妻が自称ユーチューバーになった話

kkkkk

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ブレイクスルー

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「『入』が3,000超えたーーー!!」

今日も朝から妻の声が響く我が家。寝起きなのにテンションが高い。
良いことがあった証拠だ。

「ほんまに? 3,000かー、すごいなー」
「そーやろ」
「これでユーチューバーと名乗っても恥ずかしくないなー」

うちの妻は書道動画をYouTubeに公開している。その再生回数が、初めて4桁を突破した。
1,000回でも2,000回でもなく、いきなり3,000回。
だから、朝からご機嫌だ。

今まで100前後の再生回数だったのが、この日から急激に増えた。
理由は単純。『Shorts』だ。

『Shorts』は広告動画を載せられないから収益化が難しいとされている。
でも、私は気にしない。だって、ユーチューバーで生活しようとは全く思っていないから。
再生回数が多くなれば、その分、妻の機嫌が良くなる。
我が家の平和を維持するためには、妻の動画の再生回数は重要だ。


ちなみに、私も妻もYouTubeの『Shorts』機能を知らなかった。
だが、『Shorts』との出会いはいきなりやってきた。

妻が撮った縦長動画(インスタとかに上げるやつ)を試しにYouTubeにアップロードしてみた。すると、アップロードの画面がいつもと違う。入力項目が違うし、ハッシュタグ(#)を入れる箇所がある。

とりあえず、必要事項を入れて動画を公開した。

――なんか、いつもと違うところに出来てきた……

その動画はいつも表示されるところとは別のところに表示されている。それに、URLもちょっと違う。
それが私と『Shorts』の出会いだった。

私はずっと思っていた。

――みんな、時間かけて動画作ってるなーー

そうです。妻にいやいや手伝わされて私は動画編集している。凝った動画を作ろうなんて考えていなかった。

何人かの知人がYouTubeに動画を上げているから、参考に見てみた。
あまり書くのはどうかと思うが、分かり易い例ではこんな動画(タイトル)だ。

『ベトナムのぼったくりはどんな場所でどんな風に行われているのか』
『ベトナムラブホ事情』
『ベトナムのパパ活事情の実態と背景とベトナムの観光業回復が遅れそうという話』

これは本業がベトナム進出支援の会社の社長のYouTubeだ。すごい攻めている。
オジサン向けの動画で5,400人のチャンネル登録者がいる。

まず、タイトルからターゲット層が分かり易い。この動画を見ているのは、エッチなお店に行きたい日本人のオジサン。必ずニーズがある分野だ。

動画の時間は15分くらいだが、それなりに時間を掛けて作っていそうだ。


それに比べて、妻の書道動画は簡単な字幕が表示され、バックグラウンドに音楽が入っているだけ。動画の時間は10秒~30秒。絵や図で解説しているわけでもないし、解説音声もない。非常なシンプルだ。
最近は慣れてきたから1~2分で作れるようになった。でも、それ以上作りこもうとは思っていない。

他のYouTube動画と比較すると、我が家の動画は各段に見劣りする。ゴミ動画だ。
YouTube戦国時代で勝ち残っていくことはできないと思っていた。

そんなとき、他の人の『Shorts』を見てみた。

――うちとレベル感が同じ?

私は気付いたのだ。Shortsはみんな手を抜いていることに。

我が家の書道動画は本戦(YouTubeビデオ)で戦うべきではなく、手を抜いている予選(Shorts)で戦うべきだと。

ビデオとShortsの両方作るのが面倒くさい私は、妻に提案した。

「これからShortsで配信していこか?」
「えー? 広告収入が入ってこーへんやん」
「チャンネル登録者が1,000人超えんかったら、広告収入ゼロやろ?」
「そうか……ちなみに今何人?」
「昨日20人くらい増えたけど、まだ30人くらいかなー」
「Shortsで配信していったらチャンネル登録者が増えるかな?」
「まあ、前よりは増えやすいやろなー」

妻は考えている。何か気に食わないことがあるのだろうか?

「でも、ビデオが無かったら、チャンネル登録者が1,000人超えてから広告収入が入ってこーへんやん」

――あれで稼ぐ気?

私はそう思ったが、喧嘩になるから口には出さない。
妻はビデオを捨てて、Shortsのみを配信することに難色を示している。理由はお金だ。
どうやら、うちの妻はあの動画(ビデオ)のクオリティで金が稼げると思っているらしい……

落としどころは……両方作ること。作業時間は掛るけど、しかたない。

「分かった! ビデオとShortsを両方作ろ」
「そやな。Shortsだけ配信してもユーチューバーとは言わんしな」

ここから、妻と私のYouTubeでの主戦場は予選(Shorts)になった。

***

ちなみに、再生回数が増えることは、単純に喜ばしいことだけではない。悪口が増えるのだ。
どんな悪口が書かれているかは次話で紹介しようと思う。

<続く>
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