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お手並み披露
6.
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「空海・橘逸勢・嵯峨天皇の三筆や、小野道風・藤原佐理・藤原行成の三跡にはとても及びませんが」
仁那は艶やかに微笑んだ。
『紫藤瑞葉』ばりではないが、着物映えするメイクをしている。
カメラ慣れしているので、立居振る舞いから自信が感じられるのだろう。
適切な自信は人を美しく魅せる。
記者が彼女に見惚れたのがわかり、松代の眉が寄る。
「微笑ましく、皆さまを幸せにしてくれる書だと思います」
三筆三蹟。
彼らの前では多くのひとが劣る存在であることと、上手くはないが味のある字だと言ってみせた。
記者から確かに、といった言葉が聞こえてくる。
それから二人のなれそめについて、二・三質問があった。
示し合わせたとおり、二人は兄であり親友である和登から紹介されたと説明した。
最後に松代が今後の展望について語り、松代の屋台は揺るがないことを示して公開揮毫の会は終わった。
記者が退室し、関係者もいなくなった。
ホテルのスタッフが松代家の人間と仁那を高層階にある、懐石料理店に誘導する。
店の控え室には袋田家の人間が待っていた。
両家の顔合わせをすることにしたのは、松代の気遣いだった。
仁那は艶やかに微笑んだ。
『紫藤瑞葉』ばりではないが、着物映えするメイクをしている。
カメラ慣れしているので、立居振る舞いから自信が感じられるのだろう。
適切な自信は人を美しく魅せる。
記者が彼女に見惚れたのがわかり、松代の眉が寄る。
「微笑ましく、皆さまを幸せにしてくれる書だと思います」
三筆三蹟。
彼らの前では多くのひとが劣る存在であることと、上手くはないが味のある字だと言ってみせた。
記者から確かに、といった言葉が聞こえてくる。
それから二人のなれそめについて、二・三質問があった。
示し合わせたとおり、二人は兄であり親友である和登から紹介されたと説明した。
最後に松代が今後の展望について語り、松代の屋台は揺るがないことを示して公開揮毫の会は終わった。
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