ソーセージで世界を救う!?

製作する黒猫

文字の大きさ
5 / 13

ソーセージを片手に、出発

しおりを挟む


 夏休みまで残り1か月もないので、俺は魔王城へ向かうため、町を出た。

 メンバーはもちろん、俺とポメラの2人だ。俺は、ソーセージと革の胸当てを装備して、剣士風の格好だ。ポメラもなぜか剣を背負っているが、着ているものはローブで、魔法使い風だ。実際、俺もポメラも護身程度には剣をつかえるし、簡単な魔法も使うことができる。



「ポメラは剣より魔法の方が得意だったよな?その剣は邪魔じゃないか?」

「なら、あんたが持ちなさいよ。あんたの装備がソーセージだから・・・そんな装備、盗賊に襲ってくださいって言ってるものだわ。だから、私が剣を持っているのよ。」

「お前、相棒を馬鹿にするな!いいか、このソーセージはすごいんだぞ!食べられるんぞ!」

「それは・・・普通よ。ソーセージは食べ物ですもの。」

「いや。俺は知っている。世の中には、食べられないソーセージもあるんだ。そう、ブルーソーセージ・・・悲劇の発明だ。」

「何言ってんのよ。アホなこと言ってないで、少しは周りを警戒してくれる?ここら辺出るらしいから。」

「盗賊か?確かに、こんだけ暗いと闇に紛れて襲い掛かってきそうだな。」

 俺たちが今通っている場所は森の細道だ。昼間だというのに、背の高い木のせいか、辺りは薄暗くて気味が悪い。



「盗賊なら私が焼き殺すけど、違うのよ。ここら辺は、幽霊が出るらしくって。」

「焼き殺す!?それはやめないか。友達が人を焼き殺すところなんて見たくねーよ。焼くならソーセージにしてくれ、いい匂いだし。それで、幽霊って、魔物か?剣で倒せないのか?」

「幽霊は幽霊よ。死んだ人間の魂的な何かよ。魔物ではないと思うわ。」

「・・・悪いなポメラ。俺は、そういう非科学的なものは信じないんだ。盗賊の方を警戒するよ。」

「魔法を使うくせに、何言ってるわけ。」

「お前こそ何を言っているのか。魔法は、科学だぞ?」

「魔法はファンタジーよ。むしろ、ファンタジーの代表と言ってもいいわ。」

「魔法なんて、魔力というエネルギーを変換させて、様々な現象を起こしているだけだ。ほら、科学だろ。」

「そういわれてみれば・・・て、騙されないわよ。もうこの話はいいわ。どれだけ主張したって、お互い一歩も引かない者同士ですもの、無駄だわ。」

「同感だな。ま、俺にとって魔法も科学も変わらないってことだ。だって、科学とかさっぱりなわけだし。蒸気機関車の仕組みとかわけわかんねーし。」

「そうね、私もわからないわ!でも、それでいいと思うわ。だって、仕組みが分からなくたって、蒸気機関車は利用できるもの!」

「だよな!」

 俺たちは満足げに微笑んで、先に進んだ。





 盗賊にも幽霊にも襲われることなく、今日の目的地である村に到着した。

 すでに日が暮れていて、泊まる場所を急いで探さなければと、速足でそれらしき建物に入った。それほど急ぐ必要はなかったかもしれないが、初日ということもあり不安だったのだ。



「よかったわね、部屋が空いていて。」

 夕食を宿の食堂でとって、俺たちは用意された部屋に入った。



「あぁ。せっかく村に来たって泊まれなければ野宿だからな。本当に良かった。」

「・・・ねぇ、なめてるの?」

「いや、だって・・・この部屋しか空いてなかったんだよ。」

 少し狭い部屋に不釣り合いな大きなベッド。ダブルベッドというやつが、俺たちの前に鎮座している。



「別に文句はないわ。ただ、あんたが馬小屋で寝てくれればね。」

「俺は馬じゃないんでね。それに、この宿に馬小屋はないぞ。」

「村の入り口の民家にあったわ。今から頼んできたらどうかしら?」

「嫌だ。あのな、わがまま言うなよ。どうせこれから野宿したりする時には、そばで寝ることになるんだ。別にいいだろ?」

「あんた、私を何だと思っているの?」

「町一番のお金持ちのお嬢様。」

「・・・否定はしないけど、そう、お嬢様ってことは、私は女の子なのよ?それで、あんたも女の子なの?」

「お前、俺が女に見えるのか?よし、いいもの見せてやるからちょっと来い。」

「嫌に決まってるでしょ。だいたいあんたが男なのは分かっているのよ。つまり、そういうことなの。年頃の男女が一つ屋根の下にいるのはよろしくないのよ。」

「なら、同じ宿にも泊まれないな。」

「屁理屈を言わないの。ほら、出ていって。」

「・・・せめて、床に・・・」

「いいわよ。」

「やっぱダメか・・・って、いいのか!?」

「ただし、ベッドに一歩でも踏み込んできたら・・・つぶすわ。」

「ごくっ・・・何をかは聞かないぞ。」

 少々もめたが、最後は同じ部屋で寝ることになった。

 本当はふかふかのベッドで寝たかったが、さすがに一緒に寝るわけにもいかないし、つぶされたくはない。



 固い床に寝ころべば、寝つきがいいポメラの寝息がもう聞こえてきた。いくらなんでも早すぎだ。俺を試しているのか?寝込みにベッドへと侵入すると思っているのだろうか?







 そっとベッドをのぞいてみると、こちらに背を向けているポメラがいた。ここからだと起きているのかどうかはわからないが、おそらく寝ているのではないかと思う。



「信用されていると喜べばいいのか、警戒心がないさ過ぎると叱ればいいのかわからないな。だが、喜んでおこう。部屋を追い出されても嫌だからな。」

 俺はそのまま床に横になって、身体が痛くなりそうだとため息をついて眠った。



しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

俺の伯爵家大掃除

satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。 弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると… というお話です。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

処理中です...