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。 そして再び出会う幼馴染。 彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。 もういい。 密かにやってた支援も打ち切る。 俺以外にも魔道具職人はいるさ。 落ちぶれて行く追放したパーティ。 俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。

辺境追放された「植物魔導師」の領地開拓 ~枯れ果てた死の大地は、俺の魔力で聖域(楽園)へと変貌する~

リーフレット
ファンタジー
​「植物魔法? ああ、農作業にしか使えないあの地味な魔法か」 ​帝国騎士団の専属魔導師だったアルトは、無能な二世皇太子レオンによって、一方的に追放を言い渡された。 アルトがどれほど魔導植物を駆使し、帝国の食糧難を裏から支えていたかを知らぬまま、彼は「戦闘に役立たない役立たず」という烙印を押されたのだ。 ​帝国を出て行き着いた先は、魔物が跋扈し、草一本生えないと言われる最果ての荒野。 死を待つだけの地。しかし、アルトは絶望するどころか、晴れやかな顔で笑っていた。 ​「やっと、気兼ねなく『植物』を愛でられる。……よし、ここを世界一の庭(楽園)にしよう」

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜

Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。

処理中です...