死神令嬢と悪役令嬢は破滅フラグを叩き折りたい

紗吽猫

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46、悪役令嬢の悪行3

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  最も最悪なタイミングで姿を表したのはジニア王太子殿下とゼフィランサスとそれからロベリアだった。

  男達がカルミアが首謀者なのだと叫んでいた、まさにその時だった。

(な、なんでここに……!?)

  ばっ!と、カルミアがローダンセの方を見ると、視線に気づいたローダンセは首を振った。どうやら彼が呼んだわけでも無さそうだが、ふと、視線をロベリアの方に移すと彼女の後ろに紫の髪色が見えてカルミアはなんとなく察した。

(ああ、ブルーベルがここまで連れてきたのね)

  精霊達は主だけではなく、見知った人間であれば魔力を使って捜索することが出来る。おそらくロベリアかジニア辺りがブルーベルに頼んで捜してもらったとかなのだろうが、今のカルミアにとってはありがた迷惑でしかない。

「ねぇ、カルミア。さっきの話はどう言うことなんだい?男達を仕向けたって……」

  不安げに声を震わせるジニアから視線が外せないカルミアはこの状況をどう打開するかを必死に考えた。

(ど、どうすればいいの!?なんでこんな……!!)

  嵌められた。

  直感でそう思った。

  男達の言葉をそのまま真に受けるほど愚かじゃないとは思うが、疑念が生まれるのは確かだ。

「カルミア。説明してくれないかい?」

  幾度となくジニアは言葉を繰り返す。きっと否定して欲しいのだとわかってはいても、男達を黙らせる方法が見つからない。
  だから、否定したところで証明にはならないのだ。無実の証明には。

  カルミアが答えられずにいれば、檻の中の男達は言葉を繰り返す。

「俺達はそこの令嬢に頼まれたんだ!!俺達を罰するってんなら、こいつもだろ!!!」

  カルミアを指差しそう言いながら大声をあげる。

「いいえ!!わたくしじゃありませんわ!」

  咄嗟に反論した。男達の好き勝手には言わせておけない。それでは、きっと思う壷だろうから。

「王太子殿下様の前じゃ本当のことは言えないってか!?よく言うぜ!邪魔な女消そうとしてるくせによ」
「それも自らの手は汚さずだしな」
「これだから貴族は嫌いなんだよ」

  反論すれば男達に好き勝手言われてしまう 。それも全ての首謀者は悪役令嬢カルミアだと言わんばかりに。

  ジニアもゼフィランサスも、阻止てローダンセも、皆、カルミアに疑惑を向け始める。それでも、嘘であって欲しい、と微かな希望も瞳に宿している。

「だから、わたくしではないんですのよ!」

  カルミアがそう言えば、檻の中の男のひとりがおもむろに封書を取り出した。

「こんなこともあろうかと取っておいて良かったぜ」

 くしゃくしゃになった封書には封蝋が施されていたらしい。男はその蝋印を見えやすいように持つと「ほら、よーく見てみろよ」と封蝋を見せつけてくる。

  渋々とカルミアとジニアがその封蝋を確認して、驚愕した。

「なっ……!?ど、どういうことですの!?」

  驚き後ずさったカルミアと、封蝋を凝視するジニア。
  それはフローライト侯爵家を象徴する薔薇の紋様と宝石の紋様が刻まれた蝋印の後だった。

ーー フローライト公爵家が正式に送ったと証明する蝋印 ーー

  カルミアは血の気が引く思いを味わった。

(どうしてこれが……)

  決定的だった。
  
  フローライト公爵家が男達と関係があるとするには充分すぎる証拠だ。

  これにはジニアも何も言えなかった。
  と言うよりも、信じたかったのに裏切られたと感じる方が上かもしれない。カルミアを見る瞳が大きく揺れ動く。

   言葉を無くしたジニアとカルミア。ゼフィランサスも唖然とした様子でただただ事態を見守っている。そんな中、

「待ってください」

  このやり取りに見かねたロベリアがふらつく足取りでゆっくりとカルミアの方に歩み寄り、口を挟んだ。

「確か、私を犯人に仕立て上げるっていう筋書きだったと、先程言っていましたよね?」

  銀色の髪型ふわりと揺れる。その銀色の髪を見た男達の表情が一瞬にして強ばった。

「その封書は、本当に、カルミアからあなた達へと渡されたものだったのですか?」

  今のロベリアは普段身につけているヴェールがない状態だ。それはつまりカーディナリスの目の力を最大限に利用出来る状態でもあるということ。

  ロベリアは男達に問いかけながら、その目の力を使う。

  左右色の違う瞳に映し出された男達の周りには何体もの亡者が彼らを取り巻くように取り憑いていた。
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