【完結】異世界に転生した悪役令嬢(役)の私が道端で助けたチートスキル持ちの病弱王子に婚約を求められてます

水仙麗

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18話 消えたモノと真実の出現

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「確かに、私の駆け落ちは誰も望んでなかったかもしれない」


リアムは鋭い眼差しを解かぬまま、ビトレに語りかけた。そこにいる彼はいつもの柔らかさはどこにもなくて、どこかから感じていた哀愁だけが残っている。


「でも、傷つくのは私ひとりで構わない」


リアムが私を抱く力を強くして、目線をそらさずにただ、言葉を吐き捨てた。


「へえー、リアムはその悪女を守るってこと」


ビトレはつまんないと言うかのように鼻で笑って手を組んだ。両者引かないこの空気がとてもでは無いけど居心地が悪くて、私は、恐怖心もあってか頭がクラクラしてくる。


「ねえ、早く言ってよ。国と女と種の存続どれが大事?」


ビトレはリアムを急かそうと近づきながら話してくる。リアムはやっと怖い目付きをやめて私を見て微笑むと泣きそう声で耳元で囁いた。


「サエ、離れないでね。必ず守るから」


私は緊張が解けたかのように体から力が抜けてしまったけどすぐに私はリアムの服に掴まって離すもんかとムキになっていた。一人辛い思いをするリアムのことも知らずに。


「ともかく、私は何ももう必要ない。力も富も名声も、失うくらいなら」


ビトレはまたつまらないと今度は顔をプンと振った。


「まだ気にしてるんだ。あの人のこと」


ビトレは悪戯っ子みたいな口調でリアムを嘲笑う。まるでもう勝敗の軍配が上がっているかのように勝ち誇って、リアムを存分に困惑させようと言葉を浴びせている。


「忘れなよ。もう居ないんだから。そいつとなかよしこよししてもどうせまた喪うんだから」


ビトレはそれだけ最後に吐き捨てて、結界のような電子の線を解くとどこかへ消えていった。


結界が消え去った世界はトレイターの診療所でも王宮でもなく、ただの広大な野原の中だった。未だにリアムにしがみついていた私は申し訳なくて彼から離れようとした。


「もう少しだけ、このままでいて。」


リアムは顔を見せずに私の頭を抑えて強く抱きしめた。にしても、何が起こっていたのか全く私には理解できない。あの小さな可愛かったはずのビトレはいきなり邪鬼となり、私たちに襲いかかった。


そして、私とリアムに放った言葉の数々。


私がいくつもの国の皇室の世継ぎを誑かした?


リアムは唯一のヒトの守護神?


リアムは一体何を失ったのか?


私はリアムの胸に顔を埋めて考えていると彼のジャケットの内側のポケットに何やら古びた紙があるのに気がついて手を伸ばした。


そこには3人の家族の写真があった。あまりにも古くて顔は分かりにくいけど銀髪の少年を両親が囲んでいて、どこか暖かい雰囲気がある。顔が分かるなら多分、笑顔なんだろう。


「サエ?どうしましたか?」


私が彼の胸元でガサゴソとなにかしていたことに気づかれて私は即刻その写真をしまおうとしたが、間に合わずに彼と顔があってしまった。


「それ、バレちゃいました?いいですよ。怒ったりしませんから。



でも、見たんならそこに写る人達を知りたいでしょう?



もちろん、教えてあげますよ。






時代に消えた、彼らの歴史とともにね」

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