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5.突然の再会【シュウ視点】
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「この依頼、まだ募集しているか?」
そう声をかけられて俺は笑顔で対応した。
もう、この村に来て、このギルドの受付で働き出して四年になる。
人付き合いが苦手だった俺も随分と慣れた。
少し暗めの暖色の灯り、顔がハッキリ見えにくいのも手伝って俺は少しずつ表情を出せる様になってきた。
笑える様になってきた。
初めはぎこちない笑い方だったかもしれない。
だけど、このギルドに来ていた冒険者の方達は厳つい人達が多かったが皆、優しかった。
俺が上手く喋れなくても、待っていてくれた。
戦闘する事がなくなって俺の筋肉は随分落ちた。
ガリガリに痩せてしまった俺を周りの人達は随分心配してくれた。
今では、冗談を言い合う事が出来るぐらい皆とは仲良しだ。
こう考えると、学院に居た時よりも俺は随分と幸せな時間を過ごしている。
だけど、俺の中でアルバードを超える存在に出逢える事はなかった。
「浮かない顔してるじゃねーか、シュウちゃん。今晩暇なのか? 俺、今日は随分と稼いだんだぜ、飯でも奢ってやるよ、そんで今夜こそは俺とイイコトしようぜ」
「なーに言ってるんですか、今日は俺は残業で遅くなるんです。でも誘って下さってありがとうございます」
俺はそう笑顔で交わした。
最近、こういう冗談を言ってくる人達が増えた。
俺がこのギルドに馴染んできた証拠だろう。
この村は別に女性よりも男性が多いという訳でもないし、どうして俺なんかにかまってくれるのだろうか?
やはり急激に痩せたからか心配されているんだろうか?
「そんな堅い事言わないでさ、気持ちよくしてやるよ? 嫌なことも忘れさせてやるからさ」
そう言いながら、その冒険者は俺の掌にそっと自身の掌を重ねる。
そして、大きな太い指で、俺の少し筋張っていた手の甲を撫でた。
男は熱のこもった目で見つめてきた。
自意識過剰だと思って考えない様にしていたが、これは誘われているという事だろうか?
俺は実はそういう経験がない。
必要に応じて一人で抜く程度で、さほど性欲も強くない。
昔、アルバードがまだ俺にも優しかった時、転びそうになった時、支えてもらった事がある。
その時のアルバードの香りにかなり心臓がうるさくなって、この身体に抱きしめられたいなんて考えた事はちょっとだけある。
その後、何故か嫌われて、そんな夢の様な事は考えないようにと頭の隅に追いやってからは、誰かに触れたいなどと思った事はない。
だけど、俺ももう22歳だ。
もし、誰かに抱かれたら、アルバードへの想いも断ち切る事が出来るだろうか?
忘れる事が出来るだろうか?
俺は戸惑う様に視線を揺らし、熱っぽい目で見つめてくる男から視線を逸らした。
その時、ギルド内の空間の温度が急に下がった気がした。
すごい殺気を感じた。
その殺気は数年、戦闘から離れていた俺にも充分感じ取れる程のもので、騒つく周りにいた冒険者が一気に静まり返った。
その静まり返った音を合図に一人の男が入ってきた。
高そうな防具に身を包み、皆が目が離せなくなる様な綺麗な金の短髪。印象的なブルーの目、ゆっくりと歩く姿は美しかった。
ゆるく笑う姿は誰もが見惚れてしまう。
俺ももちろん見惚れてしまい目が離せない。
俺は混乱していた。
脳味噌が追いついていない。
目の前には綺麗な金の髪を短く切り、昔より更に逞しくなったアルバードがそこにいた。
そう声をかけられて俺は笑顔で対応した。
もう、この村に来て、このギルドの受付で働き出して四年になる。
人付き合いが苦手だった俺も随分と慣れた。
少し暗めの暖色の灯り、顔がハッキリ見えにくいのも手伝って俺は少しずつ表情を出せる様になってきた。
笑える様になってきた。
初めはぎこちない笑い方だったかもしれない。
だけど、このギルドに来ていた冒険者の方達は厳つい人達が多かったが皆、優しかった。
俺が上手く喋れなくても、待っていてくれた。
戦闘する事がなくなって俺の筋肉は随分落ちた。
ガリガリに痩せてしまった俺を周りの人達は随分心配してくれた。
今では、冗談を言い合う事が出来るぐらい皆とは仲良しだ。
こう考えると、学院に居た時よりも俺は随分と幸せな時間を過ごしている。
だけど、俺の中でアルバードを超える存在に出逢える事はなかった。
「浮かない顔してるじゃねーか、シュウちゃん。今晩暇なのか? 俺、今日は随分と稼いだんだぜ、飯でも奢ってやるよ、そんで今夜こそは俺とイイコトしようぜ」
「なーに言ってるんですか、今日は俺は残業で遅くなるんです。でも誘って下さってありがとうございます」
俺はそう笑顔で交わした。
最近、こういう冗談を言ってくる人達が増えた。
俺がこのギルドに馴染んできた証拠だろう。
この村は別に女性よりも男性が多いという訳でもないし、どうして俺なんかにかまってくれるのだろうか?
やはり急激に痩せたからか心配されているんだろうか?
「そんな堅い事言わないでさ、気持ちよくしてやるよ? 嫌なことも忘れさせてやるからさ」
そう言いながら、その冒険者は俺の掌にそっと自身の掌を重ねる。
そして、大きな太い指で、俺の少し筋張っていた手の甲を撫でた。
男は熱のこもった目で見つめてきた。
自意識過剰だと思って考えない様にしていたが、これは誘われているという事だろうか?
俺は実はそういう経験がない。
必要に応じて一人で抜く程度で、さほど性欲も強くない。
昔、アルバードがまだ俺にも優しかった時、転びそうになった時、支えてもらった事がある。
その時のアルバードの香りにかなり心臓がうるさくなって、この身体に抱きしめられたいなんて考えた事はちょっとだけある。
その後、何故か嫌われて、そんな夢の様な事は考えないようにと頭の隅に追いやってからは、誰かに触れたいなどと思った事はない。
だけど、俺ももう22歳だ。
もし、誰かに抱かれたら、アルバードへの想いも断ち切る事が出来るだろうか?
忘れる事が出来るだろうか?
俺は戸惑う様に視線を揺らし、熱っぽい目で見つめてくる男から視線を逸らした。
その時、ギルド内の空間の温度が急に下がった気がした。
すごい殺気を感じた。
その殺気は数年、戦闘から離れていた俺にも充分感じ取れる程のもので、騒つく周りにいた冒険者が一気に静まり返った。
その静まり返った音を合図に一人の男が入ってきた。
高そうな防具に身を包み、皆が目が離せなくなる様な綺麗な金の短髪。印象的なブルーの目、ゆっくりと歩く姿は美しかった。
ゆるく笑う姿は誰もが見惚れてしまう。
俺ももちろん見惚れてしまい目が離せない。
俺は混乱していた。
脳味噌が追いついていない。
目の前には綺麗な金の髪を短く切り、昔より更に逞しくなったアルバードがそこにいた。
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