【R18】月に叢雲、花に風。

蒼琉璃

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第三部 天界編

伍、狂愛と無常―其の伍―

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 羅漢はまるで、若菜から放たれる蜜の虜になっているようで、彼の部下である、修羅族の兵士の言葉にも耳を貸さなかった。
 彼ら双子は阿修羅王の番犬と呼ばれ、神々と同じように尊敬を集めている。
 多少素行そこうが悪くても、阿修羅王と共に、第六天魔王を追い詰めた英雄として、庶民に寛大に許されていた。
 だが、それも限度がある。

「この女は、阿修羅王様から褒美として頂いた。俺が好きな時に好きなように抱く……! 見ろ、美しいだろう。こんな汚らしい酒場でも、若菜は清らかで……美しい」

 テーブルの上で呼吸を乱す若菜の薄桃色の亀裂を指で淫らに開き、羅漢はまた勃起した男根リンガの先端をゆっくりと挿入する。
 若菜の腹部に刻まれた性愛カーマ・スートラの淫紋が鈍く光ると、若菜は目を見開く。

「はぁっ、んん、もう、もうだめ、あっ、ああっ、やぁぁっ♡ お願い、もう、逃げ出さないからぁ、やっやっ、ああっ、おかしくなっちゃうからっ、淫紋消してっ、消してぇ、いやぁぁ」
「はぁっ……俺の首に抱きつけよ、若菜。だからさぁ、そのうちその淫紋がねぇと、物足りなくなっちまうって。はぁっ……なぁ、羅刹に後穴も犯されたんじゃねぇか。あいつは背徳が好きだからなぁ」

 羅漢は若菜を首に抱きつかせると、臀部を掴みながら淫らに腰を動かした。可憐な花弁を捲るように男根を動かすと、腟内なかが猥雑に波打ち、奥へ奥へと招き入れる。
 一突きするたびに愛液が流れ落ちて、頭の中で破裂するような快感が若菜と羅漢を襲う。
 ぬちゅ、ぬちゅと淫らな水音が響き、結合部から精液と愛液がどろりと流れ落ちた。
 修羅族の兵士も、酒場に閉じ込められた客も若菜の打ちひしがれた愛らしい表情に、目が離せなくなっていた。
 罪を背負った女神の公開処罰は、いやらしく背徳的で、慰めることさえ叶わない客たちは苦悶の表情を浮かべている。

「んゃっ、やぁっ、あっあっあっ、いっ……――――ッッ! あっ、はぁっ、もう、いって、イッてるからぁ、あっ、んんっ、やだ、あっあっあっ♡♡」
「はぁぁ……すっげぇわ。んっ……。おい、後穴の入り口を指で撫でたら女陰ヨニがすげぇ締まるぜ。はぁっ……、心配すんなって、俺は女陰ヨニの方が好きだからさ、若菜」

 華奢な若菜の体を抱き上げ立ち上がると、若菜は慌てて彼に抱きついた。立ったまま腰を動かし、澄んだ甘い嬌声を塞ぐように、唇を重ねた。
 空中で、激しく男根リンガを上下に動かされ、淫らな腰つきで突き上げられると、潮吹きするように愛液がキラキラと飛び散った。

「んんっ、んぅっ、んんっ、きゃあっ、ぁっ、ああっ、はぁっ、あっあっ、やめ、あぅぅ、あっ、ずんずんしたらぁ、きもちいいっ、はっ、あっ、はぁっっ――――ッッ!!」
「くっ、はぁっ、若菜ァ……ご主人様、もう許してって言えよ。もう逃げ出したりしません、羅漢様を愛してるってな……。はぁっ、そうしたら解放してやってもいいぞ。はぁっ、お前ももうつらいだろぉ? 俺もいっぱい腟内なかに出してるから男根リンガが千切れそうだ」

 いつもなら二度も腟内なかに出せば十分なのだが、若菜の天界一とも思えるような極上の女陰ヨニの、ぷっくらとした花弁に包まれていると、精液を出し尽くしても、すぐに勃起してしまう。
 まるですべての精を奪い取ろうとするような腟内なかは、脳が溶かされていくようだった。
 男根の隙間から、いやらしい羅漢の子種が耐えきれず溢れ流れ落ちると、今度は若菜を酒場の壁に立たせた。
 高圧的に彼女を見下ろしながら、片足を抱えると、縋り付く若菜の耳朶を舐める。
 意地悪をするように、舌で耳朶をゆっくりとなぞられ、若菜はさらに上ずって震えるような甘い吐息を吐くと鳴いた。

「やぁっ、あっあっあっ、もう、許してくださっ……あんっ、もう逃げたりしませぇんっ、あっっ、羅漢様をっ……! あふっ、んっ、や、やぁ、深い、だめ、だめぇえっ!」

『愛してる』という大切な言葉だけは、強要されても絶対に言いたくない、そう思った若菜は両目をギュッと閉じ、抵抗する。
 子宮の入り口を亀頭でゴツゴツと擦られると、抵抗も虚しく、羅漢の鎧に爪を立てながら若菜は絶頂に達する。
 恐らく若菜が自分の男根リンガ淫紋カーマ・スートラで何度も絶頂し、言葉にできないのだろうと思うと、羅漢は優越感を感じて満足そうに大笑いした。

「ハハッ! しっかたねぇっ……なっ! その言葉は城で改めて聞くぜ、若菜」
「~~~~ッッ!」

 羅漢に抱きしめられた瞬間に、耳元で呻く声がして精液が腟内なかに放出されると、男根を引き抜かれた瞬間、ガクンと座り込む。
 白濁した液体が床に広がると、打ちひしがれるように、若菜の澄んだ蜜色の瞳から涙がこぼれ落ちた。
 若菜の体を羅漢は白いシーツで包む。
 そして、子供のように泣く若菜を覗き込んだ。

「次はちゃんと自分からご主人様の男根リンガを綺麗にできるようにしねぇとな。さぁ、そろそろ帰ろうぜ、若菜。お前をわざと逃したのは羅刹だ……。あいつはどんな嘘も見抜くからきちんと躾てもらえよ」
「ゃ、やだ……謝るから、もう……っ」

 気怠い体を抱き上げられながら、若菜は青ざめた。
 わざと若菜に自分を裏切らせて、捕獲し罰を与えるのは、二度と逃げ出したり逆らえなくさせるつもりだからだ。
 若菜は羅漢よりも、自分を本当の妹だと思い込む羅刹の精神状態が理解できず、泡立つような恐怖を感じている。
 彼は、羅漢よりも優しいが、なかなか解放してくれず異常なまでに若菜に執着をしていて、考えが読めない。
 そして、二人の子供を欲しがっていることも彼女を困惑させた。
 
「…………ん?」

 さきほどまで、街のざわめきが聞こえていた、まるで音を無くしたように、静まりかえっている。
 常連の酒場の客たちも、日が陰り初めた様子を不思議そうに見ていた。
 兵士の気配もなく、羅漢のおかしな行動に気付いた若菜は、彼に抱きかかえられながら不安そうにしていた。
 羅漢が扉を蹴り開けると、そこら一帯には霧が立ち込めていて、太陽は隠れ代わりに満月が出ている。
 一瞬にして、昼夜逆転したかのようになったことに二人は驚愕する。

「な、なぁに……?」
「なっ、――――この気配………は、神の………っ」
「きゃあっ!」

 外に出た瞬間、羅漢の膝が崩れ落ち若菜を庇いながら座り込んだ。
 驚いて周りを見ると、兵士や修羅族の人々が横たわり、寝息を立てている。
 若菜は羅漢の腕を両手で退けると、シーツを手繰りよせ体を隠しながら、なんとか抜け出す。
 若菜は立ち上がり前方を見ると、霧の中で、尻尾を振った、あの相棒ともいえる天馬が見えたような気がして、おそるおそる歩いた。

「さっきまで明るかったのに、夜になってる……どうして? でも、今ならっ……! 天馬さん、天国の門の近くまで逃げようっ!」

 霧を掻き分けるように、若菜が天馬に手を伸ばした瞬間、誰かに手首をやんわりと握られそのまま引き寄せられた。
 霧が晴れ満月の下で見えたのは、漆黒の狩衣を着た、夜の神のような人だった。
 乳白色の肌に白髪が、ぼんやりと月光のように夜の闇に輝いている。

「っ……貴方、誰……なの?」
「…………」

 灰色の無表情な瞳を見た瞬間、強力な睡魔に襲われ気を失う。
 男は若菜の体を支え抱き上げると、霧の中へと無言のまま消えていった。

✤✤✤

「ぐっ……がっ!」
「なんで……すぐに帰ってこなかったんだ、羅漢兄さん! どうしてやすやすと大切な僕たちの若菜を奪われたんだよ!! 答えろよ!」

 白亜の城の壁に叩きつけられた羅漢は、ずるずると地面に倒れ込むと、切れた唇を手の甲で拭い、双子の弟の羅刹を不敵な表情を浮かべて見つめた。
 修羅族の兵士たちは、彼らが争うのを止めるべきかどうか迷っているようだったが、二人の気迫に圧されているようで、ただオロオロとしている。
 温厚な羅刹の目は、怒りのあまり憎悪と殺意を宿していた。
 おそらく、相手が羅漢が双子でなければ、今この場で首を切り落としていた事だろう。
 羅漢もまた謎の霧によって意識を失い、目覚めた時には若菜が居なくなっていたことに愕然として、怒り狂ってその場にあるものを破壊してしまうほどに精神を乱した。
 あの力は若菜のものではなく、何者かが神通力を使って、その場にいた全員を眠らせ、若菜を奪ったのだ。

「落ち着けよ、羅刹。俺だってあいつを奪われて、はらわたが煮えくり返ってるんだぜ。あれは天鬼じゃねぇ、神の力だ。阿修羅王の褒美を掠め取るなんて、命知らずのバカだ。修羅界ではいられなくなるぞ」
「だけど、姿は見なかったんだろ……、その神が修羅族の神とは限らないじゃない。僕から若菜を奪ったのが他の天国せかいの神でも、絶対に許せないけどね。だって……阿修羅王様に逆らったのも同じでしょ、羅漢兄さん」

 幻覚や睡眠を使う神々を順番に探さねばならない。
 羅刹は、血がにじむほど拳を握りしめた。
 天鬼は阿修羅王の眷属だが、神ではない。
 若菜のように咎人の女神ならまだしも、証拠を集めなければ、最愛の妹を取り返す事はままならないだろう。
 そして、阿修羅王もまた彼女の元へ時々通うと言っていた。

「こんな事が阿修羅王様に知れたら、半殺しにされるぞ。とりあえず、俺は酒場周辺で誘拐犯の足取りでも取ってくる、羅刹」
「分かったよ、羅漢兄さん。僕は……能力の方から調べてみる」

 羅漢はそう言うと、ニヤリと笑みを浮かべて双子の弟に手を振って去っていく。
 まるで、これから獲物を追い詰める狩人のようだった。
 咎人であり阿修羅王の捕虜を横取りした神は、もはや天界の英雄に刃向かう不届き者という『敵』として認識したのだろう。
 花々が咲き乱れる廊下を歩く兄の背中を見ながら、羅刹はふと、狂気に満ちた笑みを浮かべた。

「……でもねぇ、羅漢兄さん。僕は兄さんも許せないんだ……。ねぇ、やっぱり……若菜が本当の双子なんじゃないかなぁ。僕たち、本当は魂を分けて生まれたのに、あの子は人間として別々の場所で育ったんだ。ようやく幸運の女神ラクシュミーが、僕のもとに若菜を連れてきてくれたのに」

 何千年も昔、天鬼の双子の元に小さな妹が生まれてきた。彼女は、不幸な事故に巻き込まれて両親ともども目の前で息絶えてしまった。
 それを番犬として拾ってくれたのが、阿修羅王である。
 羅漢はつらい過去の記憶を封印し、歪んでしまった羅刹は、彼女に似た奴隷を人形や娘を妹代わりにして心身ともに溺愛し『コレクション』していた。

「そうだよ……若菜が僕の双子の妹なんだ。そして、運命の妻なんだよ」

 羅刹にとって、若菜は完璧な存在だった。
 髪も蜜色の瞳も死んだ妹にそっくりで、それでいて輝かんばかりの美貌だ。
 若菜を何度も抱き、心から幸運の女神ラクシュミーに感謝して射精した。
 完璧な肉体も無垢な霊気も、彼女の清らかな魂もすべて、羅刹の理想通りであり、彼女を共有する実の兄である羅漢に対して、疎ましい感情さえ芽生えはじめている。
 

「羅漢兄さん……邪魔だなぁ。この城に若菜と子供たちさえいれば、完璧な理想郷なのに。はやく……僕の妹を取り返さなくちゃ。きっと僕が居なくて怖い思いをしているはず。どんな神様でも絶対許さないよ」

 彼はやがて妄執もうしゅうに取り憑かれ、その瞳は仄暗い狂気の炎を宿していた。
 
 
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