黒猫と竜は白薔薇に恋をする

椿灯夏

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結局白薔薇の宮に着いた頃には、すっかり日も暮れていた。立派な門を一体いくつくぐっただろうか。体力的には全然問題ないのだが、精神的なダメージが大きく無駄に疲れた一日だった。


そんな暁の心境を察することもなく、アヤメたちは宮の中へ入る。途中でレイカは準備があると抜けた。



そのまま連れていかれたのは、広々としたシンプルな部屋だった。物はあまり置きたくないのか、広さのわりには物が少ない。



「ずいぶんと長い散歩だったようだな」


奥の間ーー 窓の方を向いていたクラッシク調の椅子が反転する。


「うっ。すまないシトラス」


「この人が隊長さん?確かに偉そうだねぇ、顔が」


うなだれるアヤメ。カナタと同じ感想だが、めんどくさい理由ってだけで暁は黙っている。
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