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18 うざいロリ
しおりを挟む羽のように軽い。
そんな言葉をキザったらしく吐く男は、ただやせ我慢しているだけだ。そう今まで思っていた。
「本当に軽い。」
「だから言ったじゃない!何?私が嘘でもついていると思っていたの?あんた、私を嘘つき呼ばわりするなんて、どうかしているわ。」
俺の腕に抱えられている女は、唇を尖らせて抗議する。うるさい。
「大丈夫?ここまで軽いと、栄養失調を疑うレベルだよ?」
「失礼ね!私が貧乏人だとでも?あんたより何倍もお金持ちの、魔力持ちの、美貌もちなんだからね!」
金と魔力は知らないが、確かに今の俺に比べれば整った顔をしている。強気な目さえなければ、愛らしい顔立ちだ。ロリっぽい。ツインテールだし。いや、ツインテールがロリっていうのは、偏見か?
そんな小うるさいロリを宿まで送ることにした。
「って、俺と同じ宿かよ。」
「何?あんたもここなの?貧乏人が無理しちゃって・・・借金で首が回らなくなっても知らないわよ。」
「借金なんてしてないよ。もういいかな?おろすよ。」
「やだ。お腹減った。」
「はい?」
「聞こえなかったの?お腹がすいたと言っているの。ここで食べましょう。私はリゾットが食べたいわ。」
俺は、そのままロリをおろそうとしたが、ロリは俺の首にしがみついて離れない。どういう状況だよ。
「ほら、そこの席空いてるでしょ。そこに座りましょ。一緒に食べてあげるわ。」
一階は、レストランになっているので、そのままここで食事をする流れはわかるが、一人で食べてくれ。俺を巻き込むな。
「僕は遠慮しておくよ。」
ロリを席に運び、俺はそのまま2階に上がることにした。まだ飯は食っていないが、このロリと一緒に食べる気はない。
「待ちなさいよ。私が一緒に食べてあげると言っているの。食べなさいよ。」
「・・・」
さっきから思っていたが、このロリはなんだ?女王様か何かか?おそらく貴族なんだろうが、あまりに態度がひどすぎる。
助けなければよかった。本当に。
てか、助けたのに、お礼ひとつ言われてない気がするぞ・・・
「聞いているの?あんたね、そんな情けない顔をしているんだから、愛想くらい良くできないの?モテないわよ。」
大きなお世話だ。誰か、誰でもいいから・・・こいつの口をふさいでくれ。これ以上は我慢がならない。
「なんじゃ、お主ら。まだ飯も食っていなかったのか。」
背後から掛けられた声は、少し懐かしいものだった。たった数日会わなかっただけなのに、おかしな話だ。
「ロジ・・・知り合いか?」
「ねー!聞いてよ!この子サイテーよ!」
おい、誰が最低だ!?
「なんじゃ一体。とりあえず、酒でも貰おう。話はそれからじゃ。」
酒と夕飯が来たところで、ロリは話し始めた。ちなみに、飯がくる間は自己紹介をしていたのだが、ロリの名前は長くてよくわからなかった。ま、呼ぶこともないだろうしいいだろう。
それから、ロリは精霊らしい。泉の女と同じ精霊だが、こちらは全然精霊っぽさがないな。いや、あっちも見掛け倒しだったから、こういう者なのかもしれない。あまり、人間と変わりがないように見える。
そして、本題に入った。
「この子、私を金貨5枚で買ったのよ!?信じられないよね!」
「おいっ!?」
ロリの声は、そこまで大きくないが高い声で、聞き取りやすい。てか、目立つ。今も何人かがこちらを見ていた。
「ほう。お主はこのようなおなごが趣味じゃったのか。ワシとは趣味が合いそうにないの。」
「全く趣味じゃない。俺は、胸が大きい方がいい。こいつは胸がないから、正直どうでもいい。あと、うるさいのは嫌いだ。」
「な、何よ!いきなり人のことを悪く言って、サイテーね!だいたい、胸胸胸って、女性を胸でしか見れないなんて、サイテーよ!」
「お前だって、どうせ男の顔しか見てないんだろ?」
「は?・・・顔以外に見るところなんて、ないでしょ?」
「うわー・・・」
最悪だな。こんな女とは絶対お近づきになりたくない。
「これこれ、喧嘩はよさんか。姫も冗談はほどほどにせい。」
「はーい。」
「本当に冗談なのか?本気だろ。」
「はぁ?まさか、本気で顔しか見てないとでも?顔なんてね、私にとってはどうでもいいわ。だって、私が美しければどうでもいいの。」
「え?美しい?」
整っているとは言ったが、美しいとは言っていない。可愛い顔はしているが、美しいとは思わない。
「何?文句ある?平凡顔さん。」
「やっぱり顔しか見ていないじゃねーか。」
「それはあんたでしょ。」
その言葉に少し動揺するが、俺は気にしないようにして、目の前の飯を食うことにした。冷める前に食ってしまおう。
「それで、なぜこんなにも空気が悪くなったのじゃ?」
「だから、私を金貨5枚で買ったからよ!」
「買ってない!あれは、助けようとしただけだ!」
「金貨5枚・・・馬鹿にしているわ。そんなはした金じゃ、食事に行ってあげるのがせいぜいよ。」
「聞けよ!」
「落ち着くんじゃ。」
「あ、ここの代金は、もちろんあんた持ちだから。」
「いい加減にしろよ!このクソロリがっ!」
「落ち着けつ!」
この3人では、静かな食事は楽しめないだろう。俺は、2度とこのロリと飯は食わないと誓った。
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