25 / 30
深愛
しおりを挟む
空気が先生のほうに流れている。泣くほど好きだったらしい女の子たちはコロッと騙されているし、花園さんは釈然としないみたいだけどオロついている。
「みなさんはそれでいいのですか? もっともっと、言いたいことは?」
朝顔先輩は何を考えているのかわからない無表情だ。真っ直ぐな硬い声で問いかける。緊張している様子ではない。心を隠すのが上手い人なのだろう。油断ならない。
「……私、もういいや。疲れちゃった」
ため息の混ざった鼻声で睦先輩は呟く。岩倉先輩は奥歯をギリギリ噛み締めて立ち尽くしていた。
「こんなの……間違ってる……」
花園さんは二人の姿に酷く心を痛めつけられてしまったらしい。ショックを受けたみたいに呟いて顔を青くしている。
気持ちはわかる。だが、ここで終わってしまうなんて、集まった意味がない。私はため息をついてうざったく垂れてきた髪の毛を掻きあげる。胸を張って腕を組んで虚勢を張る。聖薇は確かに強かったかもしれないが、こういうポーズをとることで勇気が出てくるのは確かだった。
「今の言葉で丸め込まれてしまいましたの? 腑抜けているわね。恨むら最後まで恨みなさい。ここで負けたら生きるのが辛いくらい後悔することになるわ。このゴミ屑を気が済むまで殴って、それからお縄にかけることにしませんか?」
たとえイタチの最後っ屁だとしても、何か手段に訴えないといけない。脱力してはいけない。彼女たちが私みたいに必要以上に追い詰められることはないのだ。
確かに自分が悪いところもあるだろう。ブサイクに生まれた私が悪いのだ。
で? なんで死ななくてはいけない。ブサイクを見る視線だけで十分に傷ついている私が必要以上の攻撃を受ける筋合いはない。彼女たちもそうだ。イケメンに優しくされてのぼせてしまったことが悪い、男を見る目がないのが悪い。だからって人を信じられなくなるくらい嫌な思いをするのはおかしい。花園さんだってそうだ。男性が怖くなるような記憶を植えられてそのまま生きていくなんて、それこそ間違っているのだ。
こんな考え方では戦争はなくならないかもしれない。でも、殺すための暴力ではなく、死なないための戦いは必要だ。弱いのではない、誰かが弱みに付けこんで来るから弱くなる。
「殴られて免職が許されるわけではなくてよ。悪いと思っているのならば、私達の『愛情』を受け取っていただけましてね?」
土下座している関先生の頭を押さえつけて耳元に囁きかける。さすがに、地面へひれ伏せさせることはしない。そこまで悪者ではない。
「ああ……気が済むまで殴ってくれ」
少し驚いたようだけど、すぐ神妙な顔になって頷いた。それが本心かどうかは知らない。まったく憎たらしいやつだ。
「ちなみにあなたが部屋に入ってくる前から全部を録音しているの。あなたが言ったことの責任を自分でとれるなんて思っていないわ。一方的に暴力を振られたわけではない。そうよね?」
「……怖いね。君はもっとおっとりした子だと思っていたけれど」
困った様子ではなかった。ふっと関先生の口元がおかしそうに緩む。何が笑えるのかちっともわからない。自虐だとしたらマシかもしれないけれど、世界に期待を抱くのはやめたほうがいいだろう。
「成長させていただき、どうも」
私はスカートの端をつまんで、軽く膝を折る。
そうよ。それでいいわ。――聖薇の声が私を明るく励ます。ケロリとした声音に彼女が悪役であることを思い知らされた。
生き抜くために、聖薇のように悪を愛することも必要なのだろうか。誰かを乏しめたり嗤ったり傷付けたりするようなアホみたいな悪ではなく、何かを利用し踏み台にし取り込んで行くような強かな悪。
「殴らせて。……いいでしょ」
睦先輩が一歩前に出た。だから私は一歩下がる。
関先生は「ああ。ごめんね」と奥歯を食いしばった。睦先輩の勢いを付けた平手が飛んで、関先生のシャープな頬に赤い痕を作る。運動部は強いらしい。関先生の頬と自分の手の平を眉間に皺を寄せて見た後、鬱々とした顔で下がった。
入れ変わるように、ずいっと一歩、前に出る岩倉先輩。黙って平手が飛んだ。フーッ、と、獣じみた息をこぼして、肩で呼吸する。さらにもう一発、グーが飛んだ。関先生の喉からグッと声が漏れた。
「私の気持ちはこんなものではない。……けど、お前に全部くれてやるのはもったいない。これで最後だ」
スラリとおみ足が上がった。ぐわっと上がった細くしまった足――が脳天に叩き落とされる。思わずつられて見てしまったらしく、先生の顔は上を向いていた。
銀縁眼鏡の真ん中にぶち当たる。先生の高い鼻が潰れた。眼鏡がひしゃげて、足を下げると同時に転げ落ちる。
「ちなみに私は中学まで空手をやっていた」
背筋を伸ばして岩倉先輩が言う。……怖。心の距離が瞬時に遠ざかって白けた目をしてしまう。
「御崎さんはいいのかい?」
怖い女性がスッキリした笑顔を向けた。思わずビクついてしまったけれど、顔を抑えて体を丸めた関先生を見たら、なんだか笑えてしまった。世の中、くだらなくて笑えることばっかりだ。怖い女性もさっきまでは泣いていた。
「え? だって遊びだもの。本気になるわけないじゃない」
私は肩を竦めた。それからチラッと花園さんを見ると、困ったように苦い顔をした。
「あ……私も、ここまででお腹いっぱいです」
「じゃあ、最後は朝顔先輩ね。よろしいかしら?」
さっきから貫き通した無表情を口元だけ歪めて、朝顔先輩は小さく頷いた。ゆっくりと足音も立てずにうずくまった関先生に歩み寄ると、広いのに情けない背中をそっと撫でた。
「私は許します。あなたのことを愛しているから」
朝顔先輩の華奢な背中から後光が差して見える。こんなに澄んで、透明な言葉、聞いたことがない。なんて馬鹿な人だと思った。関先生が悪い人ならば私と同じことを思っただろう。そして、彼女の背中に私と同じような羽根を見たことだろう。上げた顔は朝顔先輩の顔と重なって見えないけれど。
朝顔先輩は抱きしめるように耳へ口を寄せる。
「――でも、次はありませんよ?」
静かだから聞こえてしまった。関先生は救われた顔をしているから、今度こそは彼女を裏切らないで欲しいと思う。多分、裏切ったら大変なことになるから。こいつヤンデレだ。
「みなさんはそれでいいのですか? もっともっと、言いたいことは?」
朝顔先輩は何を考えているのかわからない無表情だ。真っ直ぐな硬い声で問いかける。緊張している様子ではない。心を隠すのが上手い人なのだろう。油断ならない。
「……私、もういいや。疲れちゃった」
ため息の混ざった鼻声で睦先輩は呟く。岩倉先輩は奥歯をギリギリ噛み締めて立ち尽くしていた。
「こんなの……間違ってる……」
花園さんは二人の姿に酷く心を痛めつけられてしまったらしい。ショックを受けたみたいに呟いて顔を青くしている。
気持ちはわかる。だが、ここで終わってしまうなんて、集まった意味がない。私はため息をついてうざったく垂れてきた髪の毛を掻きあげる。胸を張って腕を組んで虚勢を張る。聖薇は確かに強かったかもしれないが、こういうポーズをとることで勇気が出てくるのは確かだった。
「今の言葉で丸め込まれてしまいましたの? 腑抜けているわね。恨むら最後まで恨みなさい。ここで負けたら生きるのが辛いくらい後悔することになるわ。このゴミ屑を気が済むまで殴って、それからお縄にかけることにしませんか?」
たとえイタチの最後っ屁だとしても、何か手段に訴えないといけない。脱力してはいけない。彼女たちが私みたいに必要以上に追い詰められることはないのだ。
確かに自分が悪いところもあるだろう。ブサイクに生まれた私が悪いのだ。
で? なんで死ななくてはいけない。ブサイクを見る視線だけで十分に傷ついている私が必要以上の攻撃を受ける筋合いはない。彼女たちもそうだ。イケメンに優しくされてのぼせてしまったことが悪い、男を見る目がないのが悪い。だからって人を信じられなくなるくらい嫌な思いをするのはおかしい。花園さんだってそうだ。男性が怖くなるような記憶を植えられてそのまま生きていくなんて、それこそ間違っているのだ。
こんな考え方では戦争はなくならないかもしれない。でも、殺すための暴力ではなく、死なないための戦いは必要だ。弱いのではない、誰かが弱みに付けこんで来るから弱くなる。
「殴られて免職が許されるわけではなくてよ。悪いと思っているのならば、私達の『愛情』を受け取っていただけましてね?」
土下座している関先生の頭を押さえつけて耳元に囁きかける。さすがに、地面へひれ伏せさせることはしない。そこまで悪者ではない。
「ああ……気が済むまで殴ってくれ」
少し驚いたようだけど、すぐ神妙な顔になって頷いた。それが本心かどうかは知らない。まったく憎たらしいやつだ。
「ちなみにあなたが部屋に入ってくる前から全部を録音しているの。あなたが言ったことの責任を自分でとれるなんて思っていないわ。一方的に暴力を振られたわけではない。そうよね?」
「……怖いね。君はもっとおっとりした子だと思っていたけれど」
困った様子ではなかった。ふっと関先生の口元がおかしそうに緩む。何が笑えるのかちっともわからない。自虐だとしたらマシかもしれないけれど、世界に期待を抱くのはやめたほうがいいだろう。
「成長させていただき、どうも」
私はスカートの端をつまんで、軽く膝を折る。
そうよ。それでいいわ。――聖薇の声が私を明るく励ます。ケロリとした声音に彼女が悪役であることを思い知らされた。
生き抜くために、聖薇のように悪を愛することも必要なのだろうか。誰かを乏しめたり嗤ったり傷付けたりするようなアホみたいな悪ではなく、何かを利用し踏み台にし取り込んで行くような強かな悪。
「殴らせて。……いいでしょ」
睦先輩が一歩前に出た。だから私は一歩下がる。
関先生は「ああ。ごめんね」と奥歯を食いしばった。睦先輩の勢いを付けた平手が飛んで、関先生のシャープな頬に赤い痕を作る。運動部は強いらしい。関先生の頬と自分の手の平を眉間に皺を寄せて見た後、鬱々とした顔で下がった。
入れ変わるように、ずいっと一歩、前に出る岩倉先輩。黙って平手が飛んだ。フーッ、と、獣じみた息をこぼして、肩で呼吸する。さらにもう一発、グーが飛んだ。関先生の喉からグッと声が漏れた。
「私の気持ちはこんなものではない。……けど、お前に全部くれてやるのはもったいない。これで最後だ」
スラリとおみ足が上がった。ぐわっと上がった細くしまった足――が脳天に叩き落とされる。思わずつられて見てしまったらしく、先生の顔は上を向いていた。
銀縁眼鏡の真ん中にぶち当たる。先生の高い鼻が潰れた。眼鏡がひしゃげて、足を下げると同時に転げ落ちる。
「ちなみに私は中学まで空手をやっていた」
背筋を伸ばして岩倉先輩が言う。……怖。心の距離が瞬時に遠ざかって白けた目をしてしまう。
「御崎さんはいいのかい?」
怖い女性がスッキリした笑顔を向けた。思わずビクついてしまったけれど、顔を抑えて体を丸めた関先生を見たら、なんだか笑えてしまった。世の中、くだらなくて笑えることばっかりだ。怖い女性もさっきまでは泣いていた。
「え? だって遊びだもの。本気になるわけないじゃない」
私は肩を竦めた。それからチラッと花園さんを見ると、困ったように苦い顔をした。
「あ……私も、ここまででお腹いっぱいです」
「じゃあ、最後は朝顔先輩ね。よろしいかしら?」
さっきから貫き通した無表情を口元だけ歪めて、朝顔先輩は小さく頷いた。ゆっくりと足音も立てずにうずくまった関先生に歩み寄ると、広いのに情けない背中をそっと撫でた。
「私は許します。あなたのことを愛しているから」
朝顔先輩の華奢な背中から後光が差して見える。こんなに澄んで、透明な言葉、聞いたことがない。なんて馬鹿な人だと思った。関先生が悪い人ならば私と同じことを思っただろう。そして、彼女の背中に私と同じような羽根を見たことだろう。上げた顔は朝顔先輩の顔と重なって見えないけれど。
朝顔先輩は抱きしめるように耳へ口を寄せる。
「――でも、次はありませんよ?」
静かだから聞こえてしまった。関先生は救われた顔をしているから、今度こそは彼女を裏切らないで欲しいと思う。多分、裏切ったら大変なことになるから。こいつヤンデレだ。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢として断罪? 残念、全員が私を庇うので処刑されませんでした
ゆっこ
恋愛
豪奢な大広間の中心で、私はただひとり立たされていた。
玉座の上には婚約者である王太子・レオンハルト殿下。その隣には、涙を浮かべながら震えている聖女――いえ、平民出身の婚約者候補、ミリア嬢。
そして取り巻くように並ぶ廷臣や貴族たちの視線は、一斉に私へと向けられていた。
そう、これは断罪劇。
「アリシア・フォン・ヴァレンシュタイン! お前は聖女ミリアを虐げ、幾度も侮辱し、王宮の秩序を乱した。その罪により、婚約破棄を宣告し、さらには……」
殿下が声を張り上げた。
「――処刑とする!」
広間がざわめいた。
けれど私は、ただ静かに微笑んだ。
(あぁ……やっぱり、来たわね。この展開)
当て馬令息の婚約者になったので美味しいお菓子を食べながら聖女との恋を応援しようと思います!
朱音ゆうひ@11/5受賞作が発売されます
恋愛
「わたくし、当て馬令息の婚約者では?」
伯爵令嬢コーデリアは家同士が決めた婚約者ジャスティンと出会った瞬間、前世の記憶を思い出した。
ここは小説に出てくる世界で、当て馬令息ジャスティンは聖女に片思いするキャラ。婚約者に遠慮してアプローチできないまま失恋する優しいお兄様系キャラで、前世での推しだったのだ。
「わたくし、ジャスティン様の恋を応援しますわ」
推しの幸せが自分の幸せ! あとお菓子が美味しい!
特に小説では出番がなく悪役令嬢でもなんでもない脇役以前のモブキャラ(?)コーデリアは、全力でジャスティンを応援することにした!
※ゆるゆるほんわかハートフルラブコメ。
サブキャラに軽く百合カップルが出てきたりします
他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5753hy/ )
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる