院中隼人の冒険譚

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旅の始まり

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わたくしは、院中(いんじゅう)隼人だ。
24歳、学生で性別は男。
身長は193cm。体重は秘密だ。
そして、わたくしを語る上で忘れては成らないのは、

【わたくしは男の子に魅力を感じることだ】 

要するにホモと言うことだが、わたくしは女の子にも魅力を感じるため実際にはバイセクシャルと言うことになるだろう。

さてこんなつまらない前置きはさておき、
わたくしは旅に出ることにした。

理由は当然だが魅力的な男の子を探し、将来の伴侶にする為である。












現在、エルメスという街に滞在している。

エルメスは、周辺に高レベルのモンスターがおらず
武器や防具屋などの冒険者にとっての設備が充実しているため駆け出しの冒険者にとって比較的重要な街だ。

大抵の初心者はこの街で、冒険者としての生活をスタートさせる。
わたくしもそのセオリーに従って、冒険者ライフを送っていたのだが、モンスターが弱すぎて退屈してしまった。

さっさと、周囲に高レベルのモンスターが出現する街に向かうべきなのだろうが、エルメスで、魅力的な男の子に一度はめぐりあいたいと思い、
こうして、宿場に長期間滞在している訳である。


しかし、今のところわたくしの眼鏡にかなう男の子は見つかっていない。
悲しい現実だが、ゆっくり探していくしかないのだ。



エルメスは、東西方向に30km、総人口も10万人を越える大都市なのでエリアを分割して散策している。
今日は、エルメスの心臓とも呼べる都心部を散策中だ。

流石都心部というべきか大通りは沢山の人でごったがえしており、裏道に入っても活気が伝わってくる。
そして、ありとあらゆる道に、屋台やフリーマーケットが展開されていた。

ゆっくりと品定めをするに男の子を探すが、今日も理想の男の子は見つからない。
全員、ヒョロガリばかりで、興奮しないのだ。
紳士や、気品なんかいらない。
もっと、こう…男らしさが欲しい。

わたくしは、ゴミばかりでイライラしていた心を紛らわす様に細く入り組んだ道へと進んでいった。
なぜ自分がそうしたのかはわからないが、運命的な何かがきっとそうさせたのだろう。

進むにつれ、騒がしさの変わりに静けさが辺りを支配した。 
無法地帯に入ってしまったらしい。
盗賊などに教われても返り討ちにできる自信はあったが面倒事は避けたかった。 

わたくしができるだけ早く、人気の多い所に戻ろうとしたその時である。

「とっと働け、サボってんじゃねぇぞオラ!」

30代、40代だと思われる男の声と共に、
鞭が身体を叩く音が聴こえた。

わたくしは、暴力を振るうカス嫌いだった為、自分の両こぶしを握りしめて声の元へと向かった。

どうやら、声の主は奴隷商人らしい。
彼は、ストレス発散なのか何か知らないが、四つん這いにさせたオークを鞭で、打ちつけていた。
何度も…何度も
オークの肌がパンパンになって炎症を起こすほどに…

わたくしはできるだけ冷静に行為を止めようとしたが、身体がそれを許さなかった。

地面を蹴り、商人との距離を詰める。
そして、彼の顔面に拳をねじ込む。
彼の顔は、もう人間かわからないほどぐにゃぐにゃに歪んでいた。

彼は、鞭で叩くのに夢中になりすぎて、私の存在に最後まで気づいていなかった。
最後まで、最低な男だったであろう。
そして、そんな彼にふさわしい死に様だと思う。
 

申しおくれたが、私のステータスはベテランの冒険者と何ら変わりないのだ。

ステータス

level 3

job淫王

HP 1000

MP 250

ATK 520

DEF 620

speed 550

スキル  咆哮  目力 

jobとスキルはいまだによくわからないが、
わたくしはそれなりに強いと言うことだ。 



「大丈夫ですか?」

わたくしは先程まで奴隷商人に痛め付けられて痛め付けられていたオークに手を差し伸べる。

「は、はい大丈夫です」

彼は、おぼつかない表情を浮かべ面をあげた。


っっっ!
その時、わたくしは運命を感じた。
人間の背丈の二倍はあるであろう身体。
人間よりも少し濃い黄土色の肌。
人間では考えられないほどの太さの豪腕。

「私と一緒にきますか?」

気がついたらそう言ってしまっていた。
でも、彼の買い手である奴隷商人はもう居ないわけだしまぁ、大丈夫か…

「はい、お願いします」

少しのためらいを見せたものの彼はそううなずいた。

先ほどのような事もあるし、まだわたくしというか、人間の事を信頼してくれてはいないだろう。
でも、これからちょっとずつ愛を深めていけばいいな

そう、思うわたくしであった。
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