【完結】異世界に転生した悪役令嬢(役)の私が道端で助けたチートスキル持ちの病弱王子に婚約を求められてます

水仙麗

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5話 本当の目的

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私は目の前のリアムがたった今放った言葉に呆気に取られている。あって1時間も経ってないのに、いきなり王子と婚約だとは、都合が良すぎるし、ゲームばかりしていた私からすると何かの罠かとさえ疑いたくなる。


恋の定義なんて分からないし、私のどこがリアムに決定権を与えたのか、何が好きなのかも全く分からないけど、もしかしたら私、この世界ならモテるかも…?


「サエさん…?」


彼が私を上目遣いでとても近くで見つめてくる。目の前で銀が揺れて、本当にドキドキする。これが恋なのかな?こうなったら罠でも何でも引っかかっても良いような気さえしてくる。


「リアム、それ本…」


私が彼に確認するかのように聞こうとした時、彼に話を遮られてしまった。


「あ、ちなみに芝居を打って欲しいって意味ですよ?さっきサエさんにも話しましたが、私はどの婚約も断るつもりでいます。ですが、それでは、一応父であり国王の彼が許すわけがありません」


なんだ。私は捨て駒ってことか。なら話がよく分かった気がする。一瞬でトキメキも期待も裏切られた。でも、こんなに優しそうな彼がそんな無碍な扱いを人に対してするだろうか。


「私は彼にどれだけの事をされたか、思い出したくないことも、話したくもないこともあります」


リアムは俯いて、強く拳を握りしめていた。私が見た彼は瞳に純粋無垢で綺麗な涙の雫を浮かべていた。


「だから、最後にせめての仕返しがしたいと思っていたんです。彼の顔に泥を塗りたくってこんなところ出てやるって。今日がその最後のチャンスだったんですよ」


彼はその雫を滴らせた。私はもう彼に協力する気でいた。私は彼の顔を見て涙を拭いてあげた。彼に優しい微笑みを浮かべて欲しくて。初めて会った時のあの顔が見たくて。どうにか彼にしてあげられる事がきっと私にもある。何故か確信していた。


「リアム、一緒に逃げよ?私、なんも分からないし、足を引っ張っちゃうかもしれないけど、精一杯頑張って力になりたい。迷惑かけたらごめんね?」 


「サエさん…!ありがとう…ございます」


リアムは泣き崩れて私に抱きついた。私は彼の頭をゆっくり撫でながら、背中をさすって落ち着かせてあげた。


「それで、どうやってここから出ようと思ってる?なにか作戦とかはある?」


彼に尋ねてみると、まだ涙で少し腫れた目元のまま顔上げた。涙を拭いて私と向き合い、私の両手を取って彼自身の両手と重ねた。そして落ち着きを取り戻して話し始めた。


どうか、彼を助けてあげられますように。私は静かに心の中でそう私に言った。


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