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本編
化身と伴侶3
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七瀬時雨。青い髪と瞳を持つ彼は、前世でも今世でも氷雨が最も信頼する部下だ。前世では悪鬼討伐部隊の副隊長を務め、今世では氷雨の右腕として活躍している。端正な顔立ちで物腰柔らかく、経営や法律にも詳しい。時雨は氷雨と同じく化身であり、彼を寵愛するのは水を司る龍。時雨にも愛する伴侶が何処かに居る筈なのだが、まだ見付けられていない。
「先生が来たみたいですね」
「そうだな。離央くん、先生を迎えに行ってくるから、少しだけ時雨と待っていてくれるかな?」
「はい」
時雨が今日氷雨の家を訪れたのは、離央の担任の先生がお見舞いに来るからだ。先生はとても優しい人のようで、離央は先生が来ると聞いて少しだけ嬉しそうにしていた。
「こ、こんにちは。せんせい」
「こんにちは。三上くん。風邪は大丈夫ですか?」
「はい」
「先生、どうぞ座って待っていてください。お茶を用意してきますので」
「そ、そんな。お気遣いなく! 三上くんの元気な姿を見たらすぐ帰りますから!」
「そう仰らずに。私も先生にお聞きしたいことがありますから」
「貴方は?」
「初めまして。七瀬時雨と言います。峯滝さんの部下で、弁護士もしています」
「は、初めまして。三上くんの担任、霧島幸平です」
時雨と霧島が軽く自己紹介を済ませたところで、氷雨がお茶とお茶菓子を机に置いて話の本題に入る。離央が風邪で倒れたことを学校に連絡したのは氷雨だった。病院の先生に診てもらい、両親にも連絡を入れたが迎えに来る気配がなく、氷雨が離央を一時保護することになったと。最初は霧島も不審に思ったが、氷雨は自分の電話番号と住所を教え、毎日朝と夕方に離央の体調につて事細かに報告してくれた。その為、霧島も氷雨に離央を任せても大丈夫だと判断したのだ。
「お忙しい中、お越しいただきありがとうございます。霧島先生」
「こちらこそ、ありがとうございます。三上くんの元気な姿をこの目で確認できて、とても安心しました」
そう言って、霧島は鞄の中から数冊のノートと紙束を取り出し、離央の前にそっと置いた。
「せんせい、これは?」
「今週の授業内容をまとめたノートとプリントです。ゆっくりでいいので、確認してくださいね」
「あ、ありがとう、ございます。せんせい」
「分からないことがあれば何時でも先生に聞いてください」
「はい」
「それと、これは三上くんのお友達からです」
自分の端末を離央に渡し、霧島が動画の再生ボタンをタップする。すると、教室の中が映し出され、黒板の前にやんちゃそうな男の子が「もう始まってる? 撮影されてる?」と確認した後、こほんと大きく咳払いをして口を開いた。
『三上! 風邪は大丈夫か? 早く元気になって学校に来いよ! みんな待ってるからさ!』
男の子がニカッと笑うと、彼の顔を強引に押し退けて可愛らしい女の子が中央に立ち、両手を振って優しく微笑んだ。
『三上くん、新しいお家はどう? 保護してくれた人は優しい? みんな心配してるから、来週学校に来たら教えてね!』
『おい! 宮下! てめえ、今、俺を押し退けただろ!』
『うっさいわね! 藤崎は黙ってて! まだ三上くんに言いたいことがあるんだから!』
『俺だってあるのに!』
二人が揉め始め、霧島が「二人とも落ち着きなさい。この姿も三上くんが見るんだよ?」と注意したら大人しくなった。
『三上、また一緒に遊ぼうぜ!』
『三上くん、早く元気な姿を見せてね!』
そこで動画は終わった。霧島は端末を仕舞うと「申し訳ありません。とてもいい子達なんですが、この二人は何時もこの調子で」と謝罪する。氷雨と時雨には子ども同士の可愛らしい戯れに見える。とても微笑ましくて、我慢できずに吹き出してしまった。
「すみません。お友達思いの、優しい生徒さん達ですね」
「はい。私の、自慢の生徒です」
動画に登場した宮下と呼ばれた女の子と藤崎と呼ばれた男の子は、クラスのリーダー的存在で何時も離央のことを気にしていた。今回も、物凄く心配して何度も何度も霧島に聞いて来たそうだ。保護した人は本当に大丈夫なの? とか、信頼できる人なの? とか。
「せんせい。ぼく、らいしゅうからがっこうへいきます」
「そっか。待っているよ。無理せず、今はゆっくり休んでください」
「はい」
「離央くん。俺はもう少しだけ先生とお話があるから、先に休んでて」
「……ぼく、ここにいちゃだめですか?」
「体が冷えてしまって風邪がぶり返したら大変です。私が傍に居ますから、ね?」
「わかりました」
氷雨と離れたくないのか、離央は退室する時もずっと氷雨を見つめていた。時雨に手を引かれて自室に戻る姿に胸が苦しくなるが、ここから先の話は離央に聞かせたくない内容だ。霧島と二人きりになった氷雨は時雨が持って来てくれた書類一式を机に並べ、真剣な表情のまま口を開いた。
「霧島先生。離央くんは私が引き取ります。彼をご両親に帰す訳にはいきません。このままあの子を帰したら……」
「三上くんの命が失われるかもしれない、ですよね?」
霧島は驚くことなく、氷雨の目を見据え冷静に答えた。
峯滝さんに見せようか迷っていたのですが、と口にした後、霧島は一枚の原稿用紙を机に置いた。それは自分の名前の由来についての作文だった。
「どこの学校でも授業の一環として出される課題なのですが、三上くんの名前の由来を知れば、彼の家庭環境がどれだけ深刻なのかご理解いただけるかと」
「分かりました」
離央が書いたであろう原稿用紙を手に取り、氷雨は静かに読み進めていく。短い文章の為、数分で読み終えたが、その内容はかなり問題がった。読んでいる方も胸が苦しくなり、離央の両親への怒りが込み上げてくる。
「『自分から早く離れてほしいから離央』ですか」
「はい。生徒達も保護者の皆さんも、三上くんの家庭環境は知っているのですが、どう対処すればいいのか分からず……」
離央が虐待を受けていることは明らかで、誰もが助けたいと思っていた。しかし、実際に行動するとなると様々な問題が発生し、離央の両親が「これは単なる躾だ」と言ってしまえばそれで終わり。「家庭内事情に部外者が首を突っ込むな!」と怒られたら誰も手出しできない。児童相談所や誰かが一時的に保護しようかという話もあったが、様々な問題が壁となり見て見ぬ振りをするしかなかった。そんな中、氷雨が離央を助けてくれたことは奇跡だと霧島は断言する。
「霧島先生。念の為に確認しますが、あの子が学校でいじめられていたことは……」
「ありません。藤崎くんと宮下さんが積極的に三上くんと関わっていたので」
「そうですか」
「峯滝さんが三上くんを引き取ることには私も賛成です。貴方と一緒にいる時の三上くんは、とても幸せそうに見えました。ご両親と一緒の時は、何時も怯えて暗い表情をしていましたから」
「…………」
「三上くんを引き取るなら、名前も変えた方がいいでしょう。三上くんは気にしていないように見えますが、この名前で辛い思いをする姿は、もう見たくありません。改名の依頼をすれば、受理される筈です」
「ありがとうございます。霧島先生。私も、あの子の両親については色々と思うところがあるので、先生が知っている範囲で構いませんので詳しく教えていただけませんか?」
「お力になれるのならいくらでも。口頭で説明するより文章でまとめた方が分かりやすいと思いますので、後日峯滝さんのアドレスにメールしましょうか?」
「それで構いません」
「峯滝さん。三上くんのこと、よろしくお願いします」
霧島は氷雨に深々と頭を下げる。氷雨も「こちらこそ、あの子をよろしくお願いします。霧島先生」と告げて頭を下げた。お互いに必要事項を伝え合った後、霧島は立ち上がり「今日はこれで」と言って帰る準備を始めた。
「今日はありがとうございました」
「せんせい、ありがとうございます」
「こちらこそ、お邪魔しました。それじゃあ、三上くん。また月曜日に」
「はい」
「時雨、先生を頼んだぞ」
「お任せください。さあ、先生。駅までお送りします」
「あ、ありがとうございます。七瀬さん」
さり気なく霧島の腰を抱き、彼を車までエスコートする。時雨は甘く優しい目をしていて、隙あらば霧島を口説こうとしていた。霧島も驚きつつも頬を赤く染め時雨のペースに呑まれている。
「こんな形で伴侶が見付かるとはな」
「ひさめさん?」
「なんでもないよ。いっぱいお話しして疲れただろう。早めに休もうか」
「ぅん」
少しふらついている離央をそっと抱き上げて、氷雨は自室へと足を進めた。時雨と霧島先生が結ばれるのも時間の問題だな、と心の中で呟きながら……
「先生が来たみたいですね」
「そうだな。離央くん、先生を迎えに行ってくるから、少しだけ時雨と待っていてくれるかな?」
「はい」
時雨が今日氷雨の家を訪れたのは、離央の担任の先生がお見舞いに来るからだ。先生はとても優しい人のようで、離央は先生が来ると聞いて少しだけ嬉しそうにしていた。
「こ、こんにちは。せんせい」
「こんにちは。三上くん。風邪は大丈夫ですか?」
「はい」
「先生、どうぞ座って待っていてください。お茶を用意してきますので」
「そ、そんな。お気遣いなく! 三上くんの元気な姿を見たらすぐ帰りますから!」
「そう仰らずに。私も先生にお聞きしたいことがありますから」
「貴方は?」
「初めまして。七瀬時雨と言います。峯滝さんの部下で、弁護士もしています」
「は、初めまして。三上くんの担任、霧島幸平です」
時雨と霧島が軽く自己紹介を済ませたところで、氷雨がお茶とお茶菓子を机に置いて話の本題に入る。離央が風邪で倒れたことを学校に連絡したのは氷雨だった。病院の先生に診てもらい、両親にも連絡を入れたが迎えに来る気配がなく、氷雨が離央を一時保護することになったと。最初は霧島も不審に思ったが、氷雨は自分の電話番号と住所を教え、毎日朝と夕方に離央の体調につて事細かに報告してくれた。その為、霧島も氷雨に離央を任せても大丈夫だと判断したのだ。
「お忙しい中、お越しいただきありがとうございます。霧島先生」
「こちらこそ、ありがとうございます。三上くんの元気な姿をこの目で確認できて、とても安心しました」
そう言って、霧島は鞄の中から数冊のノートと紙束を取り出し、離央の前にそっと置いた。
「せんせい、これは?」
「今週の授業内容をまとめたノートとプリントです。ゆっくりでいいので、確認してくださいね」
「あ、ありがとう、ございます。せんせい」
「分からないことがあれば何時でも先生に聞いてください」
「はい」
「それと、これは三上くんのお友達からです」
自分の端末を離央に渡し、霧島が動画の再生ボタンをタップする。すると、教室の中が映し出され、黒板の前にやんちゃそうな男の子が「もう始まってる? 撮影されてる?」と確認した後、こほんと大きく咳払いをして口を開いた。
『三上! 風邪は大丈夫か? 早く元気になって学校に来いよ! みんな待ってるからさ!』
男の子がニカッと笑うと、彼の顔を強引に押し退けて可愛らしい女の子が中央に立ち、両手を振って優しく微笑んだ。
『三上くん、新しいお家はどう? 保護してくれた人は優しい? みんな心配してるから、来週学校に来たら教えてね!』
『おい! 宮下! てめえ、今、俺を押し退けただろ!』
『うっさいわね! 藤崎は黙ってて! まだ三上くんに言いたいことがあるんだから!』
『俺だってあるのに!』
二人が揉め始め、霧島が「二人とも落ち着きなさい。この姿も三上くんが見るんだよ?」と注意したら大人しくなった。
『三上、また一緒に遊ぼうぜ!』
『三上くん、早く元気な姿を見せてね!』
そこで動画は終わった。霧島は端末を仕舞うと「申し訳ありません。とてもいい子達なんですが、この二人は何時もこの調子で」と謝罪する。氷雨と時雨には子ども同士の可愛らしい戯れに見える。とても微笑ましくて、我慢できずに吹き出してしまった。
「すみません。お友達思いの、優しい生徒さん達ですね」
「はい。私の、自慢の生徒です」
動画に登場した宮下と呼ばれた女の子と藤崎と呼ばれた男の子は、クラスのリーダー的存在で何時も離央のことを気にしていた。今回も、物凄く心配して何度も何度も霧島に聞いて来たそうだ。保護した人は本当に大丈夫なの? とか、信頼できる人なの? とか。
「せんせい。ぼく、らいしゅうからがっこうへいきます」
「そっか。待っているよ。無理せず、今はゆっくり休んでください」
「はい」
「離央くん。俺はもう少しだけ先生とお話があるから、先に休んでて」
「……ぼく、ここにいちゃだめですか?」
「体が冷えてしまって風邪がぶり返したら大変です。私が傍に居ますから、ね?」
「わかりました」
氷雨と離れたくないのか、離央は退室する時もずっと氷雨を見つめていた。時雨に手を引かれて自室に戻る姿に胸が苦しくなるが、ここから先の話は離央に聞かせたくない内容だ。霧島と二人きりになった氷雨は時雨が持って来てくれた書類一式を机に並べ、真剣な表情のまま口を開いた。
「霧島先生。離央くんは私が引き取ります。彼をご両親に帰す訳にはいきません。このままあの子を帰したら……」
「三上くんの命が失われるかもしれない、ですよね?」
霧島は驚くことなく、氷雨の目を見据え冷静に答えた。
峯滝さんに見せようか迷っていたのですが、と口にした後、霧島は一枚の原稿用紙を机に置いた。それは自分の名前の由来についての作文だった。
「どこの学校でも授業の一環として出される課題なのですが、三上くんの名前の由来を知れば、彼の家庭環境がどれだけ深刻なのかご理解いただけるかと」
「分かりました」
離央が書いたであろう原稿用紙を手に取り、氷雨は静かに読み進めていく。短い文章の為、数分で読み終えたが、その内容はかなり問題がった。読んでいる方も胸が苦しくなり、離央の両親への怒りが込み上げてくる。
「『自分から早く離れてほしいから離央』ですか」
「はい。生徒達も保護者の皆さんも、三上くんの家庭環境は知っているのですが、どう対処すればいいのか分からず……」
離央が虐待を受けていることは明らかで、誰もが助けたいと思っていた。しかし、実際に行動するとなると様々な問題が発生し、離央の両親が「これは単なる躾だ」と言ってしまえばそれで終わり。「家庭内事情に部外者が首を突っ込むな!」と怒られたら誰も手出しできない。児童相談所や誰かが一時的に保護しようかという話もあったが、様々な問題が壁となり見て見ぬ振りをするしかなかった。そんな中、氷雨が離央を助けてくれたことは奇跡だと霧島は断言する。
「霧島先生。念の為に確認しますが、あの子が学校でいじめられていたことは……」
「ありません。藤崎くんと宮下さんが積極的に三上くんと関わっていたので」
「そうですか」
「峯滝さんが三上くんを引き取ることには私も賛成です。貴方と一緒にいる時の三上くんは、とても幸せそうに見えました。ご両親と一緒の時は、何時も怯えて暗い表情をしていましたから」
「…………」
「三上くんを引き取るなら、名前も変えた方がいいでしょう。三上くんは気にしていないように見えますが、この名前で辛い思いをする姿は、もう見たくありません。改名の依頼をすれば、受理される筈です」
「ありがとうございます。霧島先生。私も、あの子の両親については色々と思うところがあるので、先生が知っている範囲で構いませんので詳しく教えていただけませんか?」
「お力になれるのならいくらでも。口頭で説明するより文章でまとめた方が分かりやすいと思いますので、後日峯滝さんのアドレスにメールしましょうか?」
「それで構いません」
「峯滝さん。三上くんのこと、よろしくお願いします」
霧島は氷雨に深々と頭を下げる。氷雨も「こちらこそ、あの子をよろしくお願いします。霧島先生」と告げて頭を下げた。お互いに必要事項を伝え合った後、霧島は立ち上がり「今日はこれで」と言って帰る準備を始めた。
「今日はありがとうございました」
「せんせい、ありがとうございます」
「こちらこそ、お邪魔しました。それじゃあ、三上くん。また月曜日に」
「はい」
「時雨、先生を頼んだぞ」
「お任せください。さあ、先生。駅までお送りします」
「あ、ありがとうございます。七瀬さん」
さり気なく霧島の腰を抱き、彼を車までエスコートする。時雨は甘く優しい目をしていて、隙あらば霧島を口説こうとしていた。霧島も驚きつつも頬を赤く染め時雨のペースに呑まれている。
「こんな形で伴侶が見付かるとはな」
「ひさめさん?」
「なんでもないよ。いっぱいお話しして疲れただろう。早めに休もうか」
「ぅん」
少しふらついている離央をそっと抱き上げて、氷雨は自室へと足を進めた。時雨と霧島先生が結ばれるのも時間の問題だな、と心の中で呟きながら……
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