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11話 突然の告白と猫キツネ
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トレイターから聞いた話が未だに頭に残ったまま、私はリアムと外に出た。忘れようとしても、自然に努めようとしてもご本人が隣にいれば無理な話だ。
ある程度歩いて、この辺りの風景をしっかりと目に焼きつける。芝生が一面に広がって花が咲き、幻想郷のような場所だった。もし私の住んでいた世界にこんな場所があったらすぐにデートスポットになって、若者のカップルに人気になるだろう。
「ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした」
彼はいきなり盛大に私に頭を下げた。確かに大変だったけど今更感もある。別に怒りたい訳でもないが、彼の性格上謝らずには居られなかったんだろう。
「顔をあげてください。私は大丈夫ですよ」
彼は頭をあげると、赤らめた顔で顔で私に抱きついた。突然で驚いたが、私は彼の頭を撫でた。落ち着きを取り戻した彼が私から離れて、彼は私の前に跪いた。目の奥まで見つめられて何だか恥ずかしくなる。
「フライアさん、いえ、サエさん。私は会った時から…」
「リアム君ー!あとフライアさん!患者さんに美味しそうなお菓子もらったから一緒に食べよー!」
トレイターがここぞというタイミングで診療所の方から手を振ってきた。
「すぐ行きますー!」
リアムはそう叫ぶと、体制を戻して私の手を彼にしては珍しく乱暴に掴んだ。あまりにも少女漫画にでも出てきそうなシュチュエーションで本気になりかけた自分に嫌気がさす。彼に手を無茶に引かれてさっきまでいた診療所に戻る。
「フライアさん、さっきのことは忘れてください。私の戯言です」
さすがにムカつく。少し冗談でも言ってみるか。
「でも、私はもしリアム様が本気なら受け入れます」
リアムは時が止まったかのように、停止した。そして私の方へ向いて、聞いたこともないようないつもより低い声を出し、耳元で囁いた。
「俺を惑わせないで」
いつもと違う声質で私から仕掛けたはずのイタズラに何故か私は頬を赤くした。
「フライアさん?行きましょう」
リアムはわざとらしくいつもの声に戻して私を見た。見られたくない顔を隠すのに必死な私の手を今度は紳士に掴んでまた、診療所へ向けて歩き出した。
「リアム君、本気なのかなあ」
診療所で一人、トレイターは何かを見ていた。
「いつになったら動き出すべきかねぇ…」
「ボクはまだだと思うな。もう少し待ってみたら?」
横から狐のような猫のような小さな生き物が彼の話に参入した。
「だよな、ビトレ。お前、行ける?」
「ああ、もちろん。」
ビトレはそのふさふさのしっぽを揺らして二人の方へ歩き出した。
ある程度歩いて、この辺りの風景をしっかりと目に焼きつける。芝生が一面に広がって花が咲き、幻想郷のような場所だった。もし私の住んでいた世界にこんな場所があったらすぐにデートスポットになって、若者のカップルに人気になるだろう。
「ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした」
彼はいきなり盛大に私に頭を下げた。確かに大変だったけど今更感もある。別に怒りたい訳でもないが、彼の性格上謝らずには居られなかったんだろう。
「顔をあげてください。私は大丈夫ですよ」
彼は頭をあげると、赤らめた顔で顔で私に抱きついた。突然で驚いたが、私は彼の頭を撫でた。落ち着きを取り戻した彼が私から離れて、彼は私の前に跪いた。目の奥まで見つめられて何だか恥ずかしくなる。
「フライアさん、いえ、サエさん。私は会った時から…」
「リアム君ー!あとフライアさん!患者さんに美味しそうなお菓子もらったから一緒に食べよー!」
トレイターがここぞというタイミングで診療所の方から手を振ってきた。
「すぐ行きますー!」
リアムはそう叫ぶと、体制を戻して私の手を彼にしては珍しく乱暴に掴んだ。あまりにも少女漫画にでも出てきそうなシュチュエーションで本気になりかけた自分に嫌気がさす。彼に手を無茶に引かれてさっきまでいた診療所に戻る。
「フライアさん、さっきのことは忘れてください。私の戯言です」
さすがにムカつく。少し冗談でも言ってみるか。
「でも、私はもしリアム様が本気なら受け入れます」
リアムは時が止まったかのように、停止した。そして私の方へ向いて、聞いたこともないようないつもより低い声を出し、耳元で囁いた。
「俺を惑わせないで」
いつもと違う声質で私から仕掛けたはずのイタズラに何故か私は頬を赤くした。
「フライアさん?行きましょう」
リアムはわざとらしくいつもの声に戻して私を見た。見られたくない顔を隠すのに必死な私の手を今度は紳士に掴んでまた、診療所へ向けて歩き出した。
「リアム君、本気なのかなあ」
診療所で一人、トレイターは何かを見ていた。
「いつになったら動き出すべきかねぇ…」
「ボクはまだだと思うな。もう少し待ってみたら?」
横から狐のような猫のような小さな生き物が彼の話に参入した。
「だよな、ビトレ。お前、行ける?」
「ああ、もちろん。」
ビトレはそのふさふさのしっぽを揺らして二人の方へ歩き出した。
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