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第2章 《煌帝剣戟》煌華学園予選 編
第25話 表彰式と祝勝会
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――煌華学園 第1アリーナ――
『これより《煌帝剣戟》煌華学園代表選手団に対し、本校学園長である竜洞寺 大悟先生より激励の言葉が送られます。』
《煌帝剣戟》煌華学園予選は、俺の試合をもってその幕を閉じた。
しばらくの休憩とセッティングの後、フィールドに台が設置された。今はそこで優勝者の表彰式を行おうとしているところだ。まぁ、優勝者という扱いよりも、《煌帝剣戟》煌華学園代表という扱いに近いけどな。
「アッシュ・ストラード君、
リサ・テルミンさん、
坂宮 涼也君、
城崎 百合さん、
予選優勝おめでとう。この熾烈な試合に勝ち抜いたキミたちなら修帝学園の代表に勝利し、優勝すると信じているよ。
ぜひ《皇王軍》という称号を手にして戻って来て欲しい!
頑張ってくれたまえ!」
会場が観客の拍手で包まれる。こんなにたくさんの人の前で、表彰と激励をされることなんて今まで無かったから―――
「リョーヤ? 顔が強ばってるよ? 大丈夫?」
「な、なかなかに緊張しちゃって……。
試合の前は、自分のことだけ考えてるからそうでもないんだけど……って、ユリこそ身体は大丈夫なのか?」
「大丈夫! リョーヤの試合は観客席では見れなかったけど、その分医務室で安静にしてたから!」
「そうか! ならいいんだ!」
『それでは代表選手団の団長の発表に参ります。
竜洞寺先生、お願いします。』
竜洞寺先生が校旗を持って俺たちの前に立った。
「団長は……アッシュ・ストラード君、キミに任せよう。」
「はい! 煌華学園を代表して、このチームを優勝に導きたいと思います!」
アッシュさんは竜洞寺先生の手から校旗を受け取る。責任・プレッシャー・目標・期待、様々なものをアッシュさんはリーダーとして背負っているのだろう。
俺も来年、もしくは再来年にその立場にもしなったら……その全てを背負うことができるのだろうか……。
『これにて《煌帝剣戟》煌華学園予選の表彰式を終わります。
校外からお越しの方々は帰りの交通機関が混み合うと予想されます。気をつけてお帰りください。』
――煌華学園 食堂――
「みんな、準備はいいかな?
それでは、リョーヤとユリの代表決定を祝して、乾杯!」
「「乾杯!!」」
「またすごい人数だな……。」
どうやらアラムが食堂の一角を貸し切っていたようだ。風船や花紙で作った花、さらにはリースなどが飾ってあった。理由はもちろん―――
「私たちの……祝勝会?」
「……予選のだけど。」
「でも嬉しいよ! クラスのみんなもいるとは思ってなかったけど……。」
ユリの言う通り、1年武術A組の全員がこの場に来ていた。
「おい坂宮!」
声のした方を見ると、入学初日に俺と決闘試合をしたベルハルトがいた。
「お、おう?」
「テメェ、あの時俺に勝ったんだから、本戦でも負けんじゃねーぞ?
分かったか!?」
「………ぷっ」
「な、何がおかしいんだよ?」
「いや、ベルハルトがそんなことを言いに来たって思うとね。」
笑いながらそう言うと、ベルハルトは気恥ずかしそうに頭を掻いた。
「う、うるせぇ。黙ってこれでも食ってろ。俺のおごりだ。」
「お、スペシャルメニューのバジルソース付きペペロンチーノピザじゃん。サンキュー!
ユリ、一緒に―――」
「えっと……じゅ、順番に並んで……えっと……えっと……うぅー」
……囲まれている。サインやら写真やらを求めて集まった生徒に囲まれている……。
「写真おねしゃす!」
「ゆりちゃーん! サインちょうだい!」
「ねぇねぇ! フェニックス出してみせてよ!」
いやいや、ここでフェニックス出してもメニューに焼き鳥は追加されないから止めとけ……って言うとスベりそうだから言わないでおこう。
「俺のサインとかは要らないのか?」
「クラスのアイドルであるユリさんのサインとチェキの方が市場価値があると思うね。」
メガネを掛けた細身の男子が答えた。市場価値って……売るつもりなのかよ?
「あ、アイドルだなんて……~~~っ!」
ユリはユリで何照れてんだよ!? 市場価値に突っ込めよ!?
「良いじゃないか! リョーヤのサインもコアなファンに高く売りつけることができるかもだよ?」
「アラム……それは俺のサインの市場価値についてフォローしたのか?」
「とんでもない! 僕はキミのサインもユリに劣ることのない、極めて価値のあるものだと言っただけだよ!」
「コアなファンにとっては、だろ?」
アラムは「何の話?」と言ってとぼけてしまった。ま、いっか。結局ユリばかりサインやら写真やらを求められていることには変わりないんだから。
……泣きたい!
――煌華学園 学生寮――
「もちろんテレビで見ていたわ。おめでとう涼也。」
「ありがとう母さん。《煌帝剣戟》見に来てくれよ!」
「もちろん! それじゃあ、お父さんにも伝えておくわね!
今日は本当にお疲れ様、ゆっくり休んでね?」
「そうするよ。おやすみ母さん。」
母さんとの通話を切り、ベッドに横になった。
あの試合で真技を3回発動した影響は予想よりも軽かった。人によっては全身に倦怠感と筋肉痛、そして脱水症状によって1日中動けないなんてこともあるらしい。
が、俺の場合はラーメン2杯とピザ半分、そして牛丼大盛りを食べてようやく満足するほどの食欲と筋肉痛だけで済んだ。きっと普段の練習の成果と能力の才能のお陰だろう。
「アキにもメールしておこう。」
『優勝しました。本戦には応援に来てくれよ!』と送り、携帯を机に置いた。と、そばにサマーキャンプのパンフレットが置いてあるのが目に入った。手に取り中を見てみる。
「日本は……東京と京都か。オーストラリアは……シドニーとメルボルンか。」
英語には自信ないからな……日本にしようかな。ユリたちはどうするのか、そのうち訊いておこう。
時計を見ると既に23時を過ぎていた。携帯にはまだアキからの返事は来ていないようだ。もう寝ようかな。流石に色々と疲れた。
「おやすみ」
自身に対してそう言うと電気を消し、毛布を被った。
こうして長かった《煌帝剣戟》煌華学園予選は、無事に終了した。
『これより《煌帝剣戟》煌華学園代表選手団に対し、本校学園長である竜洞寺 大悟先生より激励の言葉が送られます。』
《煌帝剣戟》煌華学園予選は、俺の試合をもってその幕を閉じた。
しばらくの休憩とセッティングの後、フィールドに台が設置された。今はそこで優勝者の表彰式を行おうとしているところだ。まぁ、優勝者という扱いよりも、《煌帝剣戟》煌華学園代表という扱いに近いけどな。
「アッシュ・ストラード君、
リサ・テルミンさん、
坂宮 涼也君、
城崎 百合さん、
予選優勝おめでとう。この熾烈な試合に勝ち抜いたキミたちなら修帝学園の代表に勝利し、優勝すると信じているよ。
ぜひ《皇王軍》という称号を手にして戻って来て欲しい!
頑張ってくれたまえ!」
会場が観客の拍手で包まれる。こんなにたくさんの人の前で、表彰と激励をされることなんて今まで無かったから―――
「リョーヤ? 顔が強ばってるよ? 大丈夫?」
「な、なかなかに緊張しちゃって……。
試合の前は、自分のことだけ考えてるからそうでもないんだけど……って、ユリこそ身体は大丈夫なのか?」
「大丈夫! リョーヤの試合は観客席では見れなかったけど、その分医務室で安静にしてたから!」
「そうか! ならいいんだ!」
『それでは代表選手団の団長の発表に参ります。
竜洞寺先生、お願いします。』
竜洞寺先生が校旗を持って俺たちの前に立った。
「団長は……アッシュ・ストラード君、キミに任せよう。」
「はい! 煌華学園を代表して、このチームを優勝に導きたいと思います!」
アッシュさんは竜洞寺先生の手から校旗を受け取る。責任・プレッシャー・目標・期待、様々なものをアッシュさんはリーダーとして背負っているのだろう。
俺も来年、もしくは再来年にその立場にもしなったら……その全てを背負うことができるのだろうか……。
『これにて《煌帝剣戟》煌華学園予選の表彰式を終わります。
校外からお越しの方々は帰りの交通機関が混み合うと予想されます。気をつけてお帰りください。』
――煌華学園 食堂――
「みんな、準備はいいかな?
それでは、リョーヤとユリの代表決定を祝して、乾杯!」
「「乾杯!!」」
「またすごい人数だな……。」
どうやらアラムが食堂の一角を貸し切っていたようだ。風船や花紙で作った花、さらにはリースなどが飾ってあった。理由はもちろん―――
「私たちの……祝勝会?」
「……予選のだけど。」
「でも嬉しいよ! クラスのみんなもいるとは思ってなかったけど……。」
ユリの言う通り、1年武術A組の全員がこの場に来ていた。
「おい坂宮!」
声のした方を見ると、入学初日に俺と決闘試合をしたベルハルトがいた。
「お、おう?」
「テメェ、あの時俺に勝ったんだから、本戦でも負けんじゃねーぞ?
分かったか!?」
「………ぷっ」
「な、何がおかしいんだよ?」
「いや、ベルハルトがそんなことを言いに来たって思うとね。」
笑いながらそう言うと、ベルハルトは気恥ずかしそうに頭を掻いた。
「う、うるせぇ。黙ってこれでも食ってろ。俺のおごりだ。」
「お、スペシャルメニューのバジルソース付きペペロンチーノピザじゃん。サンキュー!
ユリ、一緒に―――」
「えっと……じゅ、順番に並んで……えっと……えっと……うぅー」
……囲まれている。サインやら写真やらを求めて集まった生徒に囲まれている……。
「写真おねしゃす!」
「ゆりちゃーん! サインちょうだい!」
「ねぇねぇ! フェニックス出してみせてよ!」
いやいや、ここでフェニックス出してもメニューに焼き鳥は追加されないから止めとけ……って言うとスベりそうだから言わないでおこう。
「俺のサインとかは要らないのか?」
「クラスのアイドルであるユリさんのサインとチェキの方が市場価値があると思うね。」
メガネを掛けた細身の男子が答えた。市場価値って……売るつもりなのかよ?
「あ、アイドルだなんて……~~~っ!」
ユリはユリで何照れてんだよ!? 市場価値に突っ込めよ!?
「良いじゃないか! リョーヤのサインもコアなファンに高く売りつけることができるかもだよ?」
「アラム……それは俺のサインの市場価値についてフォローしたのか?」
「とんでもない! 僕はキミのサインもユリに劣ることのない、極めて価値のあるものだと言っただけだよ!」
「コアなファンにとっては、だろ?」
アラムは「何の話?」と言ってとぼけてしまった。ま、いっか。結局ユリばかりサインやら写真やらを求められていることには変わりないんだから。
……泣きたい!
――煌華学園 学生寮――
「もちろんテレビで見ていたわ。おめでとう涼也。」
「ありがとう母さん。《煌帝剣戟》見に来てくれよ!」
「もちろん! それじゃあ、お父さんにも伝えておくわね!
今日は本当にお疲れ様、ゆっくり休んでね?」
「そうするよ。おやすみ母さん。」
母さんとの通話を切り、ベッドに横になった。
あの試合で真技を3回発動した影響は予想よりも軽かった。人によっては全身に倦怠感と筋肉痛、そして脱水症状によって1日中動けないなんてこともあるらしい。
が、俺の場合はラーメン2杯とピザ半分、そして牛丼大盛りを食べてようやく満足するほどの食欲と筋肉痛だけで済んだ。きっと普段の練習の成果と能力の才能のお陰だろう。
「アキにもメールしておこう。」
『優勝しました。本戦には応援に来てくれよ!』と送り、携帯を机に置いた。と、そばにサマーキャンプのパンフレットが置いてあるのが目に入った。手に取り中を見てみる。
「日本は……東京と京都か。オーストラリアは……シドニーとメルボルンか。」
英語には自信ないからな……日本にしようかな。ユリたちはどうするのか、そのうち訊いておこう。
時計を見ると既に23時を過ぎていた。携帯にはまだアキからの返事は来ていないようだ。もう寝ようかな。流石に色々と疲れた。
「おやすみ」
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