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幕間 夢の続き

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『なぜ私達を造ったのですか?』

 その言葉を放っているのはきっとお姫様で、これが夢だとその瞬間理解する。理解できた理由など分かりはしない、なんとなくだ。

『……お前たちを造ったのは気の迷いだ』

 聞き覚えのない声がする。ただその視点が少女の見ている夢の視点だ。夢だから分かること。少女自身にそんな記憶はない。確信している一方でどうしてこのような
夢を見ているのか理解も出来ていない。戸惑いながらも夢の奔流に逆らわず流されることしかできない。

『後悔してらっしゃるのでしょうか。私達が創造主様の望む通りに生まれてこなかったばっかりに』

 お姫様は落ち込んでいるように見える。目尻は垂れ下がり、口はきつく閉じている。ああ。きっと寂しいのだ。少女はそう思った。

 造られたのに、気の迷いと告げられ。生まれてきた意味を与えられなかった。その絶望を少女は想像することも出来ない。

『ああ。違うのだよ。間違っていたのは私の方だ。いくら姿をそっくりに作ろうが、記憶を埋め込もうが、お前たちはあの子にはなり得ない。それは分かっていたはずなのにな。せめてお前たちには役目を与えよう。せめて。せめてあの子が愛したこの世界を壊さないでくれ。それだけがあの子が生きた証だ』

 創造主と呼ばれた者の声が続ける。それがお姫様とお医者さんの言っていた創造主の願いであることは間違いない。それがお姫様たちを縛り続けている。自分たちが造られた意味としてだ。

 だからと言ってお姫様たちがやっていることに意味があるのだろうか。これまで失われていったアンドロイドたちに意味はあるのだろうか。それともそんなものを求めること自体が間違ったことなのだろうか。

 気の迷いで造られてしまったアンドロイドに意味なんてないのかもしれない。

 夢はそのままフェードアウトしていった。

 
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