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僕と猫と米沢牛
牛舎のクマさん
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(17)牛舎のクマさん
翌朝になった。武は牛舎の藁の中で目を覚ますと辺りを調べることにした。しばらくここに隠れる予定だから、地下の施設に何があるかを把握しておく必要がある。
武は牛舎の中に入ったのは小学校の社会科見学以来だが、この牛舎には以前訪問した牛舎とは異なり最新式の設備が設置されていることが武にも分かる。
きっと、シン米沢牛を飼育するためには最新鋭の設備が必要なのだろう。
武が最優先にすべきことは、シン米沢狩りが勤務先の米沢市立第一高校で行われる危険性を父親に知らせることだ。そのためには父親に手紙を書かないといけないが、今の武は紙もペンも持っていない。
しばらく歩くと牛舎の事務所を発見したので、武は中に入った。
武が事務所の中で紙とペンを探していると、奥の部屋から大男がやってきた。小学生からすれば大人の男はみんな大男に見えるのだが、目の前に現れた大男は今まで見た誰よりも大きかった。大男の身長は2メートルを超えているだろう。
大男の服装は軍服だ。軍服の上に防弾ベストを着て、肩から剣銃を下げている。腰にはハンドガンらしきものも確認できる。
テレビで見た傭兵みたいだ。
大男は武を見つけると、大声で言った。
「お前、ここで何してる?」
大声に驚いた武は「別に・・」と反射的に返した。
大男は銃を構えながら武のところにやって来た。
大男が銃口を小学生に向けている。
小学生相手に大人げないと思わないのだろうか?
武はそう思ったが、言葉に出して言うのは躊躇われる。
大男が逆上して撃ち殺されたらシャレにならない。
大男は武の返答(別に・・)を怪しんでいるのだろう。
「別に?お前怪しいな。米沢派のスパイか?」と大男は武に言った。
「ごめんなさい。急にびっくりしたから反射的に言っただけで、僕は米沢派でもスパイでもない。山田武っていう小学生だ。昨日、ナカムラとムハンマドにここに連れてこられたんだ。」と武は大男に弁明した。
「あー、お前か。署長が言ってたガキだな。それで、ここで何してるんだ?」
「手紙を書きたいんだ。紙とペンを探してて・・・」武は恐怖のあまり声を裏返して言った。
「紙とペンはその机の上にある。使っていいぞ。」と大男は言った。
「ありがとう。」
「この時期に手紙なんて。どういう内容だ?まさかシン米沢派の情報をリークしようとしてないよな?」と大男は武に言った。
「違うよ。僕の父さんが米沢市立第一高校で働いてるんだ。シン米沢狩りが始まるかもしれないから、知らせようと思って。」
「そういうことか・・・。それは心配だな。」大男は心配そうに言った。
「おじさんは、シン米沢狩りがいつから始まるか知ってる?」
「おじさんじゃない。俺はまだ25歳だ。だから、おじさんと言うな。」と大男は言った。
小学生からしたら、25歳は十分オジサンだ。
そして、小学生には『何歳からオジサンなのか?』と『何歳までお兄さんなのか?』が分からない。
「ごめん。じゃあ何て呼べばいい?」と武は聞いた。
「シン米沢派のみんなは俺のことを『クマさん』と呼んでいるな。だから、お前もそう呼べ。」
「見た目通りの呼び名なんだ。」
「違う。俺の苗字は熊田だ。だから『クマさん』なの。」
クマさんはそう言うが、『苗字の熊田』と『容姿の熊』の両方からそう呼ばれているのだろう。武はそう理解した。
ただ、今の武にはクマさんの呼び名の由来よりも、今は父親がどれくらい危険な状況なのかを知る必要がある。
翌朝になった。武は牛舎の藁の中で目を覚ますと辺りを調べることにした。しばらくここに隠れる予定だから、地下の施設に何があるかを把握しておく必要がある。
武は牛舎の中に入ったのは小学校の社会科見学以来だが、この牛舎には以前訪問した牛舎とは異なり最新式の設備が設置されていることが武にも分かる。
きっと、シン米沢牛を飼育するためには最新鋭の設備が必要なのだろう。
武が最優先にすべきことは、シン米沢狩りが勤務先の米沢市立第一高校で行われる危険性を父親に知らせることだ。そのためには父親に手紙を書かないといけないが、今の武は紙もペンも持っていない。
しばらく歩くと牛舎の事務所を発見したので、武は中に入った。
武が事務所の中で紙とペンを探していると、奥の部屋から大男がやってきた。小学生からすれば大人の男はみんな大男に見えるのだが、目の前に現れた大男は今まで見た誰よりも大きかった。大男の身長は2メートルを超えているだろう。
大男の服装は軍服だ。軍服の上に防弾ベストを着て、肩から剣銃を下げている。腰にはハンドガンらしきものも確認できる。
テレビで見た傭兵みたいだ。
大男は武を見つけると、大声で言った。
「お前、ここで何してる?」
大声に驚いた武は「別に・・」と反射的に返した。
大男は銃を構えながら武のところにやって来た。
大男が銃口を小学生に向けている。
小学生相手に大人げないと思わないのだろうか?
武はそう思ったが、言葉に出して言うのは躊躇われる。
大男が逆上して撃ち殺されたらシャレにならない。
大男は武の返答(別に・・)を怪しんでいるのだろう。
「別に?お前怪しいな。米沢派のスパイか?」と大男は武に言った。
「ごめんなさい。急にびっくりしたから反射的に言っただけで、僕は米沢派でもスパイでもない。山田武っていう小学生だ。昨日、ナカムラとムハンマドにここに連れてこられたんだ。」と武は大男に弁明した。
「あー、お前か。署長が言ってたガキだな。それで、ここで何してるんだ?」
「手紙を書きたいんだ。紙とペンを探してて・・・」武は恐怖のあまり声を裏返して言った。
「紙とペンはその机の上にある。使っていいぞ。」と大男は言った。
「ありがとう。」
「この時期に手紙なんて。どういう内容だ?まさかシン米沢派の情報をリークしようとしてないよな?」と大男は武に言った。
「違うよ。僕の父さんが米沢市立第一高校で働いてるんだ。シン米沢狩りが始まるかもしれないから、知らせようと思って。」
「そういうことか・・・。それは心配だな。」大男は心配そうに言った。
「おじさんは、シン米沢狩りがいつから始まるか知ってる?」
「おじさんじゃない。俺はまだ25歳だ。だから、おじさんと言うな。」と大男は言った。
小学生からしたら、25歳は十分オジサンだ。
そして、小学生には『何歳からオジサンなのか?』と『何歳までお兄さんなのか?』が分からない。
「ごめん。じゃあ何て呼べばいい?」と武は聞いた。
「シン米沢派のみんなは俺のことを『クマさん』と呼んでいるな。だから、お前もそう呼べ。」
「見た目通りの呼び名なんだ。」
「違う。俺の苗字は熊田だ。だから『クマさん』なの。」
クマさんはそう言うが、『苗字の熊田』と『容姿の熊』の両方からそう呼ばれているのだろう。武はそう理解した。
ただ、今の武にはクマさんの呼び名の由来よりも、今は父親がどれくらい危険な状況なのかを知る必要がある。
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