【R18】隻眼の戦神と溺愛されしヴァルハラの歌姫

蒼琉璃

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フェンサリルの女帝②

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 美しい双子の執事に手を引かれると、彼らの温もりがエマに安心感を与えてくれた。フリッグが案内した先は、優雅なサロンでそこには夢のように美しい女神達が、ソファー床に座り自由な雰囲気で談笑していた。
 侍女を引き連れた海の宮殿フェンサリルの主人が現れると、美しい女神たちは各々ゆっくりと立ち上がり頭を垂れる。
 ひときわ美しく上品に装飾をされたソファーの真ん中に座り、足を組むフリッグの周りには女神達が集い、彼女の目線より下になるように座り込んでいた。
 敬意の為なのか服従の証なのだろうかは解らないが、背後には屈強なヴァルキリーが控え、女帝の貫禄は息を呑む程で、エマは小さく喉を鳴らした。


「今日はこの人間が妾の為にうたを歌う。良い余興よきょうになりそうだ……私の心を揺さぶる事が出来ぬ歌なら、即刻そっこくこの場で娘を八つ裂きにしてやろう」
「――――ふ、フリッグ様にも喜んで頂ける詩を歌います」
「ふふふ、冗談だ。この後の余興の前座には最高のものになるだろう」

 
 エマを単純にからかっているのか、プレッシャーをかけて失敗させようてしているのか、その美しい翡翠の視線からは掴みどころが無く読めない。彼女の為に詩を歌うだけだと思っていエマたが、どうやら彼女の口ぶりからしてこの後も、女帝に付き合わされる事になりそうだ。
 エマは目を伏せると、深呼吸する。
 彼女の配下に当たる沢山の女神達が、物珍しい生き物を見るような目で見ていた。
 そして、エマの美声が宮殿に響き渡った。


 ――――伝説の黄金郷エルドラドを想像して作った詩だ。
 一攫千金を求めてと黄金と様々な宝のある場所に旅立った若者が、様々な困難に立ち向かい、ついにその場所に辿り着いたが、そこで出会った美しい女性と恋に落ちてしまい、若者は黄金を故郷に持ち帰る事なく、そのままその地に残り、二度と故郷には帰れなかったというものだ。


「なるほど……そなたはまるで、妖精ニンフのように美しい声であるな。だが、あの者達はただ同じ言葉を繰り返すだけでつまらぬ。そなたの詩は、まるで黄金を求めて旅をしているような気分になって良い。まぁ、妾ならばその娘は選ばず、黄金郷エルドラドの黄金を持ち帰って、この宮殿をさらに美しいものにするが」

 フリッグは、拍手をしながら満足げに微笑んだ。自分の歌声が宮殿ヴァルハラで戦士達を癒やすには充分だと認められただろうか。
 ソファーに持たれかかったフリッグは微笑みを浮かべていった。

「詩の才能があるのは認めてやろう。オーディンは詩人のパトロンでもあるから目利きは良い。妾の好む題材を選んでくる所も愚かではないようだな。
 そなたの美声なら、オーディンもさぞかし夜伽の声は

 絶世の美女から発せられた下品な冗談に、女神達はくすくすと笑った。エマは驚きを隠せず頬を染めてうなだれると、ドレスの裾を掴んでその屈辱に耐えた。
 フェンサリルの女帝は立ち上がると、エマの側までゆったりと歩み寄り、項垂れた顎を捕まえ自分の方に目線を合わせた。

「その声を、しっかりと寝室で妾に聞かせておくれ」
「……えっ?」

 困惑するように、エマは女帝を見上げると楽しげに笑った。まさか彼女は、女性ともそういった関係を結んでいるのだろうか。

「時には妾の欲を満たす為に、侍女を使事もあるが、勘違いをするな。
 なんの為にあの双子の執事がいると思うのだ。オーディンは愛人との関係を全て清算せいさんしてそなたを特別にしたのだ。よほどが良いのだろう? 妾の前で見せてみろ」

 エマは赤面して狼狽えた。
 ヴィズルの正妻の前で、性行為をしろというのだろうか。誰かの目の前であの恥ずかしい行為をするなんて考えた事も無かったエマは、先程の凛々しさはどこへ行ったのと思う程、小さくなっていた。
 未熟なエマを辱める目的で、フリッグは提案しているのか楽しげに翡翠の瞳を細めた。
 断れば、オーディンの手前、死に値する様な危害を加えられる事は無くとも、彼女には同等の権力があると言う。
 一体何をされるか分からないという恐怖が心の奥から這い上がってきた。


「エマよ、妾の命令に背くつもりか?」
「フリッグ様、エマ様はまだ処女を失って間もない娘です。神々の遊びになれてはいないのでしょう」
「戸惑われているだけです。僕達がエマ様を導きます」

 控えていたフギンとムニンがエマの背後に立ち、彼女を擁護ようごするように言う。フリッグはその様子に満足げに微笑み、エマを見下ろした。
 その目は鷹のように鋭く射抜くようで、エマに拒否権は無いように思えた。

「そなたの美しい執事達がこう申しておる。きちんと妾に答えよ」
「――――はい、フリッグ様」

✤✤✤

 天界アスガルドで最も美しい、海の宮殿フェンサリルの寝室は、豪華な天蓋付きのベッドに繊細な装飾が施されていた。
 部屋の内装も、ヴィズルの寝室よりも豪華絢爛ごうかけんらんで、この一室だけでも天国のように思わせる。
 白いテーブルには、蜂蜜酒ミードと新鮮な果実が置かれていた。そして、この寝室を覆う香りは、彼女から香るそれと同じで高貴で心地よい香りがする。

 ベッドの前には、椅子に座るフリッグと彼女の侍女である女神が立っていた。ワイングラスに注がれた蜂蜜酒を口に含み、緊張するようにベッドの真ん中で座り込むエマを見つめる。
 両脇に立っていた、双子の執事はフリッグの合図を待っていた。

「今の天界アスガルドは少々退屈でな。人間の願いを叶えてやるか、息子の成長を楽しむ事しかない。オーディンとは違い息子は、妾に似て美しく聡明な子だ。あの男の功績と言えば妾に息子を授けた事ぐらいだろう」
「…………神様は退屈しのぎに、あ、あのような行為を見るのですか」

 ヴィズルいわく、フリッグは何より息子のバルドルを可愛がり、自分の命や黄金よりも愛していると言う話は聞いていた。
 ――――聡明な光の神である。
 彼女が自分の宮殿で出産してから青年になるまで、逢う事を禁じられていたのは、自分に影響される事を彼女が極端に嫌がったのだろうと自嘲した。
 それに関してはエマも、ヴィズルを擁護する事は出来ないと感じるが、それとは別に神は性行為を覗き見る事が当たり前なのかと、エマは信じられない気持ちでいた。

「他の神は知らぬが、妾にとっては楽しい余興だな。そなたが屈辱的に悶える姿は、特に酒か上手く感じるだろう。さぁ、もう話はいい。フギン、ムニン始めろ」
「フリッグ様、僕達はヴィズル様よりエマ様への挿入は禁じられております」

 二人はゆっくりとベッドに身を鎮めると、フギンが緊張したように固くなっているエマの腰を抱きしめながら、女帝を見つめた。
 ムニンは冷たくなったエマの指先に口付け、指の間を舌先で舐め、手の甲からゆっくりと柔らかな舌先を這わせていた。
 小さく甘い声があがると、兄ムニンは悪戯っぽい瞳を細めてエマを見つめる。

「ならば、この張形ディルドを使え。そなた達にとっては欲望を鎮める術もなく辛い命令だな。だが、奉仕は好きだろう、男娼のようにヴァルキリーや女神に春を買われているのだからな。
 さぁ、そなた達の美しい体を見せておくれ」

 フリッグの名で侍女が持ってきたのは、ヴィズルの陰茎より一回り小さめの、男性器を模したもので、エマは驚いたように目を見開く。

「あ、あれは一体なんなの? その、あ、アレの形と同じだわ」
「あれは張形ディルドと言って、女神様やヴァルキリーが自分で慰める時に使うんですよ。もちろん、こうして交尾の時にも使ったりもします」

 ムニンがそう答えると、フギンはくすくすと笑って頬を染めるエマの耳元に口付けた。
 双子の執事は、黒のジャケットを脱ぎ、黒の紐ネクタイを解くと徐々にその美しい、しなやかな体があらわになる。ほどよく鍛えられた体に、少年の幼さが残る彼らの美貌は、彫刻のように完璧なもので、女神達がこぞって彼等を求めるのも頷けるものがある。
 彼らがエマの入浴を手伝った時でさえ、服を着ていた。
 双子の生まれたままの姿を知らないエマは、直視できず目を逸らしたエマのドレスを、ゆっくりと脱がしていく。

「相変わらず美しい渡り烏達よ。また妾の相手を頼みたいものだな」

 フリッグの欲情するような視線と言葉を無視するように、二人はゆっくりとエマの衣服を脱がしていく。

「やっ……怖いわ、フギン、ムニン」
「安心なさって下さい、エマ様。僕達はこのような状況にも慣れていますから、お任せて下さいませ。フリッグ様には逆らわず、愛撫に身を任せて下さい」 
「エマ様に、キス出来ないのは寂しいですが……指と舌と、この張形で一生懸命、奉仕させて頂きますね!」

 穏やかな弟のフギンが肩に口付け、人懐っこい元気な兄のムニンが邪気の無い表情で微笑みかけた。
 知らない相手に身を任せるより、信頼できる双子の執事を相手するほうがましだと思える。
 フギンの膝の上にエマの両足を乗せてもたれさせると、優しく耳元からうなじを舌先で舐め啄むように肌に口付ける。

「はぁっ……んっ、ぁっ……はぁ、ん、くすぐったい」
「エマ様、この滑らかな肌に跡は付けないようにいたしますね。ヴィズル様はあれでも、エマ様にお熱で……嫉妬されますので」
「エマ様、本当に綺麗です。沢山の女神様や、ヴァルキリーのお相手をしましたが、人間の肌はこんなにも心地よく、暖かいんだって知らなかったです」


 エマを安心させるように、二人は艶のある声で囁いた。ムニンに腕の性感帯を指と唇で触れられ、肌に丁寧に浅く口付けられると、その微かな感触が心地よくて、段々とエマの吐息がこぼれ始めてきた。
 耳元で聞こえるフギンの熱く色気のある吐息と、腹から胸元にかけて指先を這わされる、微かな快楽に、エマはベッドのシーツを握りしめた。

「はぁっ……はぁ、んっ……はぁっ……フギン、ムニン……はぁっ……あっ、ひっやぁっっ、いや、こんな、こんなはしたない事を神様の前でするなんてっ、んんっ……んぅ」

 フギンの手のひらが右の乳房を揉み上げると、ムニンがエマの乳輪に舌先を絡め、ゆっくりとなぞる。
 ねっとりと唾液が絡んで、もう片方の乳房をフギンが優しく揉み解すと体が敏感に震えた。
 自然にふっくらとした唇から漏れる矯声きょうせいを我慢するように唇を噛みしめると、フリッグの笑い声が聞こえた。

「我慢する必要はないぞ、エマよ。妾に構わずに美しい双子の愛撫に身を任せるが良い。どうだ、渡り烏の舌と指は……女を喜ばせる為に生まれたような下僕よ。ヴィズルよりも良かろう?」

 フリッグはまるで、演劇でも見るかのように笑って蜂蜜酒を飲んでいる。美しい男女の体を鑑賞しながら、嗜虐的な笑みを浮かべていた。 
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