166 / 197
第7回活動報告:通貨危機を回避しろ
名探偵を採用しよう!(その2)
しおりを挟む
(1)名探偵を採用しよう! <続き>
「そうだ。効率性だ。名探偵が推理していれば事件は瞬殺で解決したはず。」
「かもね。」とルイーズが言った。
「みんなはナンプレって知ってるかな?」
「ナンプレですか?」ミゲルが言った。
「ナンプレは、3×3のグループに区切られた 9×9の正方形の枠内に1~9までの数字を入れるパズルゲームだ。このゲームはいろんなテクニックがあって、テクニックを駆使してどれだけ効率的にパズルを解くことができるかが重要なんだ。」
※ナンプレ(数独)は、3×3のグループに区切られた 9×9の正方形の枠内に1~9までの数字を入れるペンシルパズルの一つである。同様のパズルそのものは1980年代から世界各地のパズル愛好家には知られていた。
出所:Wikipedia
「それで?」とルイーズが言った。
「確かに、ナンプレは非効率的な方法でも解ける。1~9までの数字を全ての枠に試していって、総当たりすれば解けなくはない。でも、時間がもの凄く掛かる。超難問を総当たりで解こうとすると、1~2時間掛かってしまう。」
「へー。」とルイーズが興味なさそうに言った。
「何を言いたいかというと、もっと効率的に解く方法があるにも関わらず、内部調査部は総当たりでナンプレを解こうとしているんだ!」
「だから名探偵を採用したいと?」
「そうだよ。名探偵がいれば、総当たりしなくても事件を解決することができる。」
俺はメンバーを見た。
半分くらいは俺が言いたいことを理解しているようだ。
半分は俺の意図をくみ取ってくれていない。
「名探偵の定義は?」ルイーズが言った。
「推理力が優れている人物かな。」と俺は言った。
「じゃあ、その人物の推理力が優れているかどうかを、どうやって判断するの?」
「それは・・・、推理力を判断するテストをしてだな・・・。」
「だーかーらー。そんなテストを作れるんだったら、問題作成者が名探偵でしょ?」
ルイーズは鋭いところを突いてきた。
名探偵かどうかを判断できるレベルに達しているのであれば、そいつは名探偵と同等の能力を有している。名探偵を雇う必要がない。
俺がルイーズに対する反論を考えていたら、ルイーズが追い打ちを掛けてきた。
「例えばさー、『名探偵募集!』って総務省のウェブサイトで募集するでしょ。総務省の標準給与体系だと安いから、名探偵は来ないよね?」
「来ないね。」
「仮に高い報酬を提示できたとしよう。応募してくる中には高額報酬に惹かれたクズみたいな奴が混ざってる。」
「そうだね。」
「私たちは、応募者がクズかクズじゃないかを判断できないから、クズを採用する可能性がそれなりに高い。」
「クズは口が上手いからな。」
「クズが全然使えなかったらどうする?クビにする?」
「公務員だからクビにできないね。」と俺は静かに答えた。
「どうしても名探偵を採用したかったら、名探偵を引き当てるまでクズを採用し続けないといけない。そして、クズを一度雇ったら解雇できない。つまり、総務省にクズが溜まっていく。」
「クズ溜まりができるね。」
「クズの面倒は誰が見るの?」
「俺?嫌だな・・・。」
「そう思うでしょ?ダニーが言った『名探偵を採用しよう』は『総務省でクズの面倒をみよう』と同じなの。」
俺はルイーズの理詰めに負けそうになっている。
何とか反撃しなければならない。
「じゃあ、業務効率化はどうするの?」と俺は言った。
俺の質問に対してルイーズは質問で返した。
「そもそも論だけど、名探偵はこの世に存在すると思う?」
「え?」
いまそれを議論するのか?
「名探偵はこの世に存在しないと思う。」
ルイーズは名探偵不在説を唱えた。
名探偵の存在を疑うルイーズ。
名探偵の存在を疑わない俺。
まさか、そこで争うとは俺は思っていなかった。
「なぜ名探偵はいないって思うの?」と俺はルイーズに聞いた。
「もしジャービス王国に名探偵がいたら、私たちも名前くらい聞いたことがあるでしょ。誰か聞いたことある?」ルイーズは内部調査部のメンバーを見た。
「聞いたことないなー。」とロイ。
「ないですね。」とミゲル。
他のメンバーも頷いている。
誰も名探偵の名前を聞いたことがないらしい・・・。
思い返せば、俺も聞いたことがない。
でも、ルイーズの名探偵不在説に負ける訳にはいかない。
「確かに素人は名探偵の名前を知らないけど、玄人は知ってるんじゃないかな?」
俺は適当なことを言った。ルイーズに論破されるのが屈辱的だったから。
「そう思うなら、玄人に聞いてみたらいいじゃない。チャールズ(第2王子、内務大臣)にベテラン警察官を紹介してもらえばいい。」とルイーズが言った。
「そう来たか・・・。分かったよ。ベテラン警察官に『名探偵はいるのか?』を確認しよう。」
こうして俺たちのミッションは『名探偵を探せ』にすり替わった。
「そうだ。効率性だ。名探偵が推理していれば事件は瞬殺で解決したはず。」
「かもね。」とルイーズが言った。
「みんなはナンプレって知ってるかな?」
「ナンプレですか?」ミゲルが言った。
「ナンプレは、3×3のグループに区切られた 9×9の正方形の枠内に1~9までの数字を入れるパズルゲームだ。このゲームはいろんなテクニックがあって、テクニックを駆使してどれだけ効率的にパズルを解くことができるかが重要なんだ。」
※ナンプレ(数独)は、3×3のグループに区切られた 9×9の正方形の枠内に1~9までの数字を入れるペンシルパズルの一つである。同様のパズルそのものは1980年代から世界各地のパズル愛好家には知られていた。
出所:Wikipedia
「それで?」とルイーズが言った。
「確かに、ナンプレは非効率的な方法でも解ける。1~9までの数字を全ての枠に試していって、総当たりすれば解けなくはない。でも、時間がもの凄く掛かる。超難問を総当たりで解こうとすると、1~2時間掛かってしまう。」
「へー。」とルイーズが興味なさそうに言った。
「何を言いたいかというと、もっと効率的に解く方法があるにも関わらず、内部調査部は総当たりでナンプレを解こうとしているんだ!」
「だから名探偵を採用したいと?」
「そうだよ。名探偵がいれば、総当たりしなくても事件を解決することができる。」
俺はメンバーを見た。
半分くらいは俺が言いたいことを理解しているようだ。
半分は俺の意図をくみ取ってくれていない。
「名探偵の定義は?」ルイーズが言った。
「推理力が優れている人物かな。」と俺は言った。
「じゃあ、その人物の推理力が優れているかどうかを、どうやって判断するの?」
「それは・・・、推理力を判断するテストをしてだな・・・。」
「だーかーらー。そんなテストを作れるんだったら、問題作成者が名探偵でしょ?」
ルイーズは鋭いところを突いてきた。
名探偵かどうかを判断できるレベルに達しているのであれば、そいつは名探偵と同等の能力を有している。名探偵を雇う必要がない。
俺がルイーズに対する反論を考えていたら、ルイーズが追い打ちを掛けてきた。
「例えばさー、『名探偵募集!』って総務省のウェブサイトで募集するでしょ。総務省の標準給与体系だと安いから、名探偵は来ないよね?」
「来ないね。」
「仮に高い報酬を提示できたとしよう。応募してくる中には高額報酬に惹かれたクズみたいな奴が混ざってる。」
「そうだね。」
「私たちは、応募者がクズかクズじゃないかを判断できないから、クズを採用する可能性がそれなりに高い。」
「クズは口が上手いからな。」
「クズが全然使えなかったらどうする?クビにする?」
「公務員だからクビにできないね。」と俺は静かに答えた。
「どうしても名探偵を採用したかったら、名探偵を引き当てるまでクズを採用し続けないといけない。そして、クズを一度雇ったら解雇できない。つまり、総務省にクズが溜まっていく。」
「クズ溜まりができるね。」
「クズの面倒は誰が見るの?」
「俺?嫌だな・・・。」
「そう思うでしょ?ダニーが言った『名探偵を採用しよう』は『総務省でクズの面倒をみよう』と同じなの。」
俺はルイーズの理詰めに負けそうになっている。
何とか反撃しなければならない。
「じゃあ、業務効率化はどうするの?」と俺は言った。
俺の質問に対してルイーズは質問で返した。
「そもそも論だけど、名探偵はこの世に存在すると思う?」
「え?」
いまそれを議論するのか?
「名探偵はこの世に存在しないと思う。」
ルイーズは名探偵不在説を唱えた。
名探偵の存在を疑うルイーズ。
名探偵の存在を疑わない俺。
まさか、そこで争うとは俺は思っていなかった。
「なぜ名探偵はいないって思うの?」と俺はルイーズに聞いた。
「もしジャービス王国に名探偵がいたら、私たちも名前くらい聞いたことがあるでしょ。誰か聞いたことある?」ルイーズは内部調査部のメンバーを見た。
「聞いたことないなー。」とロイ。
「ないですね。」とミゲル。
他のメンバーも頷いている。
誰も名探偵の名前を聞いたことがないらしい・・・。
思い返せば、俺も聞いたことがない。
でも、ルイーズの名探偵不在説に負ける訳にはいかない。
「確かに素人は名探偵の名前を知らないけど、玄人は知ってるんじゃないかな?」
俺は適当なことを言った。ルイーズに論破されるのが屈辱的だったから。
「そう思うなら、玄人に聞いてみたらいいじゃない。チャールズ(第2王子、内務大臣)にベテラン警察官を紹介してもらえばいい。」とルイーズが言った。
「そう来たか・・・。分かったよ。ベテラン警察官に『名探偵はいるのか?』を確認しよう。」
こうして俺たちのミッションは『名探偵を探せ』にすり替わった。
0
あなたにおすすめの小説
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』
月神世一
SF
【あらすじ】
「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」
坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。
かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。
背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。
目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。
鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。
しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。
部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。
(……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?)
現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。
すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。
精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。
これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる