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番外編
その狼の愛は止まることを知らない 7
ガタゴトガタゴトと揺れる馬車の中。おれはオウカと向かい合って座って、思ったより腰に来る振動に耐えていた。
「大丈夫か?」
「まだ、大丈夫……」
大丈夫と言ったものの、かなり振動が酷い。いくら成長したとはいえ、クーロが乗ったら吹っ飛びそうだ。
「悪い。まさかほとんどの馬車を修理に出しているとは思わなかったんだ。カーネリアン家の馬車も騎士団の移動に使っているらしくてな」
「それは仕方ないよ。むしろ、これまであまり修理してなかった方が問題あったと思う……」
そう口では言いつつも、正直お尻が痛い……。振動と、跳ねて落下してぶつけまくっていることで、おれのお尻が大変なことになっている気がする。変な意味ではなく。
騎士達は体幹がしっかりしてるから、あんまり振動も気にしたことがなかったらしい。乗る前にこれまで車輪の辺りしか点検と修理をしてこなかったと聞いたときに、簡単に大丈夫だなんて言わなければよかった。なんでほとんどの馬車が一斉に修理に出されたのかを不思議に思うべきだった。乗る直前に気まずそうにおれから目を逸らすオウカに、嫌な予感はしてたんだ。
でも、これほど乗り心地が悪いとは思わなかった!
「うわぁっ!」
一番酷い揺れがおれを襲った。馬車の屋根から下がっていた紐を掴んでいた手が外れ、あ、と思った時には弾んだ身体が前方に向かって跳んでいった。
「うおっ!? だ、大丈夫か?」
「いてて……ん?」
俺は向かいに座っていたオウカの胸元に飛び込んでいたらしい。衝撃に備えて瞑ってしまっていた目を開ければ、目の前には着崩した団服から覗く逞しい胸筋が。良質な筋肉が持つ柔らかさに、思わずその胸についていた手を動かしてしまった。
「おお~、柔らかい……!!」
「お、おいタカト!? お前変なとこ触るんじゃねぇ!!」
一言で表すなら、むちっとしている。ほどよい柔らかさに弾力。これはクセになりそうな感覚……!
オウカの上に倒れ込むような体勢になっていたのをいいことに、馬乗りになったまま胸を揉んでいたら、無理やり引き離されて椅子に座らされた。
「っ、このッ! 好き勝手触りやがって!」
「いいじゃん! オウカだっていつも、おれの胸触ってるじゃんー!」
「うっ……そ、それとこれとは話が違うだろ!」
「けちっ!」
真っ赤になったオウカが耳と尻尾を忙しなく動かして警戒する姿を楽しみつつ、その魅力的な筋肉をもう一度触りたいなと隙を狙うおれ。
カーネリアン邸に着くまで、その攻防は続いたのだった。
「お帰りなさいませ、坊ちゃん。そしてタカト様。本日はようこそ、いらっしゃいました」
「うおおぉぉぉ~~……」
執事さんに出迎えられて馬車から降りた目の前には、語彙力が無くなるほどにとても立派な西洋風のお屋敷。これでも小さいほうだと言われてしまえば、ダレスティアの家はいったいどれだけ大きいのか気になってくる。多分声も出ないほどの大豪邸なんだろうなぁ。
「坊ちゃんはもう止めてくれって言っただろ……はぁ」
「おや、お疲れですか? まぁ、これだけのボロ馬車ですから、疲れてしまうのも無理はないですねぇ」
「いや……はぁ」
そう頷く執事さんは、オウカが疲れた顔をしている理由を馬車のせいだと思ったようだ。オウカは、もうそれでいいと遠い目をして馬車の修理を頼んでいた。
「そう簡単に直せるとは思えませんにで、騎士団の宿舎にお帰りの際はカーネリアン家の馬車をお使いください。ほとんど旦那様が王宮に持って行ってしまわれましたが、三台は残してありますので」
「ああ、助かる。親父は今どこにいる? また訓練場か?」
「旦那様はただいま執務室にいらっしゃいますよ」
「執務室?」
オウカは、驚いたというよりは胡乱気に執事さんを振り返った。そんなにラシュドは書類処理が苦手なのか。
「珍しいな」
「何しろ書類が溜まりに溜まっておりまして……奥様から雷が落ちたのです」
「なるほどなぁ。タカト、俺は親父に会ってくる」
「あ、おれも挨拶に行くよ」
「いや、大丈夫だ。後で母さんのところに行くだろうから、先に母さんのところに行っててくれ」
「それはいいですね。ちょうど奥様は庭園でお茶をされているところです。以前からタカト様にお会いしたがっていらしたので、ぜひ」
事前におれが行くことは伝えてはいたが、どうやって夫人に会おうかと悩んでいたのが嘘みたいだ。オウカの一言があったとはいえ、びっくりするほど簡単に会えることになってしまった。
「じゃあ、タカトを頼むぞ。タカト、また後でな」
「あ、うん」
おれの頭をひと撫ですると、オウカは足早に邸宅の中に入っていった。
おれは子供じゃないんだけど?
怒ればいいのか喜べばいいのか分からない複雑な心情が顔に出ていたのかもしれない。執事さんは「仲良しですな」と微笑むと歩きだした。
それにしても、オウカが躊躇いもなくおれを預けていくってことは、この執事さんはとても信頼できる人なんだろうなぁ。それとも、自分の家だから安心しているとか?
「クーロ様がとても楽しそうにタカト様のお話をされますので、奥様がタカト様に大変ご興味を持たれておりまして……。かく言う私も、お会いできればと願っておりました」
「あはは……すいません。期待通りではなかったでしょう」
「ははっ、何をおっしゃられます。クーロ様がご自慢されるお気持ちがよく分かりました。これでも人を見る目は自信があるのですよ」
執事さんは足を止めると、おれを振り返り穏やかに微笑んだ。本当に、おれはそれほど期待されるような人間じゃないんだけどなぁ……。クーロはいったいおれのことを何て話してるんだ?
「あぁ、失礼。申し遅れました。私は執事長を務めさせていただいております、ミシュラと申します」
「あ、これはご丁寧に……。おれは、鷹人です。ご存知かと思いますが……」
「ええ。旦那様から伺っております。いつか、本当の髪色も拝見したいものです」
「オウカの髪の方が綺麗だと思いますが……次回お会いするときにでも、ぜひ」
そう言うと、ミシュラさんの目がキラっと輝いたように見えた。でもそれも一瞬で、「嬉しいですねぇ」とにっこりと微笑みが返された。え、気のせい?
「こちらの扉の先が、庭園に続くテラスになります。庭園のガゼポにて、奥様がお茶をなさっておいでです。ここから先は、私から三歩の距離から離れずに続いてください」
「え、わ、分かりました」
ミシュラさんからの謎の指示……離れるなってことは、貴重な花とかがあるのかな?
おれが頷いたことを確認したミシュラさんは、扉を開けた。瞬間、おれは謎の指示の意味を理解した。
この庭園全体に、魔法がかけられている……
「大丈夫か?」
「まだ、大丈夫……」
大丈夫と言ったものの、かなり振動が酷い。いくら成長したとはいえ、クーロが乗ったら吹っ飛びそうだ。
「悪い。まさかほとんどの馬車を修理に出しているとは思わなかったんだ。カーネリアン家の馬車も騎士団の移動に使っているらしくてな」
「それは仕方ないよ。むしろ、これまであまり修理してなかった方が問題あったと思う……」
そう口では言いつつも、正直お尻が痛い……。振動と、跳ねて落下してぶつけまくっていることで、おれのお尻が大変なことになっている気がする。変な意味ではなく。
騎士達は体幹がしっかりしてるから、あんまり振動も気にしたことがなかったらしい。乗る前にこれまで車輪の辺りしか点検と修理をしてこなかったと聞いたときに、簡単に大丈夫だなんて言わなければよかった。なんでほとんどの馬車が一斉に修理に出されたのかを不思議に思うべきだった。乗る直前に気まずそうにおれから目を逸らすオウカに、嫌な予感はしてたんだ。
でも、これほど乗り心地が悪いとは思わなかった!
「うわぁっ!」
一番酷い揺れがおれを襲った。馬車の屋根から下がっていた紐を掴んでいた手が外れ、あ、と思った時には弾んだ身体が前方に向かって跳んでいった。
「うおっ!? だ、大丈夫か?」
「いてて……ん?」
俺は向かいに座っていたオウカの胸元に飛び込んでいたらしい。衝撃に備えて瞑ってしまっていた目を開ければ、目の前には着崩した団服から覗く逞しい胸筋が。良質な筋肉が持つ柔らかさに、思わずその胸についていた手を動かしてしまった。
「おお~、柔らかい……!!」
「お、おいタカト!? お前変なとこ触るんじゃねぇ!!」
一言で表すなら、むちっとしている。ほどよい柔らかさに弾力。これはクセになりそうな感覚……!
オウカの上に倒れ込むような体勢になっていたのをいいことに、馬乗りになったまま胸を揉んでいたら、無理やり引き離されて椅子に座らされた。
「っ、このッ! 好き勝手触りやがって!」
「いいじゃん! オウカだっていつも、おれの胸触ってるじゃんー!」
「うっ……そ、それとこれとは話が違うだろ!」
「けちっ!」
真っ赤になったオウカが耳と尻尾を忙しなく動かして警戒する姿を楽しみつつ、その魅力的な筋肉をもう一度触りたいなと隙を狙うおれ。
カーネリアン邸に着くまで、その攻防は続いたのだった。
「お帰りなさいませ、坊ちゃん。そしてタカト様。本日はようこそ、いらっしゃいました」
「うおおぉぉぉ~~……」
執事さんに出迎えられて馬車から降りた目の前には、語彙力が無くなるほどにとても立派な西洋風のお屋敷。これでも小さいほうだと言われてしまえば、ダレスティアの家はいったいどれだけ大きいのか気になってくる。多分声も出ないほどの大豪邸なんだろうなぁ。
「坊ちゃんはもう止めてくれって言っただろ……はぁ」
「おや、お疲れですか? まぁ、これだけのボロ馬車ですから、疲れてしまうのも無理はないですねぇ」
「いや……はぁ」
そう頷く執事さんは、オウカが疲れた顔をしている理由を馬車のせいだと思ったようだ。オウカは、もうそれでいいと遠い目をして馬車の修理を頼んでいた。
「そう簡単に直せるとは思えませんにで、騎士団の宿舎にお帰りの際はカーネリアン家の馬車をお使いください。ほとんど旦那様が王宮に持って行ってしまわれましたが、三台は残してありますので」
「ああ、助かる。親父は今どこにいる? また訓練場か?」
「旦那様はただいま執務室にいらっしゃいますよ」
「執務室?」
オウカは、驚いたというよりは胡乱気に執事さんを振り返った。そんなにラシュドは書類処理が苦手なのか。
「珍しいな」
「何しろ書類が溜まりに溜まっておりまして……奥様から雷が落ちたのです」
「なるほどなぁ。タカト、俺は親父に会ってくる」
「あ、おれも挨拶に行くよ」
「いや、大丈夫だ。後で母さんのところに行くだろうから、先に母さんのところに行っててくれ」
「それはいいですね。ちょうど奥様は庭園でお茶をされているところです。以前からタカト様にお会いしたがっていらしたので、ぜひ」
事前におれが行くことは伝えてはいたが、どうやって夫人に会おうかと悩んでいたのが嘘みたいだ。オウカの一言があったとはいえ、びっくりするほど簡単に会えることになってしまった。
「じゃあ、タカトを頼むぞ。タカト、また後でな」
「あ、うん」
おれの頭をひと撫ですると、オウカは足早に邸宅の中に入っていった。
おれは子供じゃないんだけど?
怒ればいいのか喜べばいいのか分からない複雑な心情が顔に出ていたのかもしれない。執事さんは「仲良しですな」と微笑むと歩きだした。
それにしても、オウカが躊躇いもなくおれを預けていくってことは、この執事さんはとても信頼できる人なんだろうなぁ。それとも、自分の家だから安心しているとか?
「クーロ様がとても楽しそうにタカト様のお話をされますので、奥様がタカト様に大変ご興味を持たれておりまして……。かく言う私も、お会いできればと願っておりました」
「あはは……すいません。期待通りではなかったでしょう」
「ははっ、何をおっしゃられます。クーロ様がご自慢されるお気持ちがよく分かりました。これでも人を見る目は自信があるのですよ」
執事さんは足を止めると、おれを振り返り穏やかに微笑んだ。本当に、おれはそれほど期待されるような人間じゃないんだけどなぁ……。クーロはいったいおれのことを何て話してるんだ?
「あぁ、失礼。申し遅れました。私は執事長を務めさせていただいております、ミシュラと申します」
「あ、これはご丁寧に……。おれは、鷹人です。ご存知かと思いますが……」
「ええ。旦那様から伺っております。いつか、本当の髪色も拝見したいものです」
「オウカの髪の方が綺麗だと思いますが……次回お会いするときにでも、ぜひ」
そう言うと、ミシュラさんの目がキラっと輝いたように見えた。でもそれも一瞬で、「嬉しいですねぇ」とにっこりと微笑みが返された。え、気のせい?
「こちらの扉の先が、庭園に続くテラスになります。庭園のガゼポにて、奥様がお茶をなさっておいでです。ここから先は、私から三歩の距離から離れずに続いてください」
「え、わ、分かりました」
ミシュラさんからの謎の指示……離れるなってことは、貴重な花とかがあるのかな?
おれが頷いたことを確認したミシュラさんは、扉を開けた。瞬間、おれは謎の指示の意味を理解した。
この庭園全体に、魔法がかけられている……
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