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24話 帰ってきた遣い

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「それはどういう事?」


わたしが聞き返す。この少女が私の心を読んだのかただの戯言か。気になって仕方がない。 リアムも落ち着いて私を遠くから見守っている。


「いや、この街って、不思議な人が多いから。私も孤児でここに辿り着いて今はこうして暮らしてるの」


まあ、有名な街であればどんな人もいるだろう。夜に家出する少女も、出奔した彼方昔の上人も行き着く先は大抵、都、都市だろう。別にこの子の辿ってきた道を聞きたいわけでも、探りたい訳でもないが異常にこの子は大人っぽい。歳が気になるけど、ここでも流石に聞くのは失礼に値するだろう。


「だから、良かったら、一緒にって…?」


まだそこまでではないが、私にも年の功てもんは身についている。多分一人で寂しいのだろう。店の中を見渡しても、カフェの割には中には若い店員や女性は少ない。そうすると、このショートカットでピンクのメッシュを入れた若い子のありがちなヘアスタイルの彼女は孤独だろう。ここは申し訳ないが利用させてもらおう。私はリアムに心を読んで欲しくて目で合図すると、彼は分かったのか私に向かって首を縦に降った。


「お願いしてもいいですか…?」


こんな上目遣い、自分でも気持ち悪くなるくらいで、いつぶりか覚えてないし、そもそも私には恋愛関係なんて築いたことがなかった。


「うん!話してくるね」


彼女は店の奥に入って、おそらく店主を探しに行った。その隙を見てリアムが私の近くに駆け寄ってきた。


「よくやりましたね。私も居候しますか」


多分、彼も同じ手法で泊めてくれそうなところを探していたのだろう。私たちはこの幸運に有難く甘えることにした。


「いいって~!、そのお兄さんも一緒?」


「うん、私たち兄妹でさ」


とりあえず、でっち上げでもどうにかなるだろう。親友とかは疑われそうだし、恋人なんてもってのほかだ。


「妹が申し訳ないです。私もお世話になっても?」


「大丈夫ですよー!」


リアムは適当に私の嘘に合わせてくれた。本当に大丈夫かは分からないけど、兎にも角にも今はここにお世話になるのが苦肉の策で間違えないハズだ。


「行こ?私の名前はシャーリ。よろしくね?」


シャーリと名乗るその少女に手を引かれて私はカフェの奥にあった階段を昇った。リアムも私の後をつけてきている。


ーその頃のトレイターの診療所では。


「すみません!二人の行方は不明です。おそらくは何かの力をあの女が秘めていたかと…」


大勢いる衛兵の一人が報告を引いた腰でする。声は震えている。


「へえー、面白そうじゃん」


トレイターは言葉こそは軽いものの目は完全に彼らを睨みつけている。


「で、ボクは何をすればいい?」


ビトレはそのしっぽを振っていた。


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