スクールカースト上位の俺は異世界の中心で男にまわされる

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96 夫夫 ーガストー・サオマー

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俺は部屋に一人残されたまま、静かにセプターが座っていたソファに手を置く。

今頃リーフに会えて喜んでいるだろうな。

二人とも嬉しくて抱き合っているかもしれない。


「………っ」


礼の一言くらい言ってもバチは当らないぞ、セプター………



俺もバカだよな………


本当にバカだ。


でもセプターが元気になってくれるのなら、それでいい。


リーフがいればセプターもちゃんと食事をとるだろう。


重い腰を上げてメイドを数人呼ぶ。

散らかっている部屋の中をレモネード以外、片付けさせた。


「よし、掃除はもういい。ほらみんな出ろ。」


メイドと一緒に廊下に出ると何やら玄関の方角が騒がしい。

こっちに向って走ってくるメイド長を捕まえた。


「どうしたんだ。」

「玄関でバンテール様が倒れられました。」

「セプターが?!」

「今こちらに運ぼうと、私はお部屋の準備を…」

「部屋は片付けてある。すぐに連れてこい。」

「はい。」


それから程なくしてセプターがハーマンに抱き抱えられて部屋に戻って来た。


「ハーマン、なんでセプターが倒れたんだ。」

「わかりません。急に倒れられました。」


レモネードを飲んだだけだから栄養失調で倒れたのか……

冷めていても栄養のあるスープも飲ませるべきだった。

はは、………俺の心配は、もう無用だな。

リーフが傍にいるだけですぐに回復するさ。

邪魔者の俺は退散しよう。


セプターがベッドで診察を受けているのを確認して出ていこうとするとハーマンに呼び止められた。


「旦那様が大変な時にどこに行かれるのですか?」

「どこって自分の部屋…ここには俺がやることはないから」

「何を 仰 おっしゃっているんですか。やることは沢山あります。夫夫ふうふなんですからそばに居るだけでも旦那様は心強いはずです。付いてあげて下さい。」

夫夫ふうふ? ハッ、ハーマン?何を言っているんだ?」


ハーマンは手で俺の左手の指輪を指して


「ご結婚されたのは存じ上げております。今はこんな時ですのでお祝いの言葉は後日、改めて言わせていただきます。」


慌てて左手を隠すと、ハーマンはニコニコ笑いながら言う。


「お二人共、同じ事をなさる。似た者夫夫ふうふですな。そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに。」

「ち、違う。この指輪はどうしてだか外れないんだ。」


この指輪とは散々格闘したんだ。

初めはリーフのために用意された指輪を奪って、悔しいのといい気味だという感情がぐちゃぐちゃ渦巻いていた。

時間が経つにつれ、セプターに避けられ、指輪を見せた時の悲しい顔を思い出して、凄く後悔した。

指輪を返そうとしたが外れない。

大事なものだから切ったり壊すことは出来ないから、力任せに引っ張ったり、石鹸に付けたり、あらゆる手段をしたがどうしても抜けないんだ。

今回リーフを魔法学園に呼び出したのも、セプターに合わせたかったからだ。




………俺はこれ以上セプターに嫌われたくないんだ。


 
 
 
 
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