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過保護1
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王宮内はまだ荒れているけど、フェリシアン様は立ち直ったらしい。聖女様は周囲の悪意に怯えて今も部屋の中で過ごしているみたいだけど、フェリシアン様が護るからきっと大丈夫だとオーバン様は語る。
「聖女様を愛していると、殿下は断言しました。瞳に、強い意志を宿して」
「フェリシアン様らしいですね。ダメな王子様だったら全て聖女様のせいにして捨てるのに」
「そこまで愚かではなかった、ということですね」
聖女様がどんな人なのか、僕は分からない。紹介された時に一度会っただけだから。でも、フェリシアン様が聖女様を変わらず愛しているのだから、悪い人ではない筈だ。僕に対して敵意を向けていると聞いているから、会いたいとは思わないけど。
「少しだけ、安心しました」
「本当にクウは優しいですね。自分を苦しめた元凶達の心配をするのですから」
「悪いのは神官長達だけで、二人は利用されていただけです。でも、関わるのは絶対に嫌です」
オーバン様の胸の中に飛び込んで、本当の気持ちを伝える。僕よりも神官長達の話を信じて距離を置いたフェリシアン様と、僕を悪者だと決め付けて断罪しようと企んでいた聖女様。真実を知って改心したとしても、僕はもう関わりたくない。会いたくない。謝罪もいらない。フェリシアン様は改心したと聞いたけど、聖女様はまだ納得していなくて僕のことを恨んでいる可能性がある。迷惑な話だと思う。二人の邪魔をした覚えはないし、断罪したいとも思わない。僕は、オーバン様と幸せになれたらそれでいい。
「今日は素直に甘えてくれるんですね。クウ」
「迷惑、でしたか?」
「いいえ。むしろご褒美です。最愛の人がこうして私を頼って、全身で甘えてくれるんですから」
「ん」
ぎゅう、と抱きしめられて唇を塞がれる。オーバン様の温もりに包まれて、彼に愛されているんだと思うだけで心が幸せでいっぱいになる。優しい口付けを受け入れて、自分から口を開けてオーバン様の舌に自分のを絡ませる。
「ク、クウ!? ど、どこでそんなことを覚えたんですか!?」
急に口を離されて両肩を掴まれる。オーバン様は顔を真っ赤にして僕に問い詰める。僕はただ、何時もオーバン様がしていることを真似しただけなのに。僕から求めたら、喜んでくれると思ったんだけど、ダメだったのかな?
「ダメ、でしたか? オーバン様に喜んでほしくて、僕から求めてみたんですけど」
ぅう。自分で言ったら恥ずかしくなってきちゃった。怖くてオーバン様の顔を見れない。積極的なのは嫌い、だったのかな? 失敗したな。オーバン様を喜ばせたかったのに。
「ボーモン。どうしましょう。クウが、クウが可愛すぎて、天使すぎて胸が痛い! なんなんですか!? この子は!? どうしてこんなに可愛いんですか!?」
「落ち着いてください。オーバン様。クウ様が可愛いのは最初からです」
「ぇえ!?」
「それはそうだが、更に可愛くなった気がするのは私だけですか!?」
「愛されている証拠です。良かったですね。オーバン様」
ぎゅうぎゅう抱きしめられて身動きが取れない。嬉しいけど、オーバン様もボーモンさんも大袈裟じゃないかな? 僕の顔立ちは平凡だし、体つきだってどちらかと言うと貧弱だし、何か特技がある訳でもないのに。
「クウ、クウ。もう、我慢できません」
「オーバン様。僕も……」
早く、オーバン様がほしい。沢山触ってほしい。さっきのキスだけで僕は感じてしまって、焦らされている状態だ。オーバン様に愛されたい。
「愛し合うのは、お風呂と食事を済ませてからにしてくださいね」
ボーモンさんに言われて、僕とオーバン様は同時に顔を真っ赤にして「はい」と答えた。そ、そうだ。ボーモンさんがまだ部屋に居たんだった。ぅう。は、恥ずかしい。
「聖女様を愛していると、殿下は断言しました。瞳に、強い意志を宿して」
「フェリシアン様らしいですね。ダメな王子様だったら全て聖女様のせいにして捨てるのに」
「そこまで愚かではなかった、ということですね」
聖女様がどんな人なのか、僕は分からない。紹介された時に一度会っただけだから。でも、フェリシアン様が聖女様を変わらず愛しているのだから、悪い人ではない筈だ。僕に対して敵意を向けていると聞いているから、会いたいとは思わないけど。
「少しだけ、安心しました」
「本当にクウは優しいですね。自分を苦しめた元凶達の心配をするのですから」
「悪いのは神官長達だけで、二人は利用されていただけです。でも、関わるのは絶対に嫌です」
オーバン様の胸の中に飛び込んで、本当の気持ちを伝える。僕よりも神官長達の話を信じて距離を置いたフェリシアン様と、僕を悪者だと決め付けて断罪しようと企んでいた聖女様。真実を知って改心したとしても、僕はもう関わりたくない。会いたくない。謝罪もいらない。フェリシアン様は改心したと聞いたけど、聖女様はまだ納得していなくて僕のことを恨んでいる可能性がある。迷惑な話だと思う。二人の邪魔をした覚えはないし、断罪したいとも思わない。僕は、オーバン様と幸せになれたらそれでいい。
「今日は素直に甘えてくれるんですね。クウ」
「迷惑、でしたか?」
「いいえ。むしろご褒美です。最愛の人がこうして私を頼って、全身で甘えてくれるんですから」
「ん」
ぎゅう、と抱きしめられて唇を塞がれる。オーバン様の温もりに包まれて、彼に愛されているんだと思うだけで心が幸せでいっぱいになる。優しい口付けを受け入れて、自分から口を開けてオーバン様の舌に自分のを絡ませる。
「ク、クウ!? ど、どこでそんなことを覚えたんですか!?」
急に口を離されて両肩を掴まれる。オーバン様は顔を真っ赤にして僕に問い詰める。僕はただ、何時もオーバン様がしていることを真似しただけなのに。僕から求めたら、喜んでくれると思ったんだけど、ダメだったのかな?
「ダメ、でしたか? オーバン様に喜んでほしくて、僕から求めてみたんですけど」
ぅう。自分で言ったら恥ずかしくなってきちゃった。怖くてオーバン様の顔を見れない。積極的なのは嫌い、だったのかな? 失敗したな。オーバン様を喜ばせたかったのに。
「ボーモン。どうしましょう。クウが、クウが可愛すぎて、天使すぎて胸が痛い! なんなんですか!? この子は!? どうしてこんなに可愛いんですか!?」
「落ち着いてください。オーバン様。クウ様が可愛いのは最初からです」
「ぇえ!?」
「それはそうだが、更に可愛くなった気がするのは私だけですか!?」
「愛されている証拠です。良かったですね。オーバン様」
ぎゅうぎゅう抱きしめられて身動きが取れない。嬉しいけど、オーバン様もボーモンさんも大袈裟じゃないかな? 僕の顔立ちは平凡だし、体つきだってどちらかと言うと貧弱だし、何か特技がある訳でもないのに。
「クウ、クウ。もう、我慢できません」
「オーバン様。僕も……」
早く、オーバン様がほしい。沢山触ってほしい。さっきのキスだけで僕は感じてしまって、焦らされている状態だ。オーバン様に愛されたい。
「愛し合うのは、お風呂と食事を済ませてからにしてくださいね」
ボーモンさんに言われて、僕とオーバン様は同時に顔を真っ赤にして「はい」と答えた。そ、そうだ。ボーモンさんがまだ部屋に居たんだった。ぅう。は、恥ずかしい。
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